ニュースリリース
2020年1月28日
セイコーエプソン株式会社
秋田エプソン株式会社

エプソングループ子会社の秋田エプソンが「第8回ものづくり日本大賞 経済産業大臣賞」を受賞


表彰式の模様

セイコーエプソン株式会社(本社:長野県諏訪市、代表取締役社長:碓井 稔)の子会社である秋田エプソン株式会社(本社:秋田県湯沢市、代表取締役社長:遠藤 正敏)と国立大学法人秋田大学大学院医学系研究科(秋田県秋田市、医学系研究科長・医学部長:尾野 恭一)、国立大学法人秋田大学医学部附属病院(秋田県秋田市、病院長:南谷 佳弘)、秋田県産業技術センター(秋田県秋田市、所長:赤上 陽一)の4者は、このたび「世界初の技術「電界撹拌」を用いたがん迅速診断支援装置の開発」の取り組みで、「第8回ものづくり日本大賞 経済産業大臣賞」を受賞し、1月27日、表彰式が東京都内のホテルにて開催されました。

ものづくり日本大賞は、日本の産業・文化の発展を支え、豊かな国民生活の形成に大きく貢献してきた「ものづくり」を着実に継承し、さらに発展させていくため、製造・生産現場の中核を担っている中堅人材や伝統的・文化的な「技」を支えてきた熟練人材、今後を担う若年人材など、「ものづくり」に携わっている各世代の人材のうち、特に優秀と認められる人材を顕彰する制度です。経済産業省、国土交通省、厚生労働省、文部科学省の4省が連携し、平成17年の創設後、隔年で開催されています。

近年、日本人の死亡原因のトップであるがんの治療に必須とされる病理診断ですが、詳細ながんの鑑別を行うには時間がかかるという課題がありました。この課題解決のために、世界初の「電界撹拌」技術*1を採用し、病理診断に使用される「免疫染色法」*2の染色工程にかかる時間を2時間超から20分に劇的に短縮することを実現しました。本技術により手術中に免疫染色の結果が活用でき、治療方法の最適化が可能となります。再手術の必要性も減り、患者と医師の負担が大幅に低減でき、医療費削減効果も期待されています。

*1:電界撹拌技術:電場を用いて微少量の液滴を非接触で撹拌する技術。

*2:免疫染色法:抗体を用いて組織内の抗原を可視化する方法。抗原と抗体の特異的な反応を利用して抗原の局在を顕微鏡下で観察します。

今回の受賞は、秋田県産業技術センターが開発した「電界撹拌」技術をコア技術とし、秋田大学と秋田エプソンという「秋田の産官学連携」で開発が進められ、がんの手術中病理判断を可能にする電界撹拌染色装置「ヒスト・テック®R-IHC®*3の開発・製品化、病理診断などの諸活動が認められたものです。なお、「ヒスト・テック®R-IHC®」は、サクラファインテックジャパン株式会社(代表取締役社長兼CEO:石塚 悟)を通じて、2014年から国内販売されています。

*3:「ヒスト・テック®」は、サクラファインテックジャパン株式会社の登録商標です。
R-IHC®」は秋田エプソン株式会社の登録商標です。

今回の受賞内容は、下記のとおりです。

■経済産業大臣賞 製品・技術開発部門

受賞案件名:「世界初の技術『電界撹拌』を用いたがん迅速診断支援装置の開発」

■受賞者/所属団体

鈴木 洋一(すずき よういち) 秋田エプソン株式会社
佐藤 正(さとう ただし) 秋田エプソン株式会社
榎本 純也(えのもと じゅんや) 秋田エプソン株式会社
南谷 佳弘(みなみや よしひろ) 国立大学法人秋田大学大学院医学系研究科
南條 博(なんじょう ひろし) 国立大学法人秋田大学医学部附属病院
赤上 陽一(あかがみ よういち) 秋田県産業技術センター
中村 竜太(なかむら りゅうた) 秋田県産業技術センター

■秋田エプソンの会社概要

社名 秋田エプソン株式会社
設立 1986年6月20日
資本金 8,000万円
役員 代表取締役社長 遠藤 正敏
従業員 960名(2020年1月1日現在)
本社所在地 〒012-0801 秋田県湯沢市岩崎字壇ノ上1番地
事業内容
  • プリンターヘッド部品の製造
  • ウエアラブル機器・部品の製造
  • 超精密部品・金型具冶工具の製造加工

以上

記載されている情報は発表日現在のものです。予告なしに変更になる場合がありますので、あらかじめご了承ください。