紙の循環で、つぎの地域共創を
「KAMIKURU」プロジェクト

  • 省資源・資源循環
  • 廃棄物削減
  • 水資源保全
  • 共創
紙の循環で、つぎの地域共創を「KAMIKURU」プロジェクト

デジタル化が進む中でのペーパーレス化、そして、環境意識の高まりとともにリサイクルペーパーを使うことも増えています。一方でコミュニケーションツールや保管手段として「紙」が必要とされている場面もありますが、その紙の生産には水や木材資源など多くの資源を必要とします。

捨てられるはずだった使用済みの紙から新たな紙を生産し、資源を循環させる。
さらに価値を加えたアイテムを作り出すアップサイクルが注目されています。

「KAMIKURU(カミクル)」プロジェクトは、自治体をはじめ、学校や民間企業・団体などが一体となって協力しあう「紙の循環から始める地域共創プロジェクト」の愛称です。アップサイクルによって紙が地域をクルクル(KURUKURU)と循環することで、人と社会によりよい未来がやって来る(KURU)ことを目指して名づけられました。

再生紙の循環により、地域共創を促進する

水を使わずに(注)使用済みの紙から新たな紙を作ることができる乾式オフィス製紙機の「PaperLab」から生まれた再生紙は、通常の資料などでの利用はもちろん、名刺やはがき、店舗のショッピングバッグやパッケージ、学校の卒業証書など、さまざまなアイデアによるアップサイクルアイテムへと形を変え、地域社会の中で活用されはじめています。

  • (注)機器内の湿度を保つために少量の水を使用します。

「KAMIKURU」プロジェクト参画者の声

老舗百貨店・井筒屋「オリジナルの手提げ袋にアップサイクル、社内やお客様に広がる環境意識」

定期的に紙の回収を行うことで、「KAMIKURU」プロジェクトや環境問題に対して、社内の意識が少しずつ高まってきているのを実感しています。
社内スタッフ一人ひとりの協力が手提げ袋という形になり、それをお客様にご提供します。手提げ袋には、アップサイクルに取り組むプロジェクトの活動内容についての記載があるので、それを読んだお客様にも環境問題への意識が伝わります。そうやって少しずつでも環境に対する考えが広がっていけばいいなと思っています。

技術商社ドーワテクノス「さらなる地域活性化への期待」

オフィスに古紙回収ボックスを設置し、各部門でバラバラだった用紙や発注方法を統一することでコスト削減を実現しました。社員向けワークショップや社内報で発信し、啓蒙活動を継続しています。「KAMIKURU」プロジェクトへの参画により、地域の障がい者の雇用機会創出に貢献し、SDGsの取り組みが新たなビジネスを創出する効果も生まれています。

中間高校「世界でたった1枚の卒業証書」に込めた想い

・この卒業証書は、明るい未来へとつながる希望になると思います。
・活動を通して、自分たちの活動がこれからの未来を変えていけるということを学びました。
・この取り組みを通じて、古紙に対する意識が変わり、家でも使える紙を捨てずに裏紙として使うようになりました。この素晴らしい取り組みが未来まで続いてほしいと願っています。

障がい福祉サービスわくわーく「新たな出会いと雇用の広がり」

プロジェクトに参加したことで、障がいのある方の雇用創出と賃金アップが実現し、事業所以外の方々との繋がりができたことが大きな喜びです。企業や地元の学生との交流が増え、みんなのモチベーションが上がっています

紙の循環イメージ

古紙の再生による環境負荷の低減はもちろん、アップサイクルアイテムを企画・作成・提供する活動を通じて、地域のSDGs意識の向上、多様な雇用機会の創出などにも貢献し、地域全体の活性化につながることが期待されています。さらに、リアルなSDGs学習の場と機会を提供し、将来世代人材の育成にも貢献しています。

古紙の仕分け作業の様子
「KAMIKURU」プロジェクトを題材とした授業風景
再生紙を利用したアップサイクル品

現在プロジェクトが展開されている福岡県北九州市において、アップサイクルによるサーキュラーエコノミの実現を目指していること、多様な組織・教育機関との連携・支援による実践内容が多彩であることなどが評価され、 エプソンは「2021北九州SDGs未来都市アワード」企業部門にて『SDGs大賞』を受賞しました。また、「KAMIKURU」プロジェクトを共に推進するNPO法人「わくわーく」様は、当プロジェクトを含む様々な活動が評価され、 「令和4年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰」で内閣府特命担当大臣優良賞を受賞されました。

地域で生まれる古紙の活用について、みんなでアイデアを共創し、アップサイクルして地域に還元するという取り組みを通じて、ひとびとの環境に対する意識向上へとつなげるこのプロジェクトを、さらに大きく全国に広める機会創出を進めていきます。