ビジネスプロジェクター

導入事例 東京工業大学 教育革新センター 様

ビジネス向けプロジェクター導入事例:東京工業大学 教育革新センター 様 電子黒板の活用やe-ラーニングによる学びの多様化など、教育の形は大きく変容しつつある。大学教育が抱える課題をICTがどのように解決してくれるのか。

導入モデル

EB-595WT

投写面に書き込みが可能。授業で活用できる電子黒板。

導入の記事

教育工学 学びのデザイン ICTで変わる大学教育

能動的な学びを促す教育へ

インストラクショナルデザインで能動的な学びを促す

東京工業大学 教育革新センター推教授 渡辺雄貴 氏

教員の中には、名人芸ともいえるほどに教えるのが上手な先生がいます。私が専門に研究している「教育工学」では、そうした名人芸を分析し、より適切な教育法を一般化していきます。その際、工学的な手法を用いるので「教育工学」といいますが、テクノロジーの活用に限らず、心理学や社会学、統計学などあらゆる学問の知見を活用し、教育の改善を試みます。例えば、インターネットをはじめとしたデジタル技術を活用して学習を行う「e-ラーニング」や、事前に学習者が知識の習得をし、授業では知識確認を行ったり、知識を踏まえてディスカッション等を行ったりする「反転授業」などが具体例として挙げられます。

教育工学の一分野に「インストラクショナルデザイン」というものがあります。直訳すると「授業設計」。学習の「効果」、学習者や教員に対する「効率」、学習者がさらに学びたいと思う「魅力」の3つの観点から、授業の質を高める研究を行います。

日々科学技術が進化していくグローバル社会においては、リーダーシップや高いコミュニケーション能力が求められます。そうした人材を育成するためには、教員から与えられたものをこなして学ぶ受動的な授業形態ではなく、学生が主体性をもって能動的に学ぶ「アクティブラーニング」を推進していく必要があります。必要な情報を主体的にノートにとったり、ディスカッションやプレゼンテーションを行うことで思考のプロセスが外へ出てくるような授業へと「デザイン」していかなければなりません。その際、非常に有効なツールとして機能するのがICT(情報通信技術)です。

アクティブラーニング 推進のカギはICTの活用

例えば、本学でも使用している「インタラクティブ機能搭載プロジェクター」(EPSON)もICT化を進めている機器の一つ。投写した画面に直接書き込みができるのが大きな特徴です。グループワークで各グループの発表を電子ペンで書き込めば、それをデータとして保存したり、タブレットなどを通して学生一人ひとりに配布も可能。プロジェクターを2台用意し、片方に学生の発表、もう片方に模範解答例を表示させれば、教員がグループワークのフィードバックを書き加えながら問題点を可視化しつつ、インタラクティブに議論を進めていくこともできます。学生が能動的に学んでいく学習の「効果」を高めるとともに「効率」よく授業を行えますし、直感的な操作で、学習意欲に関わる「魅力」の面でもよい効果が得られると思います。また、短焦点のプロジェクターの場合は壁掛けをして真上から投写すれば影が写りにくく、画面が見やすい。学生がストレスなく授業に集中できる環境を整えることも大切です。

大人数の授業では、学生の意見を効率よく回収するのは難しいものですが、「クリッカー」という通信機器を学生に配布すれば、ボタン入力で回答を瞬時に集め、プロジェクターの大画面に回答結果を表示させることもできます。アクティブラーニングを実践するために、ICT機器をうまく活用することが欠かせないと思います。

本学では4月からスタートした教育改革により、重点的にアクティブラーニングに取り組むことになりました。目指すのは、自ら課題を発見し、主体的に学べる自立した学習者を育成すること。そのためにICTが担う役割は大きく、教育工学の意義は一層重要になっていくと考えています。

(談)

グループディスカッションの発表内容を、画面表示した解答例に書き込みながら照らし合わせる。

グループディスカッションの発表内容を、画面表示した解答例に書き込みながら照らし合わせる。

グループワークを積極的に行い、主体的に学ぶ意識を促す。

グループワークを積極的に行い、主体的に学ぶ意識を促す。

効果的なアクティブラーニングに欠かせない
「インタラクティブ機能搭載プロジェクター」の活用

思考プロセスを可視化

渡辺先生の授業では「インタラクティブ機能搭載プロジェクター」を2台用いることで、スライドや書き込みをした画面、動画などを柔軟に切り替えながら、情報提示や講義の効果、効率を高めている。グループワークの際は、複数のグループの意見や模範解答例を表示することで効率よくフィードバックが行える。学生の思考プロセスを可視化していくことで、積極的な学生にも消極的な学生にも均等に能動的な学びを促すのに効果的だ。

消極的な学生の中には、自分の意見や回答に自信がないという学生も多い。ただ講義を聞くだけのような受動的な授業では、そうした学生に自信を与えることは難しい。アクティブラーニングによって学生の思考プロセスを可視化すれば、理解が十分な点については学生に自信を与えることになるし、学習が足りない点については、自分の立ち位置がわかり、能動的な学びを促すことにつながる。そうした見えないところでのコミュニケーションも担う。

学習効果を高める

パワーポイントのスライドは前のスライドに戻るのに時間がかかるため効率がよくないが、電子黒板であれば瞬時に前の書き込みに戻ることができる。電子ペンを複数用いれば、複数の学生が同時に書き込むこともでき、プロジェクター間でのデータの共有も可能だ。データを保存し、学生に配布すれば、授業外の学習にも役立てられるので学習効果にも広がりがある。より効果的なアクティブラーニングを実践するために重要な役割を果たすツールである。

【 参考文献 】
○坂元昂[1979]教育工学の原理と方法<明治図書出版>
○Robert A. Reiser, John V. Dempsey(編著)鈴木克明、合田美子(監訳) [2013] インストラクショナルデザインとテクノロジ 教える技術の動向と課題<北大路書房>
○渡辺雄貴 [2016] 全学的なアクティブラーニング型FD プログラムの開発と評価<日本教育工学会第32回全国大会講演論文集 31-32>
○稲垣忠、鈴木克明 [2015] 授業設計マニュアルVer.2 教師のためのインストラクショナルデザイン<北大路書房>

渡辺 雄貴(わたなべゆうき)Yuki Watanabe,Ph.D.

1979年東京都生まれ。東京理科大学理学部卒業。東京工業大学大学院社会理工学研究科修了。博士(学術)。博士課程在学中より青山学院大学ヒューマン・イノベーション研究センター特別研究員、東京大学大学院情報学環特任研究員、首都大学東京大学教育センター助教などを経て、2015年より現職。専門は教育工学、インストラクショナルデザイン、学習環境デザイン。

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2017年2月9日現在
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