ビジネスの現場で活用!実践的なノウハウ集

会議におけるファシリテーターの役割は?注意点と効率の良い進め方

ファシリテーター

ビジネスで「ファシリテーター」という言葉を耳にする機会が増えていますが、会議におけるファシリテーターとは何なのか、またどのようなことをする存在なのかについて、詳しくご存じない方もいるのではないでしょうか。今回は、会議に欠かせないファシリテーターの役割や、どのようなスキルが求められるのかについてご紹介します。

ファシリテーターとは?

ファシリテーターとは?

「ファシリテーター」という呼び名は、元々は“facilitation”という単語から派生したものです。“facilitation”には、「やりやすくすること」「円滑にすること」という意味があり、“facilitator”=ファシリテーター、つまり「facilitationをする人」を指します。「何かをしやすくする人」「物事を円滑に進める人」という意味合いだと解釈すると、分かりやすいでしょう。
すなわち、ファシリテーターとは、集団の中であえて集団活動自体には参画せず、他の参加者の活動について中立的にサポートや調整を行う人を指しています。

会議におけるファシリテーターの役割は?

会議におけるファシリテーターの役割は?

会議におけるファシリテーターとは、「会議を円滑に進行する人」のことです。具体的には「会議の進行役」として、司会者のような役割を果たし、会議に参加した人たちの意見を聞いて分かりやすくまとめて伝えたり、他の参加者たちのスムーズな理解を促したりします。

ファシリテーターは、会議中に自身の意見や主張を述べることはありません。会議の内容が議題やテーマから逸脱しないようコントロールしたり、発言者や意見内容の偏りをなくし、あれば方向修正をしたりすることが主な役割です。

会議ではファシリテーターと別に「議長」が置かれますが、議長には意見を述べたり最終決定を下したりする役割が課せられます。一方、ファシリテーターはそれらの権限を持っていない場合が一般的です。
会議の一般参加者が「意見を述べて討議する」役割で、議長が「それらの意見に基づき最終決定を下す」役割だとすると、ファシリテーターは「参加者や議長のサポートをする」「会議進行を調整する」役割を担います。

ファシリテーターに求められるスキル

会議におけるファシリテーターに必要とされるスキルには、以下にご紹介する5つが挙げられます。

1.意見をまとめるスキル

会議参加者のさまざまな意見や主張を、聞いたその都度整理して参加者の理解を促したり、それらをまとめて記録したりするスキルが求められます。

2.すべての参加者が発言しやすい場の雰囲気を作るスキル

ファシリテーターは自身の主張や意見などを控え、あくまで中立的な立場から参加者全員の発言を引き出します。特定の意見や見解に偏ったり否定・肯定したりすることなく、全員が発言しやすい議論の場を作ることが大切です。

3.意見を聞いて論点を明確にするスキル

全員の意見を遮ることなく最後までしっかり聞き、最適な結論が得られるように論点を明確にします。このように表現すると難しく感じられますが、簡単に言うと「聞き上手になる」ことと同義です。日常会話においても「聞き上手」な方はファシリテーターに向いています。

4.議論を合意形成に導くスキル

会議では、最終的に議論を合意形成に導く必要があります。ファシリテーターはさまざまな発言内容の共通項と相違点を見つけ、お互いがより良い結論を得られるような妥協点を探ります。

理想的なファシリテーターとは

ファシリテーターには、現場でのスキルとともに適した人物的・性格的特徴もあります。会議でファシリテーターを務めるのに適している人物像としては、以下の特長が挙げられるでしょう。

1.縁の下の力持ちとしての役割を進んで務められる

ファシリテーターは会議をまとめる存在でありながら、自身の主張を一切せず調整役を担うという、いわば「地味なポジション」にあたります。組織のためにあえて黒子に徹することができる方が、ファシリテーターとして理想的です。

2.効率の良い時間の使い方ができる

会議に使える時間は限られています。最適な結論を限られた時間内に導き出せるよう、限られた時間を効率的に使えるようにすることも、ファシリテーターとして意識したいポイントです。

3.会議の下準備などにも積極的に関われる

ファシリテーターは会議の進行役ですが、会議のための準備なども積極的に参加することが求められます。会議の場所選定や参加者への告知、会場の設営なども率先して取り組めるとより良いでしょう。

ファシリテーターとしての注意点

ファシリテーターとしての注意点

会議でファシリテーターを担当することになったら、まず何を意識すればよいのでしょうか。
ここでは、ファシリテーターを務めるにあたって注意したい点についてご紹介します。

1.「会議のサポート役」であることを理解する

ファシリテーターはあくまで「会議のサポート役」であり、会議の主役は参加者です。必要のない場面で「出しゃばる」ことは禁物です。参加者同士の意見が対立したときや、なかなか最終合意にたどりつけない局面では、参加者それぞれの立場を尊重して調整に臨みましょう。

2.会議全体の舵取りを担っていることを忘れない

会議を進めていると、「早く結論を導き出したい」「この人の意見が支持されないかな」と感じる機会もあるでしょう。しかし、ファシリテーターは会議の舵取り役であるという意識を持ち、個人的な希望や願望にとらわれないことが重要です。

会議を効率良く進める方法は?

会議をスムーズに進行し、より良い結論を導くことがファシリテーターの役割です。そのため、時間配分などに気を配りながら、だらだらとした会議にならないようにすることも大切です。ここでは、ファシリテーターとして会議を効率良く進行させるポイントをご紹介します。

ファシリテーターを務めるときのポイント

1.会議のシナリオを描いておく

会議の事前準備は、会場の設営や参加者への呼びかけだけではありません。円滑に会議を進めるためには、会議のシナリオを描いておくことも重要です。あらかじめ進行の段取りを決めておき、議論をどのようにまとめるかを考えておきましょう。

2.アジェンダを事前配布して、事前検討を依頼しておく

予想外の質問に対して、常に的確に答えられるという方は少ないでしょう。会議について何も知らされず、参加者がぶっつけ本番で会議に臨んでも、議論は進みにくいかもしれません。アジェンダを会議前に事前配布し、参加者に事前検討を依頼しましょう。会議の概要を周知することによって、会議で共有したい資料やデータを各自が準備することもできます。

3.予想される障害に対する事前準備(根回し)

会議を円滑に進めて合意形成を図るためには、議論を進める上で障害となりうる事項に対して準備をしておく、いわゆる「根回し」が欠かせません。根回しに対してネガティブなイメージを持っている方もいると思いますが、限られた会議時間内に合意形成に至るためには根回しが必要です。会議前にキーパーソンに相談して認識をすり合わせるなど、事前準備を忘れないようにしましょう。

4.会議のルールを作っておく

会議にノートPCを持ち込んでノート代わりにメモする光景は珍しくありませんが、中には会議とは関係のない仕事をしている参加者もいます。これでは全員参加の会議とは言えません。「内職はしない」など、会議のルールを作っておきましょう。
また、生産的な議論をするため、「アイデアを出す場面では批判しない」「反論するときは代替案を出す」「他人の話を遮らない」「自分にできないことを言わない」などのルールを設けることも大切です。

おわりに

今回は、会議におけるファシリテーターの役割や、ファシリテーターとして会議に臨む際の要点についてご紹介しました。ファシリテーターの重要性が広く認識されるようになり、養成講座や研修などに参加して会議進行のコツを学ぶ方も増えています。まずは会議の事前準備をしっかり行って、参加者が議論を始めやすい場を作っていくことから始めてみてはいかがでしょうか。

 

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