導入事例 「正倉院 THE SHOW」実行委員会様/上野の森美術館様

4K対応プロジェクターとカメラ自動調整技術の採用

高解像度な正倉院宝物デジタルアーカイブ作品の大型カーブスクリーン投写を技術支援
ー没入感ある高精度な仕上がりと曲面ブレンディング調整時間の短縮に貢献ー

「正倉院 THE SHOW」実行委員会 様/上野の森美術館 様
ビジネスプロジェクター導入事例
業種

その他

目的・成果

店舗演出・効果 業務効率化

テーマ

曲面ブレンディング投写の品質向上と調整時間の短縮

導入商品

ビジネスプロジェクター高輝度モデル/レンズ/外付けカメラ/ソフトウェア

導入機種

EB-PQ2008B+ELPLU04+ELPEC01 4セット/Epson Projector Professional Tool

記載内容は2025年11月取材時点のものです。

プロジェクター導入事例:「正倉院 THE SHOW」実行委員会様/上野の森美術館様

「正倉院 THE SHOW -感じる。いま、ここにある奇跡-」展における
「全身で感じる」をコンセプトにしたイマーシブ映像空間の構築

導入課題
  • 没入感のある映像を大画面に表示したい
  • 宝物の細部まで表現できる高い解像度が必要
  • カーブスクリーンに正確に投写できる性能と機能が必要
導入効果
  • 大型のカーブスクリーン採用で没入感の高い表現ができた
  • 8,000lm&4K解像度で高精細な映像が投写できた
  • 「カメラ自動調整」で短時間で正確なブレンディングができた

2025年9月20日から11月9日にかけ、東京・上野の森美術館にて、正倉院とその宝物の魅力を、音や映像と宝物の「再現模造」を組み合わせるなどして体感できる、「正倉院 THE SHOW」が行われた(注1)。本展には、上野の森美術館、「正倉院 THE SHOW」実行委員会(読売テレビ、読売新聞社、TOPPAN、角川メディアハウス)、日本テレビ放送網、BS日テレを主催に、エプソン販売も技術協力として参加。宝物の3Dデータを活用した大画面の映像演出にエプソンの高輝度プロジェクターが採用された。
そこで、TOPPAN株式会社の岸上さんに導入の背景や効果などについてお話を伺った。

  • (注1)本展は、2025年6月14日から8月24日にかけて、大阪歴史博物館でも実施。

本展は、「01 奇跡のはじまり」「02 全身で感じる」「03 壮大な物語」「04 新たな鼓動」という4つのステージで構成された。
その内の「02 全身で感じる」にて、プロジェクターを用いた映像演出を実施。スクリーンは曲面壁で、正確な曲面ブレンディング調整を行うのが難しい環境であったが、エプソンの最新の「カメラ自動調整」技術などを用いることで、短時間で高精度な投写が行えた。

導入背景

従来とは異なる層のお客様にも魅力が伝わるような展示方法を模索

TOPPAN株式会社
情報コミュニケーション事業本部
文化事業推進本部
課長
岸上剛士さん

TOPPAN株式会社では、2019年より正倉院宝物のデジタルアーカイブ化に取り組んでおり、これらの貴重な宝物データを活用した展覧会の開催を構想していました。そうした中、宮内庁正倉院事務所の監修の下、今回の実行委員会の主幹事である読売テレビをはじめとする関係各所と協働し、本展を実現する運びとなりました。本展では、宝物の実物を使わずに正倉院の魅力や物語を伝える必要があること、奈良で行われている正倉院展にいらっしゃるお客様とは違う層にも、その魅力を伝えたいという目標があることなど条件がある中で、どういった展示や企画ができるかを考えて進めてきました。
その後、展示を4つのSTAGEに分けて展示するといった概要が決まりましたが、中でも、STAGE2と呼んでいる映像空間では、1300年前に作られた宝物が持つ美しさに没入して頂きたい、宝物が持つストーリーを分かりやすく感じ取ってて頂きたいという狙いがあったので、それらを達成するには、どうしたら良いかという課題がありました。
映像を投写する装置については、実行委員会の株式会社角川メディアハウスのディレクターなどと共に、空間の形や装置などについて議論しながら進めました。そして、空間としては20m程度がベストだという認識に至りました。
さらに、弊社側でカーブスクリーンが没入感を高めるのに効果的という知見があったので、約20mのカーブスクリーンを採用することが決まりました。その一方で、カーブスクリーンに対応できる高輝度プロジェクターが必要でした。
加えて、デジタルアーカイブは極めて高解像なデータなので、それを十分に再現できる解像度も必要だとも考えていました。

プロジェクターの配置と表示範囲。
4台のプロジェクターで約20m×約4mのカーブスクリーンを投写。
さらに3台のプロジェクターで床面にも投写し、没入感のある映像を演出。ただし、十分な輝度と解像度のあるプロジェクターが必要になるほか、カーブスクリーンでは、幾何学的なブレンディングが必要になる点なども課題となった。
機材は、バトンを介して天井から吊るして設置。
レンズには、短焦点ズームレンズを使用し、設置距離が短くても広い範囲に投写できるようにしている。
導入理由

