ニュースリリース
2019年3月14日
会社名 セイコーエプソン株式会社
代表者名 代表取締役社長 碓井 稔
(コード番号:6724 東証第一部)

「Epson 25 第2期中期経営計画」(2019年度~2021年度)の策定について

セイコーエプソン株式会社(以下、エプソン)は、このたび、エプソングループ長期ビジョン「Epson 25」の実現に向けた3カ年の中期経営計画「Epson 25 第2期中期経営計画」を策定しましたので、お知らせします。

Epson 25 第2期中期経営計画

1. 第1期中期経営計画(2016年度~2018年度)の振り返り

2016年に策定した長期ビジョン「Epson 25」においては、2025年に向けたエプソンが進むべき方向性として、"「省・小・精の価値」で、人やモノと情報がつながる新しい時代を創造する"を掲げ、私たちの強みを生かせる4つの領域でイノベーションを起こし、持続可能で豊かな社会をつくり出すことを目指しています。

◆長期ビジョン「Epson 25」 epson.jp/company/corporate_vision/

この長期ビジョン「Epson 25」の実現に向けた、第1期中期経営計画(2016年度~2018年度)の3カ年では、将来成長に向けて大きく進展した取り組みがあった一方で、計画に対する遅れや十分な成果に結びついていない取り組みなどもありました。さらに想定を上回る外部環境の変化にも影響を受け、業績は売上収益、事業利益、ROSともに未達の見込みです。

<第1期中期経営計画における主な成果と課題>

  • コア技術の強化や生産能力の増強、将来成長の核となる商品の投入などは成果があったものの、スピード感を持った取り組みに課題
  • 販売面で、日本・西欧の販売体制整備や顧客知見の蓄積は進展するも、その他の地域での販売体制整備の遅れや、顧客知見を生かした商品・サービスの提供と提案手法の確立に遅れ
  • 経営資源は、成長分野での積極的な設備投資や研究開発を実施した一方、全体としてのメリハリが不十分

2. 第2期中期経営計画の基本的な考え方

上記の振り返りを踏まえ、「Epson 25 第2期中期経営計画」では、引き続き「Epson 25」で目指す姿は堅持し、環境変化や社会課題に対応したメリハリのある経営により、高い収益を生み出す事業運営に改革します。

<第2期中期経営計画基本方針>

(1)資産の最大活用と協業・オープンイノベーションによる成長加速

  • ソリューション提案型ビジネスの強化
  • 協業も含め商品ラインアップの迅速な強化
  • コアデバイスを用いた外販ビジネスとオープンイノベーションの強化
  • ロボティクスへ経営資源を投下し主柱事業化に向け成長を加速

(2)本社からのコントロールによる、グローバルオペレーションの強化

  • 強化すべき事業領域・地域の選択と集中
  • 提案型BtoB営業力強化に向けた組織整備と人材投入
  • 全社統合IT基盤の整備

(3)経済環境、戦略の実効性を踏まえた規律ある経営資源の投入

  • メリハリをつけた商品ポートフォリオの再構築
  • 財務規律の強化

3. 業績目標

項目 2018年度予想※1 2021年度目標
売上収益 1兆700億円 1兆2,000億円
セグメント プリンティングソリューションズ 7,100億円 7,800億円
ビジュアルコミュニケーション 1,980億円 2,250億円
ウエアラブル・産業プロダクツ 1,620億円 1,950億円
事業利益※2 650億円 960億円
ROS(売上収益事業利益率) 6.1% 8%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 9.5% 継続的に10%以上
為替レート USD/EUR/他通貨※3 110円/127円/92 110円/125円/92

(ご参考)長期ビジョン「Epson 25」における業績目標

2025年度目標 売上収益 1兆7,000億円
事業利益※2 2,000億円
ROS(売上収益事業利益率) 12%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 15%
為替レート USD/EUR/他通貨※3 115円/125円/100
  1. ※1 2018年度予想は2019年1月31日時点
  2. ※2 事業利益は、売上収益から売上原価、販売費および一般管理費を控除して算出
  3. ※3 その他通貨の各レートを為替ボリュームに応じて加重平均した値について、2025年度目標を100とした指数

