プロセレクション×東京カメラ部 インタビュー

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東京カメラ部10選2012 福田悟さん SC-PX5VII/SC-PX7VIIインプレッション

風景写真を中心に活動している福田悟さんは、東京カメラ部にてWeb上での作品発表を主に活動している。しかし、今後は展示を大切にしていきたいという思いがあり、自分自身の手で理想のプリントを作りたいという。風景写真に向く高光沢顔料インク使用の「SC-PX7VII」、階調性に優れる「SC-PX5VII」を、 エプソン販売(株)のプロフェッショナルアートプリンター・小澤貴也さんの指導の下、体験していただいた。

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プリント体験前のインタビュー

──現在、プリントをする頻度とその利用目的を教えて下さい。

エプソンのプリンター「PX-5600」を持っていますが、正直あまり使っていません。最近では年賀状の印刷くらいでしょうか。今までの写真展はプロラボにデータを渡してプリントはおまかせしていました。ただ、完全におまかせしてしまうと、コントラストが強くなりすぎたり、明部や暗部の階調がうまく出ていないプリントになることがあり、できれば自分で追い込み、理想のプリントを作ってみたいという欲求があります。

──プリントとWeb上とでは、異なる魅力があると感じますか?

Web上は東京カメラ部がメインで、プリントは東京カメラ部をはじめとした写真展ですね。最近になってグループ展などにも参加していますが、実際に直接その場でお会いして、感想をいただけることは素晴らしいと感じており、機会があれば積極的にやってみたいと思っています。また、プリントはサイズ、用紙の種類、余白などを選んで1つの作品に仕上げるという魅力があります。プリントアウトすることにより、さらによくなる作品などもあり、勉強していきたいですね。

──プロセレクションのプリンターを使い、どのようなプリントに仕上げてみたいですか?

Web上ではパッと見でカラフルで派手な写真が評価される傾向にあるので、その傾向に合うような作品を意図的にセレクトし、モニターで見たときに最適になるようレタッチしています。本当はグラデーションにこだわったような地味なものも好きなのですが、Facebookでは画質が劣化するためグラデーションは美しく出すことができません。今日はとても良い機会なので、グラデーションにこだわってレタッチした作品を持ってきています。自分自身の好みの作風のものが美しいプリントになればうれしい。最近はプリントを購入したいと言ってくださる方もいるので、自分で納得のいくプリントを作り、渡せるようになりたいですね。

プリント実践 福田悟×小澤貴也 (エプソン販売)

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1 ファーストインプレッション

小澤 福田さんは風景写真をお撮りになっていますから、まずは高光沢紙「クリスピア」を使い、SC-PX5VIIとSC-PX7VIIの2台でプリントをしてみたいと思います。朝焼けの富士山を捉えた写真ですが、どんな点に注意してレタッチされていますか?

福田 Adobe®Photoshop®を使用し、斜めから入っている光に照らされた煙などを出しつつ全体を明るめにし、雲の表情を強調しています。Facebookでは画質的になかなか表現できない、グラデーションを重視した作品ですね。

小澤 2台とも顔料インクを搭載していますが、種類に違いがあります。SC-PX5VIIは黒の締まりを生む「Epson UltraChrome K3インク」が搭載されています。また、忠実な色再現を重視しており、階調表現が得意なライト系のインクも豊富です。福田さんがお使いのPX-5600の後継機にあたりますね。SC-PX7VIIは「グロスオプティマイザ」という光沢感を出すのが得意なインクが使われているほか、ブルー、レッド、オレンジなど原色系のインクが多く、鮮やかな発色を得意としています。

福田 どちらも階調がしっかりと出ていますね。やはり光沢感はSC-PX7VIIが上。鮮やかな作品であればもっと大きな差が出そうな気がします。フェイスブックにアップしているような作品をモニターの印象通りにプリントするのであればSC-PX7VIIかもしれませんが、プリントでは階調重視でしっとりと落ち着いたものを作っていきたいので、第一印象はSC-PX5VIIが好みですね。ファーストトライからこのクオリティーであれば、色合い、明るさ、コントラストを微調整するだけで作品は完成すると思います。

