
東洋鋼鈑株式会社 総務部長 清光隼人さん
東洋鋼鈑株式会社 安全防災環境部 環境戦略グループリーダー 吉村国浩さん
東洋パートナー株式会社 代表取締役社長 三吉一裕さん
東洋パートナー株式会社 管理部 総務グループリーダー 国村昌幸さん
再生紙から生まれる、やりがいとサステナブルな未来
PaperLabの導入で障がい者雇用の新たな道を拓く
PaperLab導入事例
- 業種
開発・製造
- 目的・成果
ダイバーシティ推進
- テーマ
サステナビリティ経営/SDGs対応/地域貢献
- 導入製品
PaperLab A-8100
記載内容は2025年8月取材時点のものです。
- 障がい者雇用の場が重労働中心で、マッチングに限界があった
- SDGs達成に向けた環境負荷低減の取り組みが求められていた
- 再生紙製造は大規模設備が必要という先入観があり、導入ハードルが高かった
- 作業負荷の少ない業務を創出し、障がい者雇用の幅を拡大
- 再生紙活用により環境貢献と社内コミュニケーションを促進
- コンパクトな設備で導入が容易となり、社内外での活用が広がった
PaperLab導入で障がい者雇用を大幅拡大
地域社会と共生し、サステナビリティ経営の実現へ
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、SDGsに関するさまざまな取り組みを行っている東洋鋼鈑様。同時に、サステナビリティ経営の視点から、地域の高等学校と連携したキャリア教育や、障がい者雇用も行っている。こうした環境負荷軽減や地域貢献の両方を叶える取り組みとして、PaperLabを導入。従来の重労働中心の障がい者雇用から転換し、作業が簡単に行えることで雇用の幅を広げ、法定雇用率を上回る成果を実現している。



――東洋鋼鈑様のSDGsに向けた取り組みと、PaperLab導入までの経緯について教えてください。
吉村氏:東洋鋼鈑は、東洋製罐グループホールディングスが中長期環境目標として掲げている「Eco Action Plan2030」に取り組んでおり、再生可能エネルギーの導入や、環境配慮型製品を開発することで、2030年度にGHG排出量50%削減(2019年度比)、2050年にカーボンニュートラルの達成をめざしています。また、山口県下松市においては、従業員が出向いて授業を行う「出前授業」や、ものづくりの楽しさの理解や当社へ興味を深めてもらえるように「職場体験」などを実施しており、地域社会への貢献も、非常に大切な取り組みと位置付けています。障がい者雇用の推進もその一つです。障がい者の方が活躍できる場所を増やしていくために何か良い方法はないかと考えていました。
清光氏:そう考えていた時に出会ったのが、PaperLabを導入した企業の新聞記事でした。当時、再生紙を作るというのは、大手の製紙会社が大規模な設備を使って行うものだと考えていました。ところが、PaperLabは非常にコンパクトで、しかも、操作も簡単だったため、再生紙の製造に対するイメージがガラリと変わったのを覚えています。何よりも導入されている企業では障がい者雇用の場として運用されているという成功事例を見て、本格的に導入を検討することにしました。
――障がい者雇用を推進するにあたり、PaperLab以外にも検討していたサービスはありますか?
三吉氏:実は、農園型の障がい者雇用支援サービスも、選択肢の一つとして検討していました。障がい者雇用を促進したい企業が農園をレンタルし、専門家が障がい者の方をサポートしながら、野菜などの栽培を行うサービスです。最終的にPaperLabの導入を決めた理由は、顔を見て彼らが抱えている悩みを聞きながら作業することが可能という点です。顔を見ながら働くことで、会社への帰属意識が高まり、障がい者の方にとっても働くモチベーションにつながると考えました。また、「再生紙」という本業でも使える成果物が生まれることも魅力でしたので、すでにPaperLabを導入されている会社を見学させていただき、実際に障がい者の方が働く姿や運用方法を拝見して、導入を決めました。
これまでの障がい者の方の仕事は、下松事業所の緑地の除草や枝の剪定などの緑化作業で、いわゆる重労働とされる業務が中心でした。そのため、人材の紹介先からは主に重労働に耐えられる方を紹介してもらっており、雇用のマッチングに限界を感じていました。しかし、PaperLabの作業は体への負荷が少ないため、雇用の間口を大きく広げることができ、現在、東洋鋼鈑の障がい者法定雇用率は、国が定める2.5%を上回っています。また、毎年実施している学生のインターンシップでも、昨年度はPaperLab導入前と比較して希望者が約2倍となりましたので、多様な人材が活躍できる社会の実現にもつながっていることを実感しています。


