-インクジェットプリントによるフォトコンテスト-エプソンフォトグランプリ2018

過去の入賞作品一覧

2015年度 審査員総評

審査員総評

田沼 武能(たぬま たけよし)

今回は昨年に比べて応募数が増えたということですが、ただ増えただけではなく、質の高い作品が増えたというのが私の率直な感想です。では質の高い作品とは何か?ということですが、それは「何に感動したのか」「何を表現しているのか」という写真を撮る動機や、表現する目的がはっきりしていて、なおかつプリントにして伝えている作品のことを言うのです。カメラはあらゆるものを失敗なく撮ることができるようになりました。今年の審査を通して、カメラのテクニックだけを競うコンテストは終わり、ようやく次の段階で競うコンテストになってきたなと思えるようになりました。今年の応募作品が、作者自身の新しい発見を提案するもので溢れていたことに喜びを感じます。
 ネイチャー部門で気がついたことは、今年は特にランドスケープ的な風景写真が少なかったように思います。これは今後作品展開をする上で穴場じゃないかな?と思いました。季節感のあるダイナミックな風景なんかも今後是非見てみたいですね。またヒューマンライフ部門は、レベルの上がり方がすごいです。質といい量といい、見せ方まで工夫をされた力作がひしめいていた印象です。これは間違い無く日本の最高のレベルですし、世界でも通用しそうな作品もありました。中学・高校写真部部門は昨年とはうって変わって、写真を楽しむだけではなく写真作品を作るという方向に力点が置かれた応募作が多かったと思います。今までのものに捉われないで作品を作ることは必要ですし、若さゆえにできることでもあると思います。オーソドックスな対峙の仕方だけではなくそこに若い人独自の柔軟なアイデアを入れた作品が今後登場することを期待しています。

三好 和義(みよし かずよし)

毎年見応えがあり、ますます充実してきたコンテストです。一時はラージサイズプリント一辺倒だった応募作品が、去年から徐々に作品にあったサイズを選ぶようになってきたと思います。今年はそれに追加して作品で伝えたいものを的確に伝えるための枚数、用紙選び、プレゼンテーションの方法を工夫された作品が多くなってきたように思います。作品づくりの文化が成熟し始めているように感じました。一方ひとつ気がついたのは、アルバムやポートフォリオなどブック形式にした作品が減ったなと思いました。時代の流れ的に今はあまり注目されなくなっているのでしょうか?しかし作品の流れを表現するにはいい方法のようにも思いますので、挑戦してみても面白いと思います。
 ネイチャー部門で印象に残ったのは、被写体の質感まで大事にしている作品が多かった点です。田沼先生もおっしゃっていたように風景写真のダイナミックなものはあまり最後まで残りませんでしたけど、その代わり宇宙を感じさせるような夜景の作品は増えてきているんじゃないかなと思いました。ヒューマンライフ部門は、写真作品を撮るという視点だけではなく、写真を撮る行為自体を楽しむというように意識がシフトしているんじゃないかな?と思わされました。ひとつひとつの作品を見ていると、作者の人となりを想像することのできる作品が増えてきていて、これまで以上にじっくり見ないと審査できないなと思わされました。中学・高校写真部部門の応募作品全体の雰囲気がガラっと変わったのは少しびっくりしました。これは同じ学校の写真部でも学年によって写真や社会に対する考え方が異なるからだろうと思います。来年はどんな作品が出てくるのか?またガラっと変わって今まで見たことのないものが生まれてくるのかと思うと期待に胸が膨らみます。

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