伊藤正一|Syouichi Ito

【東京写真月間2019】
「源流の記憶 -『黒部の山賊』と開拓時代-」

  • 会期:2019年6月28日(金)~7月25日(木)
  • 時間:10:00~18:00(最終日は14:00まで)
  • 休館: 日曜日

この度エプサイトギャラリーは、東京写真月間2019・国内企画展「山を生きる人々」-山と共に-」の一環として、北アルプス最奥の地・黒部源流のフロンティアとして知られる故・伊藤正一氏の写真展「源流の記憶 -『黒部の山賊』と開拓時代-」を開催します。

伊藤氏は第2次世界大戦の終戦直後、北アルプス最奥の地、黒部源流域に単身開拓者として足を踏み入れました。「山賊」と呼ばれた個性的な職猟者たちと共同生活を送りながら、三俣蓮華小屋を再建し、「最後の秘境」と呼ばれた雲ノ平を世に知らしめるべく、黒部源流への最短ルートとなる「伊藤新道」を開拓。雲ノ平山荘、水晶小屋、湯俣山荘を建設した後は、当時まだエリート志向が強かった登山界を大衆に開くべく勤労者山岳連盟を創設するなど、大衆登山発展のための礎を築いてきました。この頃の話をまとめた伊藤氏の著作『定本 黒部の山賊』は、山岳の本としては異例のベストセラーとなり、時代を超えて今なお登山愛好者に広く読まれています。

本展では伊藤氏が92歳の時に上梓した写真集「源流の記憶 『黒部の山賊』と開拓時代」の世界観をデジタルアーカイブとして再現。黒部源流一帯の開拓の様子と北アルプス登山黎明期を物語る資料的にも貴重なモノクロ写真と、雄大な四季の表情を豊かに捉えた当時のカラー写真を交え、最新のプリントテクノロジーでご覧いただきます。

人の力だけで大自然に挑んだ秘境黒部の知られざる開拓時代の物語と、山を心から愛し、山に生きた伊藤氏ならではの視点で切り取られた天空の世界の四季折々の情景をぜひご堪能ください。

伊藤正一

伊藤正一

大正12(1923)年、長野県松本市生まれ。北アルプス黒部源流域の開拓者、写真家。
戦前は航空エンジンの開発に従事する。
昭和21(1946)年、三俣蓮華小屋(現在の三俣山荘)、水晶小屋を譲り受け、「山賊」と呼ばれた猟師たちの協力を得て、湯俣山荘、雲ノ平山荘を次々と建設。昭和31(1956)年には、それまで歩いて2日かかった黒部源流域へ1日で到達する最短ルート、伊藤新道(現在、一般道としては使われていない)を独力で完成させる。日本勤労者山岳連盟創設者として、大衆登山発展のために尽力した。2016年逝去。
著書に『黒部の山賊—アルプスの怪—』、『黒部渓谷と雲ノ平』、『山小屋はいらないのか』など、写真集に『白夜のフィヨルド ノルウェイの風土と人間』、『白き峰々 THE ALPSヨーロッパアルプス』、『源流の記憶 「黒部の山賊」と開拓時代』。