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いるもの、いらないものの境界線は? 思い切って捨てるための5つのコツ

片づけたいと思ってはいるものの、どうしても身の回りを整理することができないという悩みを抱えている人は少なくありません。

例えば3ヶ月前に終わったプロジェクトの企画書が手元にあるとします。「もしかすると、いつかの拍子に確認したくなるかもしれない」「このフォーマットは別の企画でいつか流用できるのではないだろうか」……その"いつか"が一体いつ来るのかは分からないけれど、処分してしまう勇気が湧かない。そして気づけば机の上には書類の山——こんなシチュエーションに心当たりがある人もいるのではないでしょうか。

ビジネス文書だけでなく、思い出の品であったり、飲みかけの薬といった日用品でも「いつか利用価値があるのではないか」と考えると、捨てたくてもなかなか捨てられないのも事実です。そこで今回は、思い切って物を捨てるための基準やコツを伝授していきましょう。

1日1つ、今の自分に最も不要なものを捨てよう

物をなかなか捨てられない人には、日ごろから捨てるという習慣そのものが身についていないというケースは少なくありません。まずは毎日何かを捨てる行動をルーティン化して、着実に物を減らしていくのが「捨てられない生活」から卒業するためのポイントのひとつです。

そうは言っても何を捨てればよいのか分からないという場合は、今の自分にいちばん必要のないものを捨ててみましょう。家にあるビールの空き缶、読み終わった雑誌、インクの出なくなったペン——周囲を見渡してみると、意外といらないものはたくさんあるはずです。

整理整頓をするなら、ぐっすりと眠れた次の日の朝に

片づけをする時には、身の回りのものが不要かどうかの判断をする必要があります。また、片づけの最中に集中力が切れて、処分の検討をしていたはずの漫画をその場で読みふけってしまった経験がある人もいるはず。つまり、判断力と集中力は片づけをする際に欠かせない要素なのです。

そこで整理整頓をするタイミングとしておすすめしたいのが、ぐっすりと眠れた翌朝。脳に疲労の溜まっていない状態で片づけに取りかかれば「いる・いらない」の判断をスピーディーに行うことができます。収納術をまとめたブログが人気のmeguさんの著書『メグメグのシンプルかわいい片づけ生活』でも、筆者は晴れた朝は晴れ晴れと前向きな気持ちになれるので、なかなか捨てられないものも処分するか否かの判断がしやすくなるとつづっています。また、アメリカのペンシルバニア大学が2010年に発表した調査では、被験者の睡眠時間を6時間に制限したところ、脳の認知能力と反応速度が著しく低下していったというデータも。一方、8時間から9時間の睡眠をとったグループには、能力の低下は見られなかったそうです。物事を集中して進めるにおいて、睡眠は重要な要素だということが改めてわかります。

「とりあえず」の収納場所をなくそう

ものを溜め込んでしまう原因の一つに、収納場所の使い方に問題があるケースがあります。本は本棚、食器は食器棚と、「これはここにしまう」という収納場所のルールができていれば、その収納場所に収まらないものは処分する、もしくはキャパシティーを超えてしまうようであれば買い足さないという判断ができます。

しかし、収納場所のルールを決めていないと、部屋の中に「行き場のないもの」が溢れかえってしまうのです。結果使うか使わないか、その時々では判断できないものを「とりあえず」と同じ場所に置いてしまいます。カナダ在住の人気ミニマリストである筆子さんは著書『1週間で8割捨てる技術』の中で、片づけられない人には物が集中的に溜まっている「プライムゾーン」が存在すると書いています。このスペースは「prime(プライム)=根本的な」という文字どおり、不要なものが溜まってしまう空間をつくる根本的な原因が潜んでいる場所なのだそう。筆子さんは、このプライムゾーンをなくすことが、ものを減らす大切なポイントと語っています。確かに、会社のオフィスなどで散らかっている印象を受けるようなデスクには、一つの場所にたくさん物が重ねられたりするもの。こうした場所を整理するだけで、だいぶ物は捨てられるのです。

自分の中での「賞味期限」を決めよう

どんなに片づけが苦手でも比較的整理のしやすい場所があります。それは冷蔵庫です。なぜなら、食べ物には賞味期限があるから。「もう食べない方がいいですよ」という一定のラインがあれば、処分してしまったり、早めに使ってしまうことができます。

この感覚を、机の周りにも取り入れてみるのです。例えばなかなか捨てられない年賀状には「3年」という賞味期限を設定してみましょう。取っておくのは3年前にもらったものまで、と区切りをつけておけば、捨てるなり、住所だけをパソコンに控えておくなりの対処法がとれるはずです。冒頭のプロジェクトの企画書も、賞味期限を「プロジェクトが終わって1ヶ月」と決めておけば、発行した日付を見ただけで処分の判断ができます。

それ、情報化できませんか?

それでもどうしても物が捨てられないという場合、物によっては迷っても捨てずに済ますことができるケースもあります。それが、書類をはじめとした紙物。紙のまま積み重ねてしまえばかさばるばかりですが、スキャンしてデータ化してしまえばどんなに大量の書類もスマートフォンやパソコンの中にすっきりと収まってくれます。また、データ化することでフォルダー分けをしたり、分かりやすい名前に変えたりと、一気に整理がしやすくなるのも利点でしょう。

物を捨てる習慣づくりはちょっとしたコツから始めることができます。捨てるべきものと残しておくべきものを見極めて、本当に自分に必要なものだけを整理できる力を身に着ければ、浪費癖が解消したり、身軽な生き方を手に入れられるようになるかもしれません。

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