チームラボ INTERVIEW:エプソンのプロジェクターが創る圧倒的な没入感

MORI Building DIGITAL ART MUSEUM :EPSON teamLab Borderless

「エプソン チームラボボーダレス」の圧倒的な没入感を生み出す、エプソンのプロジェクターとチームラボの空間設計・投写設計

《人々のための岩に憑依する滝》、《花と人、コントロールできないけれども共に生きる – A Whole Year per Hour》、
《追われるカラス、追うカラスも追われるカラス:境界を越えて飛ぶ》

2024年の麻布台ヒルズ内でのオープン以来、世界中で注目を集める「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」(以下、エプソン チームラボボーダレス)。エプソン チームラボボーダレスは、チームラボのアート群によるミュージアムで、色彩豊かなアートが部屋や通路を移動し、混ざり合い、境界なく連続する1つの世界を作り上げています。

この唯一無二の世界観、圧倒的な没入感をもつ作品は、一体どのように作られているのでしょうか。

今回は「エプソン チームラボボーダレス」で展示されている3作品を取り上げ、チームラボの作品表現の研究、作品仕様や空間設計のプランニングを担当しているアートカタリスト・下山佳介さん、展示における機材の選定や設計、設営を担当しているテクニカルカタリスト・村上達郎さんに、作品制作の背景についてお話を伺いました。その中で見えてきたのは、作品世界を形にする驚くほど緻密な設計です。そして、その設計を具現化し、彼らの目指す体験を実現する上で、エプソン製のプロジェクターが不可欠な役割を果たしていることがわかりました。

《追われるカラス、追うカラスも追われるカラス:虚空の宇宙》の作品空間に立つ下山さん

視界すべてが作品に囲まれる空間に身体ごと没入し、浮遊感や迫りくる作品世界の迫力を体験してほしい。

チームラボが20年近くの歳月をかけて研究を続けている作品のひとつです。身体と作品の境界が失われていくような没入体験を実現するため、空間、ソフトウェア、ハードウェアのアップデートを重ねてきました。

今回の「エプソン チームラボボーダレス」では、従来にない巨大な空間で本作品を展示することになりました。ソフトウェア、空間設計、素材選定、投写設計など、あらゆる視点から仕様を見直し、迫力のある作品に仕上がっています。多くのお客様が驚きの声を上げ、中には立っていられないくらい身体感覚が揺さぶられる方もいるほどです。

没入感を高める上では、壁や床などに物体の存在を感じさせない素材を選ぶことが重要です。従来のプロジェクターの性能では、投写に適した素材の選択肢が限られていました。しかし、現在はプロジェクターの性能が向上し、十分に明るく、豊かな色彩を再現できるようになったことで、素材の選択肢が広がりました。光量の増加や色の再現性、コントラスト性能の進化が、空間設計、投写設計の自由度を飛躍的に広げています。

《人々のための岩に憑依する滝》、《花と人、コントロールできないけれども共に生きる – A Whole Year per Hour》
の前に立ち解説する村上さん

さまざまな作品が現れ、影響し合い、時間によって移り変わっていく空間をじっくり体験していただきたい。

「エプソン チームラボボーダレス」には、全館で約560台のプロジェクターが設置されています。なかでも、作品『人々のための岩に憑依する滝』の展示空間は、広く複雑で、もっとも多くの台数を必要とする空間です。

没入感を追求するチームラボの作品においては、高精細な映像表現と、深く沈み込むような黒の再現性が極めて重要です。特に後者は、プロジェクターのスペック表を見ただけではわからないため、実機をテストし、吟味を重ねてエプソンの機種を選択しました。

映像表現と同様に、「作品以外を感じさせない」ことも、作品づくりで細心の注意を払っている点です。お客様が作品空間に入った時、壁や床、機材、設備など、実在する物体の存在を感じさせないよう、緻密に空間を設計しています。

さらに、ぜひ注目していただきたいのが「人の影」への対策です。インタラクティブな映像が投写される床上を大勢のお客様が歩き回るため、はっきりとした影が映ると作品の体験が損なわれてしまいます。これを避けるため、多方向から映像を投写し、影が映りにくいよう工夫を凝らしているのです。

こうした要件をクリアするためには、プロジェクターの設置性能の高さ、投写範囲の柔軟性が求められます。エプソン製プロジェクターの特徴である可動域の広いレンズシフトには、大いに助けられていると感じます。

また、実務面ではプロジェクターのトラブルに備えることも重要です。一部の機材が使えなくなっても、他のプロジェクターが広い可動域でカバーできます。取り換え工事などで展示を中断することなく、一時復旧が可能です。

《凍結された透明の生命》の作品について解説する村上さん

作品空間の中に身体ごと没入し、作品世界と現実空間が曖昧に一体となる体験。

数m四方ほどしかない小さな部屋。にもかかわらず、無限に広がる空間に迷い込んだかのように感じられる不思議な作品です。この空間は、通常では投写が難しい特殊な素材を使用している上、空間の広さと投写の高さのバランスを緻密に計算する必要があったため、その設計は、非常に難しいものでした。しかし、エプソン製プロジェクターは、投写が困難な素材でも、投写距離設定の自由度が高いため、機材の配置の工夫がしやすく、表現の幅が広がりました。

短い投写距離でも広範囲に映像が映し出せる超短焦点レンズがなければ、実現しなかったでしょう。エプソン製プロジェクターに適合するレンズは、ラインアップが非常に豊富で、元来投写が難しかった空間での表現を可能にしてくれました。

《人々のための岩に憑依する滝》、《花と人、コントロールできないけれども共に生きる – A Whole Year per Hour》を背に語る下山さん

ともに感動の体験をつくるパートナーとして。

プロジェクターの光は、条件さえ整えば、どんなに複雑で巨大な空間もアート空間に変えることができます。しかし、実現するための時間、コストは有限です。

機種の異なる数百台のプロジェクターを、一斉に制御できるエプソンのソフトウェアは、現場での調整時間を大幅に短縮してくれます。また、プロジェクターに適合する多彩なレンズ群は互換性が高く、コスト面のメリットも大きいと感じます。実際に「チームラボボーダレス」をオープンした際は、プロジェクターは当時最新の機種に刷新したものの、多くのレンズを過去の展示から流用し、コストの最適化につなげました。

解像度や色彩の再現性といった目に見える性能はもちろん、こうした汎用性やコストの最適化も、私たちにチャレンジの機会を与え、表現の幅を広げてくれる重要な要素です。エプソンとは多くの人に感動を伝えるパートナーとして、良い影響を与え合いながら成長を続けていきたいと考えています。

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