再生紙を使用したアイテムが会話を生み、作業者のやりがいをも創出する
PaperLabで生まれた再生紙は、社員の名刺やイベント用ノベルティとして活用。それらのアイテムを手にした人からは、自社で再生紙を作っているという珍しさから自然と会話が生まれ、良いコミュニケーションツールとなっている。その一方で、PaperLab導入から約一年が経ち、新たな活用法も検討段階へ。さらなる可能性を追求し、PaperLabから生み出される再生紙の価値を高めていく。また、PaperLab導入による雇用拡大が、障がいを持つ方との関わり方の幅を広げる契機となり、新しい取り組みも進められている東洋鋼鈑様。より一層、地域と共存する企業へと成長をめざしていく。




――PaperLab導入後の運用方法や再生紙の活用方法について教えてください。
大下氏:PaperLabに投入する古紙は、各事務所に設置されている回収ボックスに集められます。その古紙が集まると、サイズや着色の有無、両面に文字や図表の印刷があるかなどの仕分けを実施します。ステープラーで留まっているものはそれを外したり、パンチ穴のある紙は穴の部分をハサミで切り落としたりする作業も行っています。
国村氏:PaperLabで作られた再生紙は、社員の名刺としても活用しています。社内で再生した紙を使用しているということは、初対面の方とでもコミュニケーションのきっかけになると好評です。また、東洋鋼鈑では下松事業所を一般開放する「TK WORKSフェスティバル」というイベントを毎年秋に開催しており、そこで再生紙を使ったメモ帳やスケジュール帳、スケッチブックなどをノベルティとして配布しています。いずれもとても好評で、最近は新しい取り組みとして、社用封筒なども作り始めました。
松永氏:自分が作った紙のノベルティを、誰かが使っているのを見るのがとても嬉しいです。これらをきっかけに再生紙製造作業を見学しに来られた方ともコミュニケーションが取れるので、とてもやりがいを感じます。
――作業者の方の仕事に取り組む姿勢やモチベーションはいかがですか?
国村氏:作業がシンプルなことは良いのですが、逆に飽きてしまわないかと当初は心配していました。でも、実際は、いろいろ工夫して楽しみながら仕事をしてくれているので非常に安心しました。
大下氏:この古紙を入れると、どんな再生紙ができるのかドキドキしながら、楽しんで作業を行っています。特に注意しているのは紙の色です。社内で使用する名刺は、なるべく白い方が良いというリクエストを聞いているため、できるだけ白い再生紙を作れるように古紙の組み合わせを試行錯誤しています。
河中氏:私はこの仕事を通して、自分自身の成長を感じています。紙の仕分けでは手先を使う作業が多いため、初めは思うようにできなかったのですが、きちんと取り組むうちに、細かな作業も少しずつできるようになっていきました。また、自分の作業がしやすい環境になるように、職場の先輩に相談しながら、改善するのも楽しいです。導入当初と比べると、作業の正確性やスピードも格段に上がりました。「今日できなくても、明日できるように」という気持ちで、前向きにPaperLabの仕事に取り組んでいます。
松永氏:私も最初は上手く作業できるか正直不安でしたが、一年経った今では、自分のペースで作業が進められるようになりました。自分が携わった再生紙を利用したノベルティを、誰かが使ってくれるということに幸せを感じています。
国村氏:PaperLabを導入してから、約一年が経ちました。再生紙を作る工程も、スムーズに進行できるようになったと思います。今後は現在のノベルティ製作に留まらず、社内資料や会社案内や統合報告書など、活用の幅をさらに広げていきたいです。グループ会社からの古紙回収も進めていきたいと考えています。
大下氏:TK WORKSフェスティバルでもっとたくさんの人に喜んでもらえるように、再生紙を使った塗り絵など、子ども向けのノベルティもどんどん試作してみたいと思います。また、PaperLabを通して、さまざまな障がいを持つ方が関われる職場にしていきたいです。
三吉氏:先ほども述べましたが、PaperLabを運用し始めてから、障がい者の方の雇用率が上がりました。これからもその雇用率を高めていきたいと考えています。またPaperLab導入後、障がい者の方の新たな業務を創出しましたので、現在、その業務の実現に向けた取り組みを推進中です。この取り組みが実現すれば、もう一つ障がい者の方の働く場を提供できますので、地域への貢献をまた一歩前進させられると思います。これからも、東洋鋼鈑グループでこうした取り組みを積極的に進め、SDGsに貢献できる企業グループとして成長し続けたいと考えています。


東洋鋼鈑株式会社様/東洋パートナー株式会社様

1934年に日本初の民間ぶりきメーカーとして設立され、山口県下松市に製造拠点を置く東洋鋼鈑様。食缶や飲料缶に使用するぶりきをはじめ、独自の技術で暮らしや産業に役立つ「強さ」と「使いやすさ」を兼ね備えた素材を開発し続けている。2024年に環境保全への貢献、障がい者雇用拡大の観点から、グループ会社の東洋パートナー様にPaperLabを導入。

- 導入機種
PaperLab A-8100
- 設置場所
東洋パートナー株式会社 下松事業所
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