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 ネイチャー部門 グランプリ

【極北 天涯の光】 大野 成郎

受賞作品受賞作品受賞作品
Naruo Ono 埼玉県
作品サイズ:A3ノビ、3枚組作品
使用プリンター:エプソン「PM-G4500」 
使用用紙: エプソン「写真用紙クリスピア<高光沢>」
使用カメラ:Nikon D3、F6

天涯の地・極北。マイナス50度を超える極限の天地に、未知なる光を見た。エプソン PM-G4500+クリスピアがこの奇跡の光を鮮やかに再現してくれた。

審査員講評 田沼武能

極北の地で撮った組写真ですが、この3枚の中にそれぞれのイメージを上手に表現している作品です。じっくり見ていますと、写真から極北の地に起きる自然現象がドラマのように見えてきます。一枚一枚の表現にそれぞれの色彩があり、見事に仕上げています。特にゴーストの中にシロクマのシルエットが写っている作品は心にくい構成です。撮っている本人も相当な技量のある人だろうと思います。

三好和義

組写真は非常に難しいのですが、その中でこの作者は非常にうまく写真を組んでいると思います。ただシャープなだけでなく、ソフトフォーカスにしたり、ゴーストを写し込んだり、広角レンズや望遠レンズを使ったりとバリエーションが豊富なのが印象的な組写真です。たくさん撮ったであろう写真の中からこれだけのカットを選びぬいたところに、撮るだけではなく、作者の写真に対する真剣さを感じます。

受賞者インタビューネイチャー部門 グランプリ受賞 大野 成郎(おおの なるお)さん 『自分で言うのもおかしいのですが、まさに奇跡的なタイミングでした。』
-大野さんの写真との出会いのきっかけはなんだったのですか?
私は生まれてからずっと埼玉県の浦和に住んでいますが、ここはご存じの通りサッカーが盛んな場所でして、小学校の頃からサッカーをやっていました。しかし大学の時に大怪我をして、サッカーが出来なくなってしまいました。人生終わったなと本気で思ったくらいです(笑)。そんな時になんとなく国内旅行をして、写真を撮るようになりました。はじめはレンズ付きフィルムからのスタートでした。
海外で写真を撮りはじめたのは、あるメーカーが主催していたアフリカ大陸撮影ツアーに参加してからです。抽選で当たると旅費の半分を出してくれるというものでしたが、何気なく応募してみたら当たってしまったのです。そこで地平線から朝日が登るところに象の群れが歩いている光景などを目にしまして、地球上にこういう美しい場所があるんだと、そして、その光景を写真にして自分以外の人にも、絶対見せたいと思い始めました。
−現在の作品活動はデジタルカメラが主流ですか?
はい。ほぼ100%と言っていいと思います。デジタルの素晴らしさは、やはり自分でプリント出来ることです。ラボにお願いしていた時は思い通りの仕上がりになるまでに何度もやりとりをする必要がありましたが、これがまったく必要なくなりました。それに、私は現在勤めていますが、ラボの営業時間を気にすることなく自分の時間で作業が出来るというのがうれしいです。撮るところから仕上げるところまで100%自分の力で出来る楽しさを与えてくれたところは素晴らしいです。
−「極北」は3枚の組写真ですが、それぞれすごいタイミングで撮った写真ばかりですよね。
そうですね。画面全体が赤い熊の写っている写真はカナダ、白い虹の写真はノルウェーの北の北極海、オーロラの写真はアラスカで撮ったもので、同じ場所ではありませんでしたので「極北」というタイトルにしました。この作品の中でもっとも思い出深い写真はこの緑色のオーロラの写真です。これは2008年の2月に撮ったものですが、実はこの旅の直前に父が亡くなってしまったのです。本来でしたら撮影はキャンセルすべきなんでしょうが、母親と相談しまして、絶対にいい写真を撮ってくると約束して強行したのです。
撮影期間は2週間くらいを予定し、この撮影場所には8日間滞在する予定でした。テントを張ってひとりでキャンプをしながらひたすらオーロラを待つというものです。あらかじめ撮影ポイントや月の位置なども調べていたのですが、オーロラはそう頻繁に出てくれるものではありません。ここで撮れなかったら父との約束も果たせない、日本に帰れないということで、まさに祈るような気持ちでしたね。このオーロラを撮ることが出来たのは、8日目の最後の晩。月の位置が丁度いい場所になり、「ここでオーロラが出てきたらバッチリだな」と思っていたらその通りに踊るようなオーロラが出てきてくれたのです。自分で言うのもおかしいのですが、まさに奇跡的なタイミングでした。
こうした私の命を賭した作品を評価してくださったことは本当にうれしいです。そしてあのような自然の姿に巡り合わせてくれたであろう亡き父に感謝したいと思います。
 

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