4. 取り組み

(1)4つのイノベーションに向けた取り組み

<インクジェットイノベーション>

  • ホーム・SOHO/オフィス共有分野では、大容量インクタンクモデルや高速ラインインクジェット複合機など、大容量インクモデルのインクジェットプリンターにより、レーザープリンターやインクカートリッジモデルからの置き換えを加速させ、消耗品に依存したビジネスモデルからの転換を進める。

    ※ 当社分類カテゴリーの1つ。高プリントボリュームオフィス向けプリンター。

  • 商業・産業分野では、プラットフォーム化と協業により高生産性商品のラインアップを一気に拡大する。
  • さらに、プリントヘッド外販とオープンイノベーションで多種多様なニーズに対応し、ビジネスを拡大する。
  • 社会の急速なデジタル化によって生まれるニーズをとらえ、協業・オープンイノベーションにより、新たなプリンティングサービスを創出する。

<ビジュアルイノベーション>

  • レーザー光源エンジンを核としたプラットフォームのさらなる進化により、高光束モデルをはじめとしたラインアップを効率的に拡大し、プロジェクターの提供価値を向上させる。
  • ライティングモデルによる空間演出需要の創出や、小型プロジェクターの商品化などにより、新市場の開拓を進める。

<ウエアラブルイノベーション>

  • 独創の技術を生かした付加価値の高いアナログウオッチ領域に経営資源集中を継続する。

<ロボティクスイノベーション>

  • エプソンの技術基盤を土台として、積極的に協業も行うことで、商品力とソリューション提案力をさらに強化し、将来の主柱事業とするべく成長を加速させる。
  • AI活用によるさらなる使い勝手向上や、ヒト協調市場への参入を実現する。

(2)営業機能の強化

  • グローバル視点での販売戦略の実行と、管理機能を強化するために、本社による統制力を強化すると同時に、BtoBビジネスへのシフトに向け、顧客密着型・ソリューション提案型の営業への転換を進める。

(3)持続可能な社会の実現に向けて

  • 持続可能な社会の実現に対する期待の高まりをビジネスチャンスと捉え、印刷性能・環境性能・インク対応性などに強みを持つインクジェット技術によるイノベーションを加速させ、持続可能な社会の実現に貢献する。

5. 財務目標

(1)キャッシュフロー

着実な利益成長、効率的なオペレーションを実現し、キャッシュフロー創出力を回復します。

項目 第1期中期経営計画(予想) 第2期中期経営計画
営業キャッシュフロー 3年間累計:2,741億円 3年間累計:3,700億円程度
フリーキャッシュフロー 3年間累計:447億円 3年間累計:1,700億円程度

創出したキャッシュは、メリハリを付け成長投資へ優先配分したうえで、健全な財務構造を維持しながら、株主還元を実施します。

(2)投資計画

項目 第1期中期経営計画(予想) 第2期中期経営計画
研究開発費 3年間累計:1,580億円 Epson 25実現に必要な新商品・要素開発などに積極的に投下
設備投資
(リース除く)
3年間累計:2,377億円 3年間累計:2,000億円程度
(生産体制強化・新商品対応など)

6. 株主還元の基本方針

経営環境の変化などに耐えうる健全な財務構造の維持と積極的な利益還元に並行して取り組むことを、配当政策の基本方針としています。

項目 第1期中期経営計画 第2期中期経営計画
利益配当
(連結配当性向)
2018年度:48%程度(予想) 40%程度
自己株式取得 2016年度:100億円の自己株式取得 株価水準や資金の状況などを総合的に勘案し、必要に応じて機動的に実施

※ 本業による利益を示す事業利益から法定実効税率相当額を控除した利益をベースに算出

「Epson 25 第2期中期経営計画」の詳細は、2019年3月14日に公表したプレゼンテーション資料もご参照ください。

◆説明会資料epson.jp/IR/library/presentations.htm

以上

記載されている情報は発表日現在のものです。予告なしに変更になる場合がありますので、あらかじめご了承ください。