東京カメラ部10選2012 福田悟さん
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2 Epson Print Layoutを使ったフチの設定とプリント

小澤 Photoshop®でレタッチをされているということは、プリントもPhotoshop®上からおこなっていると思います。それであれば、Photoshop®のプラグインに対応した「Epson Print Layout」をぜひ使っていただきたいです。簡単にフチ(余白)の設定もおこなえますし、プリントの仕上がりをプレビューしながらの作業になるので、給紙方向を間違えてプリントしてしまうという凡ミスを回避できる点が強みですね。それでは、フチありとフチなしでプリントしてみましょう。

福田 今回の作品ではフチがない方がいいですね。印象が大きく変わりました。

小澤 フチがあると写真の内向きに視線を誘導します。スナップなどで意図した部分を注視させたいときには有効ですが、スポーツ写真や風景写真は外側への広がりを持たせて躍動感を演出するなど、フチなしが向くと思います。Photoshop®では画像サイズを調整してフチを作りますが、「Epson Print Layout」では余白サイズを指定するだけで作れます。フチを作る際のコツは、上よりも下の余白を少し広めにすること。人の眼は少し下が下がって見える特性があるため、上下の比率を48:52、46:54などにするとちょうどいいのです。

福田 「Epson Print Layout」ではカラープロファイルの切り替えなどもできるのですか?

小澤 プリンターの特性そのままにプリント(プリンターによるカラー管理)することはもちろん、ICCプロファイルを使用する場合も設定が非常に簡単です。また、ICCプロファイルと用紙設定の組合せを登録でき、さまざまな用紙を使って作品づくりをおこなう際に便利です。

印刷する様子
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3 さまざまなペーパーでのプリント

小澤 SC-PX5VIIとSC-PX7VIIはフロントから厚手の紙をセットすることができますので、アートペーパーや和紙などもご利用いただけます。せっかくですから、「エプソン製 Velvet Fine Art Paper」と和紙「アワガミファクトリー社製 楮(こうぞ)」でもプリントをしてみましょう。

福田 楮は再現性というよりも雰囲気を楽しむタイプですね。もっと淡い雰囲気の作品で使ってみたいです。「Velvet Fine Art Paper」は素晴らしい。立体感があり、しっとりとした階調を強く感じることができます。

小澤 紙の凹凸が大きいほど、テクスチャーや立体感が強く出るという傾向にあります。厚手の紙は平面に陰が落ち、それがディテールや立体感を出すのです。3D映画に利用される両眼視差と同じで、右目と左目に入る光の角度が変わるので立体感が生まれるんです。

福田 プリントを壁に貼り、ギャラリーと同じ照明で見るとまた印象が変わりますね。蛍光灯下で見るよりもスポットライトで見た方がプリントのイメージが良いかもしれません。レタッチでシャープネスもさほどかけないでいいように感じます。

小澤 一般的な鑑賞距離は、プリントの対角線の長さと等しいと言われており、その距離から鑑賞し、気持ちの良いシャープネスのかけ方をするのをおすすめします。ノイズの除去などの調整作業も、鑑賞距離で気にならなければシビアになる必要はないと思います。

福田 このレベルのプリントであれば、プリントの販売も考えられますね。今日の体験を経てプリントでしかできない表現を模索していきたいと感じました。

小澤 実際に海外の作家の多くが「Velvet Fine Art Paper」を使っています。フチの部分にサインを入れれば立派な作品の完成です。今はオンライン販売を使い世界中にプリントを届けられる時代。作家がインクジェットプリントに力を入れる価値は高いと思っています。ぜひプロセレクションで素晴らしいプリントを作ってみてください。

(注):Adobe、Photoshopは、Adobe Systems Incorporatedの登録商標または商標です。

福田悟さんのプロフィール写真
福田悟さん|東京カメラ部10選2012

神奈川県在住。東京カメラ部初代10選に選ばれるという奇跡でカメラ人生が大きく変わる。ヒカリエを始めとした写真展で、自分の作品を見てもらえる楽しさに目覚め、風景を主体にイメージの色を追求した作品作りに励んでいる。