2006
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シリーズ名:2006 オートバックス SUPER GT(S-GT)
大会名:第9戦(最終戦)・富士 GT 300km レース
距離:4.563km×66周=301.158km
予選:11月04日 晴れのち曇り・観衆:2万9200人(主催者発表)
決勝:11月05日 晴れのち曇り・観衆:4万6300人(  同  )
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ロイック/武藤のコンビががポールtoウィンで初優勝
公式練習から速さを見せつけ、ルーキーシーズンに有終の美

今年最後の大型連休と重なった11月4~5日、富士スピードウェイではSUPER GT最終戦が行われ、ロイック・デュバルと武藤英紀のコンビがドライブしたEPSON NSXがポールtoウィン、2位以下に30秒を超える大差をつけての韋駄天ぶりで、今季初優勝を飾った。 チームにとっては04年シーズンのもてぎ戦以来、2年ぶり。2人のルーキーにとっては、SUPER GTにステップアップして以来、9戦目での初優勝。 表彰台に立った24歳のルーキー2人は、スタンドを埋めた大観衆の声援に、戸惑いながらも晴れやかな表情で応えていた。

ウェイトハンディがパフォーマンスを大きく左右するSUPER GT。今回の最終戦には、これまで苦戦してきた結果、そのウェイトハンディなど絶好の条件で臨むことになった。もちろん、勝って当然、との見方が強烈なプレッシャーとなることもまた事実。それでも若い2人のドライバーは物怖じすることなく、レースウィークに突入することになった。走り始めとなる金曜日の公式練習から、EPSONNSXの速さは、ライバルを圧倒していた。公式練習の1回目に、僅差でトップタイムをマークしたロイックは、2回目のセッションでは2番手以下に1.3秒もの大差をつけ、これまでのコースレコードを更新。コンビを組む武藤は、本番セットを仕上げながらの走行だったが、こちらもあっさり好タイムをマークするなど、速さに関しては間違いなく、ライバルを一蹴することになった。  だが、その反面で思わぬトラブルに悩まされたのも事実。金曜日の午前中はミッショントラブル、午後はそのオイル系に不具合が生じるといった具合で、サポートするチームスタッフにとっては、緊張とハードワークの連続となった。それでも、一旦走り始めるとロイックが、すぐにトップタイムをマーク。結果的に両セッションでトップをキープした。

土曜日の公式予選でも、EPSON NSXの速さには何の翳りもなかった。GT500の専有走行も残り8分を切ってからピットアウトしていったロイックが、ファーストアタックであっさりと1分33秒108をマークしてトップに立つ。 2番手がようやく33秒台に入れた程度で3番手以降は34秒台。そのことからもロイックの、桁外れな速さが分かるが、混走時間になって走行を始めた武藤も、計測1周目にあっさりと34秒147をマーク。これは予選3番手に相当するタイムで、武藤もロイックに負けず劣らずの韋駄天ぶりだった。

午後の2回目を経てトップ10グリッドを決めるスーパーラップが始まった。ラストアタッカーとなったロイックは、タイヤを温め損ねたかセクター1では、それまでのトップタイムに届かない。セクター2で少し持ち直したが、やはりタイム的には少し及ばなかった。だが、上りのコーナーが連続するセクター3で見事持ち直し、トータルで0.87秒上回るトップタイムをマーク。自身初、チームにとっても今季初となるポールを獲得した。

決勝日となる日曜は、やはり好天候に見舞われたが、朝のフリー走行ではロイックがドライブ中に、ブレーキングでタイヤをロックさせたことからバースト。ホイールのインナーやアンダーフロアなどのパーツを壊してしまうハプニング。それでも幸いなことに、シリアスなダメージではなく、午後の決勝スタートまでには完璧にリペアされることになったが、チームスタッフにとってはまたしても、緊張とハードワークの連続となった。

そして迎えた決勝レース。ポールから好ダッシュを見せたロイックが、先ずはリードを奪ってオープニングラップを終えると、あとはじわじわと後続を引き離していく。途中、バックマーカーとなるGT300クラスのマシンを追い越す際に、時折タイムロスは見られたものの、それ以外は全く順調に周回を重ねていった。 ライバルの多くが、少し早めのルーティンピットを行っていたこともあって、ロイックのルーティンピットは30周終了時点だったが、交替した武藤は、ピットアウトした31周目に3番手でコントロールラインを通過したものの、直ぐにトップに復帰する。 その後武藤は一人旅状態。後方で、2位争いがヒートアップしていたことも手伝って、この2位争いをじわじわ引き離していく。そして後続との差を32秒にまで拡げてトップチェッカー。 レース中のベストラップは、前半スティントを受け持ったロイックがマークしていたが、後半スティントでは武藤がダントツの速さを見せており、まさに完勝。条件的に有利だったにせよ、それに関してのプレッシャーを跳ね返した格好で、2人のドライバーは、見事ルーキーシーズンを有終の美で飾った。