補助金に関するコラム

第9回 最大250万円の事業復活支援金以外にも
たくさんある!国の事業者支援策をご紹介!

2021年11月19日(金)、政府は「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を閣議決定しました。新型コロナウイルス感染症の影響により滞っていた日本経済を一気に回復させるため、約55.7兆円と言う過去最大級の予算を投じています。そこで今回はその経済対策の中で言及されている、最大250万円の事業復活支援金等の事業者支援の施策についてご紹介します。

事業復活支援金はコロナ禍により売上が下がった事業者に対して売上減少分を給付するという事業であり、いわば「2回目の持続化給付金」となりますが、前回より内容が拡充されています。

持続化給付金では前年または前々年同月の売上と比べて50%以上減少していれば、最大200万円の給付を受けられました。一方、事業復活支援金は売上が前年または前々年同月比30%以上減っていればよいとされ、しかも最大250万円が給付されます。対象月は2021年11月~2022年3月であり、それらの月の売上減少額を基準に算定した金額を5か月分支給します。

売上が50%以上減少した場合、年間売上高1億円以下の法人の場合は最大100万円、年間売上高1億円超~5億円の場合は最大150万円、年間売上高5億円超の場合は250万円、個人事業主は最大50万円が支給されます。

売上が30%以上50%未満減少した場合、年間売上高1億円以下の法人の場合は最大60万円、年間売上高1億円超~5億円の場合は最大90万円、年間売上高5億円超の場合は150万円、個人事業主は最大30万円が支給されます。

対象者は全国・全業種の中堅・中小企業、個人事業主、フリーランスとなります。また、申請方法は原則電子申請となり、確定申告書、売上台帳、本人確認書類・通帳の写し等の書類提出が求められます。給付されるのは申請してから2週間以内とのことです。

予算は約2.8兆円にのぼり、370万件程度の申請を見込んでいます。ただし、持続化給付金の不正受給が相次いだことから、事業復活支援金では一時支援金・月次支援金と同じく登録確認機関による事前確認を行う等、書類の審査が厳しくなると想定されます。

事業復活支援金以外の支援としては「雇用増や賃上げなど所得拡大を促す税制」が掲げられており、2021年12月10日(金)に与党が公表した「2022年度与党税制改正大綱」にておおまかな方針が明らかにされました。

全従業員の総給与額を一定まで引き上げると税制優遇を受けられる、いわゆる「賃上げ税制」ですが、現行では大企業は最大20%、中小企業は最大25%の税額控除がなされます。しかし今後は、大企業は最大30%、中小企業は最大40%の税額控除に引上げられます。賃上げを行い従業員の消費意欲を喚起することで、各企業の利益を増やし、さらなる賃上げにつなげるという好循環を生み出すことが目的です。

同じ税制関連の施策としては、「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」もあります。経済政策の中では「グリーン社会の実現」を重要施策と位置付けており、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」も別途掲げています。「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」はその成長戦略の中の税制面の施策であり、省エネ・脱炭素に資する設備導入をした場合、最大10%の税額控除または50%の特別償却という税制優遇を受けられます。

賃金関係では、「最低賃金の引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援事業」という項目が掲げられています。厚生労働省の令和3年度補正予算案によれば、最低賃金を引き上げた分の人件費を補うための生産性向上に資する設備投資を支援する業務改善助成金の要件をさらに拡充させるとのことです。

労働者関係では、「成長分野への円滑な労働移動等の雇用対策パッケージ」を盛り込んでおり、厚生労働省の補正予算案によれば、アルバイト等の非正規労働者の正社員化を促すキャリアップ助成金を推進するとのことです。また、デジタル人材を増やすために研修費用を助成する人材開発支援助成金において、IT技術関連の研修は助成率を高めに設定するとのことです。

今回ご紹介した経済政策をベースとして各省庁も補正予算案を発表しており、今回紹介したもの以外の事業者支援は数多くあります。この経済政策や各省庁の補正予算案に目を通して、自社に関係ある支援策を探してみましょう!