
日常的にデジタルカメラを使うようになって思う事がある。定義としては曖昧だけど「画像」と「写真」という言葉だ。かなり気分的なことなんだけどボクの中では撮影した映像をモニターに映し出すのが「画像」であり、ペーパーにプリントされたものが「写真」なのだ。言い換えれば銀塩写真時代のネガをプリントする事と同義なのだ。
デジタルカメラの画像を扱う上で、モニターキャリブレーションという行為は当然行うべき事と思ってはいる。とは言え、モニターの経年変化や環境光まで配慮をして作業ができれば申し分ないのだけど、なかなかそうはいかないのが現状ではないのだろうか。
またモニターのように発光体で見る画像と反射光で見るプリントでは、感覚的に見え方が違って見えるものじゃないだろうか。そんな中、ボクが撮影した画像を写真として定着する際に、モノサシとして信頼しているのが「写真用紙絹目調」だ。この紙のとてもニュートラルな仕上がりが自分の作品づくりをしていく上ですべてのスタンダードになっているのだ。
RAWデータで撮影したものを現像ソフト(ボクの場合はSILKYPIX)でおおよその仕上げの方向を決め、Photoshopで最終的な詰め(レタッチをすることもあるけど、基本的には暗室作業で行っていた覆い焼に近い作業がほとんどだ)をした後、この「写真用紙絹目調」にプリントをしてコントラストや色調など写真を構成する上で大事な要素を、実際に手に取ることが出来るプリントした状態にして自分の目で確認するようにしている。
このようにいつも同じ状態で写真を作って行くことで、写真の仕上がりトーンが安定し、安心して撮影に臨めるようになるのだ。自分の中でスタンダードが出来上がると、そこから表現トーンをずらす場合も基準がない場合と比べて、とても容易い事となると思う。
自分の写真を制作するには、今ボクが使っているPX-5800やPX-6500などAdobe RGBの色域をカバーしているプリンターたちは、画像を写真に昇華する際に最高のパフォーマンスを発揮してくれているはずだ。

力強い表現をしたいとき、しっとりとした表現をしたいとき、その時々に応じてペーパーを使い分けることが出来る贅沢な時代になってきた。これは銀塩写真時代に比べても考えられないほどのバリエーションの豊富さだ。
展覧会などで展示したり、コンテストに応募する事を考えてみよう。PCのモニターで人に見せたり、雑誌などの印刷で見せる場合とは違い、プリントした紙が最終表現媒体になるので、紙の持つ肌合いが自分の写真に合っているか、その肌合いが自分の写真にプラスに働いているかまで考えて紙を選ばなくてはならないのだ。
例えばカラーで撮影された写真を高光沢紙の「写真用紙クリスピア」とテクスチュアがありマット系の「Velvet Fine Art Paper」にプリントしてみると、同じ写真なのに手に取った時の印象が違うモノになっているはずだ。
ライトグレーインクを持つPX-P/K3インクが、階調豊富な再現力で被写体を最高の状態で定着させてくれるので、「クリスピア」はくっきりとしたヌケのいい仕上がりとなり、Velvet Fine Artはしっとりとした絵画調とも言える仕上がりとなる。この二つは全く違う性格のペーパーなのだけど、写真を表現する上でそれぞれの特性が自分の写真に合致した時には、写真の質をグレードアップしてくれるのだ。
光沢用紙「写真用紙クリスピア」で出力された写真。色域が広い被写体でも透明感ある出力ができる。
また、それぞれのペーパーは作品としての写真を支えるには十分な厚みがあり、そのたたずまいは高級感とともに、一度にたくさん並べて審査されるコンテストの際も、光り輝くものであると確信している。
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