経験上の信頼性の高さと解像度の高さを重視して機材を選択

ハンドリングしやすく、複数台でブレンディングして使用する際にも使いやすいといった理由から、弊社ではエプソン製のプロジェクターを自社でも多く保有し、取り扱ってきました。そうしたこともあって、今回のプロジェクトでも、初期段階では弊社が保有している機材を用いる予定でした。しかしながら、約20m×約4mという大型スクリーンに投写するには、解像度の面で不足気味であり、できれば、さらに高解像な機材を使用したいと考えていました。
そうしたところ、エプソン販売に技術協力頂けるとのことで、最新の高輝度モデルであるEB-PQ2008Bをメインに使用し、弊社保有の機材については、床面への投写に活用することと致しました。
その結果、当初考えていた以上に高精細で没入感の高い映像をご覧頂けたほか、カーブスクリーンにも対応可能なエプソンの最新の「カメラ自動調整」機能を使用できたことで、設営作業も効率的に行うことができるなど、数多くのメリットがありました。

オプションの外付けカメラELPEC01を取り付けることで「カメラ自動調整」が可能になる。
本機能では、壁の形状などをカメラで立体的に捉えることで、非平面上でのブレンディングでも自動で行える。
導入効果

高解像で色鮮やかな映像表現ができ、来場者からも好評

まず、解像度の面では、思い描いていたとおりの高精細な映像を投写することができました。心配していたカーブスクリーンへの投写についても、エプソンの最新の「カメラ自動調整」機能を用いたソフトウェアブレンディングにより、プロジェクターを4台用いての曲面投写でありながら、正確かつ効率良く調整することができました。また、株式会社イマーシブのスクリーン塗料「Immersive Magic Wall」を使用させて頂いたことで、色鮮やかで黒色もしっかり再現できるハイコントラストな映像を投写できました。高品質であるものの、高コストでもあるLEDディスプレイと比べても、遜色ない美しい映像が投写できたと感じています。本展は大阪と東京の2か所で行われましたが、プロジェクターに関してはどちらも、会期中にブレンディングがずれるといったことも含めて、トラブルなく実施できたのは大変有難く感じています。今回、床面への投写に関しては、前にも記したように弊社が以前から所有しているエプソンのプロジェクターを使用したのですが、品番が違うことで色が違って見えるといったこともなく、色再現なども含めてエプソン製品の信頼性の高さを改めて実感しました。
お客様からは「映像が非常に美しかった」との声が数多く寄せられ、大変ご好評をいただきました。正倉院のある奈良から遠く離れた東京においても12万人を超えるお客様にお楽しみいただくことができました。

<カメラ自動調整のセッティング>

ポイント
1

スクリーンに投写範囲を定めるマーカー(複数の黄色い点)を投写して、そのマーカーの位置を精確に設定する。

ポイント
2

写真のような縞模様等のテストパターンを投写し、カメラユニットで認識したテストパターンとの差分を測定。
ブレンディング部分の幾何学補正と曲面に対するリニアリティーを自動調整。

ポイント
3

円などを表示し、形状のゆがみやブレンディング部分のずれなどがないか確認。必要に応じて微調整する。

専用塗料の使用でより美しい色再現が可能に

曲面投写面には、株式会社イマーシブの独自開発塗料「Immersive Magic Wall」を採用。
この特殊塗料が持つ高いコントラスト再現性と色再現性により、展示演出の完成度が飛躍的に向上しました。宝物の細部に渡る輝きや質感、空間の奥行きをリアルに表現できたことで、映像をただ「見る」だけでなく正倉院宝物の世界観を「感じる」展示空間を創り出すことにも大きく寄与しました。

「Immersive Magic Wall」
問い合わせ先:株式会社イマーシブ
Webサイト:https://immersive.tokyo/新規ウインドウで開きます
メール:info@immersive.tokyo
TEL:03-6820-2720

今後の展望

アーカイブの解像度を追求し、文化財の魅力を引き出したい

本展では、20cm程度の宝物の鏡を20mのスクリーンいっぱいに引き伸ばし、普段の実物鑑賞では目にすることの難しい細部まで体感的にご覧いただける展示を行っています。実物のスケールを超えて細部に迫ることで、文化財の新たな魅力や構造的な美しさに気づくきっかけを生み出すことができると考えています。今後も、より高精細なデジタルアーカイブの活用を通じて、こうした文化財との新しい出会いを提供できるよう取り組んでまいります。
正倉院宝物については、デジタルアーカイブを基盤とした魅力発信の幅を今後も広げていきたいと考えています。2024年の「正倉院展」では宝物のすぐ近くでデジタルアーカイブを公開する機会もありました。こうした取り組みを通じて、お客様が正倉院宝物や文化財に関心を持つきっかけとなれば、これほど嬉しいことはありません。今回の展覧会が、そのような新たな出会いを生む一助となったのであれば、私たちとしても大変ありがたく思います。

お客様のご紹介

「正倉院 THE SHOW」実行委員会様

読売テレビ、読売新聞社、TOPPAN、角川メディアハウス

上野の森美術館様

所在地
東京都台東区上野公園 1-2
最寄駅:JR「上野駅」公園口より徒歩3分
Webサイト
https://www.ueno-mori.org/新規ウインドウで開きます
お客様の導入製品について
導入製品
  • 導入商品

    ビジネスプロジェクター高輝度モデル/レンズ/外付けカメラ/ソフトウェア

  • 導入機種

    EB-PQ2008B+ELPLU04+ELPEC01 4セット/Epson Projector Professional Tool

  • 明るさ

    8,000lm

  • スクリーン解像度

    2軸シフト4K(注1)

    • (注1)4K信号を入力し、2軸シフトテクノロジーによってスクリーン上で4Kの高画質で表示します。

導入事例PDFダウンロード

この導入事例詳細はPDFでご覧ください。

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