
環境保全+αの価値を創出し、
サステナビリティ経営を推進する
PaperLab導入事例
- 業種
開発・製造
- 目的・成果
ダイバーシティ推進
- テーマ
サステナビリティ経営/地域連携/活躍の場創出
- 導入製品
PaperLab A-8000
記載内容は2026年1月取材時点のものです。
- 資源循環をより促進できる取り組みを進めたいと考えていた。
- 環境保全にとどまらず、社内外とのコミュニケーションを生み出す仕組みを模索していた。
- 障がいのある方が継続的に活躍できる業務を創出したい。
- 機密文書を含む社内の古紙を再生紙として循環させ、名刺やノベルティなどのアップサイクル品として活用。
- 地域の教育機関との連携が生まれ、これまでにない形で社外との接点が広がった。
- 障がいのある社員が紙の再生から加工まで一貫して担い、仕事へのやりがいや誇りの醸成につながった。
環境保全にとどまらない価値を見出し導入
安定稼働に向けて運用の最適化を目指す
サステナビリティ経営の実現を目指し、環境保全をはじめとする多様な社会課題の解決に取り組む島津製作所様。紙資源の循環だけでなく、社内や地域とのコミュニケーションを活性化するツールとしての価値に着目し、PaperLabを導入した。現在、設置から約2年が経過。運用が定着する一方で、生産性の向上という新たな課題も見え、さらなる安定稼働を目指し、運用の最適化に向けた改善に取り組んでいる。
――島津製作所様のSDGsに関する取り組み、PaperLab導入の背景について教えてください。

サーキュラーエコノミー推進グループ
グループ長 三ッ松 昭彦さん

サーキュラーエコノミー推進グループ
村上 裕一朗さん


三ッ松氏:島津製作所では、SDGsへの取り組みも含め、社会課題の解決を目指す「サステナビリティ経営」を推進しています。事業を通して持続的に価値を創出すると同時に、環境問題や人権といった社会のさまざまな問題の解決を目指すという考え方です。サステナビリティ経営の中にはさまざまなテーマがあり、環境面においては大きく三つの柱を掲げています。一つ目は、再生可能エネルギーの導入による脱炭素経営。二つ目は、製品の省エネ化や薬品の使用量の削減などを追求する、製品のエコ化。そして、三つ目が資源循環を目指すサーキュラーエコノミーです。PaperLabの導入は、このサーキュラーエコノミーを具体化する取り組みの一つとして位置づけています。PaperLabを導入する決め手となったのは、環境保全としての側面はもちろんですが、それ以上に、導入することで生まれる付加価値も非常に大きいと判断したからです。PaperLabという資源循環ができる機械があると聞き、実際に導入している企業を5か所ほど見学しました。その時に知ったのが、PaperLabがあることで、障がいのある方の新たな活躍の場を生み出せることや、地域との連携も広がる可能性があるということです。環境保全への取り組みに加えて、そうした付加価値にも大きな魅力を感じ、PaperLabを導入することにしました。
――PaperLabの具体的な運用方法と、再生紙の活用方法について教えてください。
三ッ松氏:PaperLabに投入する古紙は、機密文書に限定しています。その理由は二つ。まずは、PaperLabは再生紙を作る工程で紙を繊維の状態にまで分解するため、機密文書を適切に処理できる点です。もう一つは、機密文書に限定することで、雑誌のような再生紙に不向きな紙が混ざることが少ないことです。また、ファイルで管理している機密文書は極端に折れ曲がった紙が少ないため、仕分けの手間を減らせます。回収した古紙の分別を担当しているのは、京都本社で4名、神奈川にある工場で2名、計6名の障がいのある社員です。彼らは再生紙の製造はもちろん、名刺や各種グッズに加工する工程まで一貫して担当してくれています。
再生紙は、主に社外配布用のアップサイクル品として活用しています。カレンダーやノート、封筒、コースター、名刺箱、ポチ袋、メモ帳など、用途はさまざまです。PaperLabは小ロット生産が可能なため、一つのツールをたくさん作るというよりは、いろいろな種類のツールを作ることを重視しています。そのほうが多くの方にPaperLabの製品を使ってもらう機会が増え、私たちの取り組みを伝える機会が多くなるからです。名刺も全社員分を印刷したいのですが、社員数が多く、すべてを賄うのはまだ難しいため、人事部門や環境部門、一部の営業拠点でのみ採用している状況です。
村上氏:PaperLabを導入してから約2年が経過し、運用が軌道に乗る一方で、今後に向けた新たな課題も見えてきました。日々の作業フローや役割分担については、関係者の理解も進み、安定した運用体制を築くことができています。しかし、その中で特に課題として認識しているのが、「いかに効率よくPaperLabを稼働させられるか」についてです。
今回導入したPaperLabでは、A4・A3の二つのサイズに加え、紙の厚さを10種類から選ぶことができます。この柔軟性は大きな強みである反面、生産計画を立てるうえでは難しさにもつながっています。あらかじめ需要を想定して特定の厚さの紙を多めに生産しておいても、実際の使用段階では別の厚さの紙が必要になることが少なくありません。例えば、厚さAの紙を中心に準備していたものの、急きょ厚さBの紙の注文が集中するといったケースもあり、結果として在庫と需要のバランスが崩れてしまうことがあります。そこで現在は、発注方法や在庫の把握をより可視化し、システマティックに管理できる仕組みづくりを検討しているところです。PaperLabを長期的に安定運用していくためにも、生産管理の精度を高めることが、次のステップとして重要だと考えています。



