「市民を笑顔にする」地域貢献を目指して
地域に根差したスポーツチームとの新たな共創の形
- 省資源・資源循環
- 廃棄物削減
- 共創

スポーツチームがハブとなり、ホームタウン(活動拠点の地域)の行政や企業、市民をつなげることで、地域貢献や課題解決を促進させていく、スポーツチームと企業の新しい「共創」の形が生まれています。エプソンはこの新しい共創で、地域貢献に取り組んでいます。
企業とプロスポーツチームの共創活動を実現した仕組みを紹介
【月刊事業構想 スペシャルインタビュー】はこちらから
地域に根差したスポーツチームとだから、できることがある
現在、多くのプロスポーツチームが競技だけでなく「ホームタウン活動」に力を入れています。例えば、地域の自治体や企業、団体と協力し子供向けのスポーツスクールを開催したり、地域住民の健康寿命を延ばす取り組みを行うことで、地域貢献を実現しています。
東京都町田市を拠点とするフットサルチーム「ペスカドーラ町田」は、「ペスカドーラがあることで私の人生・日常が豊かになった。そんな人を増やしたい」という思いを掲げ、「環境」「教育」「健康」をテーマにホームタウン活動を行っています。その活動の一環として、「PESCA LAB(ペスカラボ)」という構想をスタートしました。「PESCA LAB」は、地域との強い関係性やスポンサー企業、イベントでの高い集客力といったチームの強みを活かし、ホームゲーム会場(町田市立総合体育館)や選手、マスコットキャラクターなどのコンテンツを利用して、自治体や企業との共創ビジネスを促進し「市民を笑顔にする」ことを目指しています。エプソンはペスカドーラ町田の共創パートナーとして、「PESCA LAB」への協力を通じて、地域貢献やさまざまな課題解決を促進するモデルケースを作る活動をしています。

ペスカドーラ町田と「環境」への取り組みを開始
ペスカドーラ町田のファンは、主に町田市やその近郊に住んでいる方が多く、リーグ開幕戦やシーズン佳境のホームゲームの際には、体育館が満員(来場者数2,000人以上)になります。エプソンは地域貢献の一環として、ホームゲームで「環境」や「教育」をテーマにした活動を行っています。
<廃棄物削減の取り組み>
ペスカドーラ町田は、ホームゲームごとにマッチデープログラム(パンフレット)を配布しています。そのマッチデープログラムの余剰分や、ファンが持ち帰らなかった一定量は会場で廃棄していることに課題感を感じていました。
そこで、マッチデープログラムや応援グッズ(ハリセンや選手カード)を、再生紙で制作することで、環境負荷を低減しました。この活動では、ほとんど水を使わずに使用済みの紙から新たな紙を生み出すことができる、エプソンの乾式オフィス製紙機「PaperLab(ペーパーラボ)」を活用し、試合会場で廃棄されるはずだったパンフレットを回収して次回のパンフレットの原料としています。また、紙への印刷には低消費電力で印刷が可能な「エプソンのスマートチャージ」を使用しています。2022年度からこの活動を開始し、24年度までの3年間で、古紙を原料に約1万枚以上のパンフレットを作成しました。このような形で「紙資源循環」を実現しており、今後は地域にPaperLabを設置する拠点を作り、資源循環の輪を広げていくことを目指しています。

また、ペスカドーラ町田のグッズ販売は、多くのファンが心待ちにしています。しかし、時期を過ぎると販売できなくなる限定グッズなどの余剰在庫は、チームにとって経営リスクにつながる可能性もありました。そこで、必要なグッズを必要な時に制作できる体制を目指して、コットンやポリエステル素材に直接印刷できるエプソンのガーメントプリンターを導入し、チームがTシャツやバッグなどのグッズをオンデマンドで内製できる環境を整えました。これにより、余剰在庫のリスクを減らすだけでなくホームゲーム以外のイベントグッズの制作にも柔軟な対応が可能となりました。さらに、グッズの種類も増やすことができ、廃棄物を削減しながらファンの満足度向上にもつなげています。

そのTシャツもエプソンのガーメントプリンターで制作しています。
<環境教育イベントの開催支援>
ペスカドーラ町田は、地域の子供たちが通うフットサルスクールも経営しています。その子供たちの環境意識を高め、行動変容までを促すことを目的に、夏休みのホームゲーム開催日に環境教育イベントを共催しました。学校以外の場で、大好きなスポーツチームを通じて学ぶ機会は、子供たちの新たな気づきにもつながっています。受講した子供たちの保護者からは、「選手たちと一緒に環境教育に参加することで、環境問題がより身近に感じられ行動が変わった」といった声をいただくことができました。今後も子供達の行動力を通じ、友達・家族・地域を巻き込み「環境貢献」の輪を広げていくことを目指しています。イベントの詳細はこちらのページでご覧ください。

ホームゲームでの取り組みから地域課題への取り組みへ
ペスカドーラ町田とエプソンによる共創の輪を、地元企業やスポンサー企業へと広げていき、より多くの市民を笑顔にできるよう、その価値を更に高めていきます。そして、ペスカドーラ町田を中心に"町田市民を笑顔にするエコシステム"を形成し、持続的にさまざまな地域貢献を目指していきます。
【月刊事業構想 スペシャルインタビュー】 企業とプロスポーツチームの共創活動を実現した仕組みとは?

社会課題など様々な課題解決のために、異なる分野の企業同士や自治体などがタッグを組んで「共創」する事例が増えてきています。
エプソン販売が今、そしてこれからのパラダイムをどう捉えてペスカドーラ町田との共創活動を行っているのか、そして、その共創活動を実現した「PESCA LAB(ペスカラボ)」の仕組みとは?
環境ビジネスや地方創生を専門とする事業構想大学院大学見山特任教授からの視点を通して見えた共創活動の可能性とともにご紹介します。
見山 謙一郎(みやま けんいちろう)氏
事業構想大学院大学 特任教授
(株)フィールド・デザイン・ネットワークス 代表取締役CEO、アントレプレナー教育と社会課題ドリブンのイノベーション創出・実装支援に従事。三井住友銀行(旧住友銀行)東京営業部、本店営業部等で15年半勤務した後、アーティストが設立したNPOバンク(ap bank)に理事として参画。同理事を退任後、起業独立。環境省・中央環境審議会(循環型社会部会)、総務省(地域活性化)、川崎市上下水道経営事業審議委員会等の行政委員や、「マーケティングホライズン」(日本マーケティング協会)の編集委員等を歴任。立教大学大学院ビジネスデザイン研究科修了(専攻:技術戦略論)。経営学修士(MBA)。