2005
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シリーズ名:2005年オートバックス・スーパーGTシリーズ(S-GT)
大会名:第6戦・FUJI GT 300km RACE
距離:4.563km×66周
予選:9月24日 曇り一時雨・観衆:2万0800人(主催者発表)
決勝:9月25日 曇り一時雨・観衆:4万4800人(  同  )
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今季初ポールから快走しレースの大半をリード
最後の最後で逆転を許すも、2位入賞で表彰台をゲット

スーパーGTシリーズのシリーズ第6戦が、9月24?25日に富士スピードウェイで開催された。当日は、台風17号が東海・関東地方に最接近。その影響で週末は不順な天候となったが、これが今季最後の関東ラウンド。3連休とも重なって2日間では6万5千人近いファンが詰めかけた。 そのファンの歓声に応えるように、レースは20周にも渡ってEPSON NSXがテールtoノーズのトップ争いを展開し、史上希に見るほどの白熱ぶりとなった。 走り始めとなった金曜日の公式練習からEPSON NSXは快調にタイムを削っていく。そして午後のセッションでは見事トップタイムをマークして見せた。

この日は曇り空で時々晴れ間が覗き、また時折小雨がパラついたものの、ドライコンディションに終始していたが、公式予選か行われた土曜日(23日)には一転、1回目のセッションこそドライだったが、午後の2回目、そしてトップ10グリッドをワンカーアタックで決定するスーパーラップでは完全なウェットコンディションとなる。 そんな目まぐるしくコンディションが変わる中でもEPSONNSXの速さは不変だった。ただ、スーパーラップ進出を掛けた午前中のセッション、ドライの1回目には燃料ポンプにトラブルが出てしまい、セッションの大半を走れずに終わり、結果的には僅差の6番手に止まったものの、勝負所となるスーパーラップでは唯一1分43秒台に入れ、コンマ3秒以上の大差でポールポジションをゲットした。 土曜深夜に激しい雨に見舞われたものの未明までには雨も止む。朝一番のフリー走行ではウェット宣言が出されたものの、実際にはハーフウェットからドライへと変わっていった。このフリー走行で本番セットを確認。 ライバル陣営の多くがソフトを選択しているらしいことは想像出来たが、EPSONNSXはライフを重視したハードタイヤを選択していたので、晴れ間になり路面温度が上昇すれば、我がチームにとっては優位に働くが、曇りのまま推移するようだと路面温度は思ったよりも上昇しない事が唯一気掛かりだった。

決勝レースはいつものように、ダミーグリッドから隊列を組んだまま1周回った後、正規のスタート=ローリングスタートが切られる。今回もスタートを担当するのはロッテラー選手。スピードを抑えめにしてゆっくりとローリングラップを回り、ランプがグリーンに変わるタイミングを見計らって猛ダッシュ。 1周を終えたところで2位以下に2秒もの差を付け、さらにスパートを掛けて後続を引き離しに掛かった。2周目には2.8秒、3周目には2.9秒と、2位との差はじわじわ拡がっていくが、その2番手には、高木虎之介選手がドライブするスープラが進出してくる。そうこうしているうちにGT300クラスの最後尾に付けたマシンが前方に現れ、ロッテラー選手と高木選手との間隔も拡がったり縮まったりの繰り返しとなる。それでも基本的には3秒前後の間隔を保ったまま、ロッテラー選手は周回を続けた。

15周を過ぎた辺りでダンロップコーナーから最終コーナーに掛けて、小雨がぱらつくようになり、各車のペースが少し鈍ってくる。それでも、雨が得意なロッテラー選手はハイペースで周回、レースも約3分の1となる26周終了時点で高木選手との差は4秒近くまで拡がっていた。3番手とはさらに7秒ほどの大差を築き、レースは少し膠着状態となる。27周目を終えたところでロッテラー選手の後方に続くGT500の上位陣がルーティンのピットインを始めるようになった。30周目には2番手の高木選手がピットイン。2番手には飯田章選手のスープラが上がってくるが、この時点ではリードは約13秒となる。その翌周、31 周を終えたところでロッテラー選手がピットイン。松田選手に交替しタイヤ交換とガソリン補給を素早く済ませるとEPSONNSXは2番手でレースに復帰する。 ただしトップに立ったマシンも次の周にはルーティンのピットインとなり、松田選手はトップに返り咲く。2番手は、高木選手から立川祐路選手に替わったスープラで、この時点では間隔が6秒以上に拡がっていた。さらにその5秒後方には飯田選手から脇阪寿一選手に替わったスープラが続き、この後半のスティントも気の抜けない戦いが繰り広げられそうだった。

松田選手はロッテラー選手と同等のペースで先を急ぐが、立川選手はそれ以上のペースで猛追してくる。ロッテラー選手と脇阪選手とのタイム差はほぼ一定だったから、立川選手の速さが抜きん出ていたのだろう。じわじわと追い上げてきた立川選手は、40周を過ぎた辺りで3秒足らずのところまで接近。さらに松田選手に追いすがってきた。そして45周を過ぎた辺りでは、とうとうタイム差が1秒を切ってしまう。 だが、ここから、この日のレースのハイライトシーンが幕を開けることになる。それは超接近戦のトップ争いだ。 最終コーナーの立ち上がりを重視した走りを見せる松田選手は、コンマ数秒差でコントロールラインを先に横切るのだが、そこから先のスピードの伸びでは立川選手に分があり、1コーナーへのアプローチでは毎周のようにサイドbyサイドのバトルとなる。何とかこれを凌いでいた松田選手だが53周目の1コーナーでは完全に、立川選手にインに並ばれてしまう。 だが、松田選手は何とか踏ん張り、サイドbyサイドのままコカコーラコーナーへと向かい、ここでインをキープしながらトップを守る。そんなバトルが20周近くに渡って繰り広げられたのだ。

チームで見守るピットのスタッフはもちろん、スタンドを埋めた観客も、この手に汗握るバトルに夢中になる。55周目の1コーナーでも、再び立川選手がインに並んだが、ここでも松田選手が踏ん張る。残り周回は着実に減っていったが、それと反比例するようにレースはさらに熱くなっていった。だが、ラスト2周を切った65周目。2台はやはり1コーナーを超接近戦で抜けていったがコカコーラコーナーへの争いでは松田選手が防ぎきれずに立川選手に、とうとう先行を許してしまう。これでポジションをひとつ下げた松田選手は、再度の逆転を狙って立川選手に猛プッシュするが、これは適わなかった。 それでも、2番手でチェッカーを受けた松田選手には、立川選手に送られた以上に熱い声援が送られ、そのバトルを称えられることになった。