資源循環、活躍の場創出、地域連携
PaperLabがもたらす「環境保全+α」の価値
PaperLabの導入を機に障がいのある方を新たに6名採用。紙の再生業務に加え、個人の画力を活かしたノベルティ制作など、それぞれの個性を大切にした活躍の場を創出している。また、地域の学校と連携した環境教育や、回収した古紙を卒業証書として再生するプロジェクトを実施するなど、社外との接点も拡大。資源循環と新たな雇用、そして地域連携を、PaperLabを通して実現している。
――PaperLab導入後に感じる効果や地域連携について教えてください。
三ッ松氏:PaperLabの効果の一つが、障がいのある方が活躍できる場を創出できたことです。前述したように、PaperLab導入後、6名の方を島津製作所の社員として迎えることができました。彼らは人事部に所属しており、教育担当の社員からは「非常にやりがいを持って働いてくれている」と聞いています。単なる作業を行うだけでなく、自分たちで効率よくできる方法を工夫したり、話し合ったりしながら、PaperLabの業務をとても楽しんでくれているそうです。絵が得意な方がいて、ノートなどの表紙を飾るイラストを描いてくれます。その絵が、PaperLabのノベルティに花を添えてくれ、社内の評判も非常に高いです。

雇用面以外では、PaperLabを通して地域とのつながりが生まれたことも、大きな成果と言えます。2025年度は立命館宇治中学校・高等学校と連携し、環境教育プログラムを実施しました。座学研修に加え、現場見学やPaperLabの体験を通じて、資源循環を実感してもらうという内容です。学生の皆さまからは、環境への理解が深まっただけでなく、島津製作所そのものへの関心が高まったという声もいただき、企業としてよいアピールになったと感じています。この環境教育は、最終的に再生紙を活用して卒業証書を作るプロジェクトに発展。学校の古紙を回収し、その古紙で卒業証書を作成しました。その他にも、地域の大学と連携して、PaperLabを活用したプロジェクトも進める予定で、大学案内などに再生紙を活用するなどの取り組みを視野に入れています。こうして、今までにない形で地域の学校と関わりができたのは、PaperLabを導入したからこそです。
村上氏:もちろん環境面においても、負荷軽減に貢献しています。2025年度(2025年4月~2026年1月時点)では、古紙を8万3,000枚リサイクルしました。数値に換算すると、CO2の排出量を約2tも抑え、水資源においては500mlのペットボトルを206万本分削減(注1)したことになります。
- (注1)同一重量当たりのPaperLab再生紙と市販コピー用紙のライフサイクルにおけるCO2排出量・水消費量の差分より算出。
前提:それぞれ1tの用紙にて算出。PaperLab再生紙の坪量は90g/m²
カーボン・オフセットを活用し、PaperLabのライフサイクルで発生するCO2排出量は「実質ゼロ」として算定。そのため、CO2排出削減量は市販コピー用紙のライフサイクルで発生するCO2量に相当。
CO2排出削減量・水消費削減量は、早稲田大学 創造理工学部 環境資源工学科 伊坪研究室 監修のもと当社試算。
――今後の展望について教えてください。
三ッ松氏:会社としてはペーパーレス化を推進していますが、まだまだ紙の出番は多いです。そのため、今後もPaperLabが活躍する機会は多いと考えています。
PaperLabを導入してから約2年が経ち、少しずつ社内の認知度も上がってきました。会議室の名札をPaperLab製にしたり、社内WEBで記事を掲載したりするなど、社員との接点を積極的に増やしてきた結果だと思います。社内からの引き合いも増えているので、これから益々PaperLabの出番は増えていくはずです。
また、環境活動を継続していくためには、PaperLabの業務を何らかの形でビジネスとして成立させることが重要だと考えています。少額でも対価を得る仕組みをつくることで、活動を持続可能なものにできるからです。まだまだ構想段階ですが、PaperLabを導入している他社の後工程、つまり「紙は作れるけれど加工まで手が回らない」企業のアップサイクル品製作を受託する事業ができればおもしろいなと考えています。社外から仕事を受けることで、障がいのある方にとっても、会社に貢献しているという実感をこれまで以上に強く持てるのではないでしょうか。
PaperLabを導入して約2年。運用は着実に定着しつつある一方で、その可能性はまだ尽きていないと感じています。今後も活用の幅をさらに広げながら、島津製作所ならではの視点で、これまでにない価値を創出し続けていきたいです。
株式会社島津製作所様

「科学技術で社会に貢献する」を社是とし、分析計測機器・医用機器・航空機器・産業機器といった幅広い分野における、精密機器の製造を手掛ける島津製作所様。プラスチックをはじめとする資源循環への取り組みも積極的に進めており、その一環としてPaperLabによる紙の再生にも取り組んでいる。今回はPaperLab導入の背景や運用上の課題、そして環境保全にとどまらないPaperLabの付加価値や、今後の展望について詳しく話を伺った。

- 導入機種
PaperLab A-8000
- 設置場所
島津製作所本社
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