雨のち曇り、ウェットからハーフウェットのタフなレースで3位表彰台を獲得

7月も下旬となり、いよいよ夏本番、のはずが国内各地が大雨に見舞われることになった7月28?29日、仙台郊外にあるスポーツランド菅生では、07年スーパーGT第5戦が行われた。土曜日に行われた公式予選で、午前中に行われた1回目のセッションでロイックは、1分15秒693まで詰めてこれまでのコースレコードを更新。午後のスーパーラップでも、午前中にマークした自己ベストを僅かに更新する15秒689をマーク。2台のNSXに続く3番手グリッドをゲットするとともに、NSX勢によるトップ3グリッド独占に、一役買うこととなった。

決勝日となる日曜の朝はドライコンディションだったが、午後は雨が予想されており、それが展開にどう影響するかが注目された。そしてスーパーGTのスタートを狙いすましたように雨粒が落ち始め、コースは見る見るウェットコンディションへと変わっていった。タイヤチョイスが難しいところだったが、スリックタイヤでグリッドまで1周してきたものの、これは明らかに無理。ただ、これ以上降り続けることはないと判断し、結局ロイックはインターミディエート(浅ミゾのレインタイヤ)でスタートすることになった。結果的にはこれがベストなタイヤ選択となる。

レースはセーフティカーの先導によって始まった。いつもは、レーススタート直後からアグレッシブにチャージを掛けるロイックだったが、今回ばかりは着実なペースで周回を重ねていく。ロイックはノーミスでドライビングを続け、一つだけポジションは落としたものの、4位の座はキッチリキープして41周を終えルーティンのピットインとなった。この頃には、コースもライン上はほぼドライになっていたから、交替するファビオは、迷わずスリックに履き替えた。そしてガソリン補給を済ませると、脱兎のようにピットを後にしていった。

6番手でレースに復帰したファビオだったが、上位陣のルーティンピットが終わってみると、やはり4番手をキープ。超接近戦で高速バトルを続けるトップ3とは少し差が開いていたが、そんな状況でもファビオは渾身の走りを披露する。終盤に向けてコンディションは好転し、ファビオは何度かファステストラップを塗りかえる速さを見せる。そんなファビオの頑張りに、思わぬプレゼントが舞い込むことになった。2台のNSXとトップを争っていたレクサスが、ドライビングスルーペナルティを科せられたのだ。これでファビオは再び3位に進出。終盤、後方からZが猛烈なペースでチャージしてきたが、ファビオは冷静なドライビングで応戦し、開幕戦以来となる3位表彰台を獲得した。