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イートインとテイクアウトで税金が変わる!
「軽減税率制度」実施前に飲食店が準備すべき3つのこと

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2019.03.15
軽減税率

 飲食店経営者が、今最も気になる話題と言えば、2019年10月から実施される消費税の軽減税率でしょう。特にイートインとテイクアウトでは税率が変わる為、両方に対応している店では複数の処理が必要になります。レジまわり、価格表記など、実施までに必要な準備をわかりやすく解説します。

そもそも「軽減税率」とは?

そもそも「軽減税率」とは?
 「軽減税率」とは、2019年10月から実施される消費増税における制度です。消費増税に伴い、ほとんどの商品は10%に引き上げられますが、飲食料品やテイクアウト商品などの例外は8%に据え置かれます。

イートインとテイクアウトで消費税が変わる? 飲食店が注意すべき点

 飲食店が知っておかなければいけないのは、イートインとテイクアウトで税率が変わるということ。この制度のポイントは、扱う「商品」で税率が変わるのではなく、その商品を「どのように提供するか」で変わるという事です。
 イートイン、フードコート、ケータリングなど、商品を購入したお客様に食事をするためのスペースを用意すると「外食」と見なされ、10%の標準税率となります。一方、袋に入れて商品を譲渡する「テイクアウト」は軽減税率が適用され8%になります。また、店舗にスペースがある場合でも、お客様側がそれを利用せず持ち帰った場合は8%となります。
 つまり、イートインとテイクアウトの両方が可能な飲食店は、注文時にお客様の意思をはっきり確認する必要があります。

ギリギリで慌てない!いまから準備しておきたい3つのこと

 2019年10月から軽減税率が適用されると、消費税は上記のようにシーンや受け渡し方法で異なってきます。導入直前で慌てないために、いまから必要な3つの準備を確認していきましょう。

1 複数税率の算出ができるPOSレジを用意

 8%と10%という2つの税率ができることで、レジ打ちの作業はより煩雑になります。店舗では熟知したスタッフばかりが使うとは限らないため、レジも新しく、わかりやすいものに変えると良いでしょう。
 オススメはタブレットPOS。準備するのは、主にタブレット端末とレシートプリンター、そして連動するPOSレジアプリです。タブレットPOSの導入により複数税率への対応はもちろんのこと、スマートフォンを使っている人なら直感的に理解できるインターフェイスなので、スタッフの教育時間も削減できます。
 さらにタブレットPOSにより、売上単価の推移、お客様が集中する時刻などを分析してデータ化できるので、お店の売上アップにも繋がります。また導入コストも抑えられるので、キャッシュドロアーなどの周辺機器まで併せて導入することで、さらに業務効率化が図れます。

軽減税率制度
2 対象商品を洗い出す

 店舗で使用している食材などの商品、そして販売しているメニューや商品が軽減税率の対象になるか、改めて整理する必要があります。国税庁の資料によると、仕入れに関連してくる飲食料品の多くは対象になります。気をつけたいのはアルコール類。お酒は10%ですが、ノンアルコールは8%になるなど、細かい違いがあります。
 また、販売しているメニューや商品については、レストランのように店内で食べるイートインなら10%、テイクアウトなら8%となります。たとえ小包装された商品でも、店舗内で座って食べる場合は10%、テイクアウトの場合は8%となるので、包装の形態で変わるわけではないことも覚えておきましょう。

イートインとテイクアウト、異なる価格を明記する
3 イートインとテイクアウト、異なる価格を明記する

 飲食店内で販売している商品やメニューはイートインとテイクアウトで税率が異なるので、メニュー表やレシートなどでお客様にわかりやすく“明記する”ことも忘れてはいけません。
店舗で掲示する価格表には「当店の価格は全て税込表示となっております。持ち帰りと店内飲食で税率が異なります」のように、明記します。
 レシートの印字も、わかりやすくシンプルに。受け取ったお客様が分かりづらい内容だと、後々トラブルになりかねません。誰が見てもわかりやすい表記になっているか確認しましょう。

 複雑に見える軽減税率も、一度仕組みを覚えてしまえば、判別しやすくなります。販売のレギュレーションに関わることですから、店舗スタッフに情報伝達を行い、ミスが起こらないよう事前準備を早めに整えていきましょう。

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