田沼武能

とにかく見る人に「上手い！」と思わせる作品です。写真で物語を作り上げているのですが、不自然さがなく、映画のシーンを見ているような印象の強い作品。自分の思いや感じたことが、とても素直に写し込まれていて、ぎこちなさが全く感じられない、作者のセンスの良さが光る作品です。今後も数多くの作品を作り出していかれると思いますが、このままの素直な感性を持って撮り続けていくと、きっと素晴らしい写真家になるのではないかと想像します。今後も素敵な作品を発表していただきたい。

三好和義

作者にとっては、身近なシーンだと思いますが、そうしたシーンでこれだけの作品を作り出せるのは、かなりの力量があると思います。テクニックとしても、クローズアップや背景のボケ表現などの使い方や逆光、斜光といった光の使い方が上手く、立体感や空気感が美しく感じられます。それでいて、テクニックが前面に出てくることもないのは、さすがだと感心させられました。作品はブック形態となっていますが、ブックのページをめくる度に家の中の空気感がリアルに浮かび上がってきて、ほのぼのとした素晴らしい作品です。