用紙セパレーター技術

紙を整える。
フィニッシャーには欠かせない
エプソン独自の用紙セパレーター技術

多忙な業務を支えるオフィスプリンターでは、印刷を行うだけでなく、ホチキス留めやパンチ処理などの機能も必要とされます。このような処理を高い品質で行うためには、紙を整える事(整合)が重要になります。

エプソンでは独自の技術により、これまでは難しかったインクジェットプリンターの高速印刷における整合を可能にしました。

紙を整える整合処理の仕組み

フィニッシャーの整合処理部に搬送

プリンターで印刷された用紙は、フィニッシャーの整合処理部に搬送されます。整合処理部では、用紙を整えながら用紙束を作ります。この時に、紙が整わない(整合不良)とホチキス留めなどの処理品質に影響が出ます。高速で用紙が搬送されるなか、どのように紙を整えているのか、その仕組みを紹介します。

下の図は整合処理部の断面図です。

  • 1. 新たに印刷された用紙(被整合紙)は、搬入ローラーにより整合部に搬送されてきます。
  • 2. 被整合紙が送られてくると、ガイドフラップが下がり、被整合紙を整合処理面に落とします。
  • 3. パドルが回転し、被整合紙を整合板に突き当てて整えます。
整合処理部の断面図

印刷により紙同士の滑りが悪くなる、整合処理の課題とは

整合不良

エプソンのインクジェット方式では、インクを用紙に吐出して印刷を行います。これにより、用紙表面の水分量が増え、用紙同士が滑りにくくなる整合処理上の課題がありました。

これは、すでに整合されている印刷済みの用紙(既整合紙)の上に、被整合紙が搬送される際、紙同士の摩擦によって既整合紙が押し出されてしまい、整合不良になってしまうというものです。

整合不良

また、パドルが回転して被整合紙を整合板に突き当てる際にも、紙同士の摩擦が高いと、被整合紙を整合版まで引き戻すことができず、整合不良になってしまいます。

用紙セパレーター機構で整合不良をなくす。
その仕組みとは

整合不良の問題を解決するために、エプソンが独自に開発したのが用紙セパレーター機構です。

用紙セパレーター機構とは、柔軟性のあるPET(ポリエチレンテレフタレート)を使用したセパレート機構であり、紙を押さえることと、紙と紙の接触を減少させることを目的とした機構です。

用紙セパレーターの仕組みを紹介します。

1被整合紙が整合処理部に搬送されてきます。このとき、用紙セパレーターは既整合紙を上から押さえています。この用紙を押さえる力が、紙と紙との摩擦力より高いことで、被整合紙が既整合紙を押し出すことによる整合不良は発生しません。

2また、用紙セパレーターの上に被整合紙が搬送されるため、既整合紙と被整合紙の間に用紙セパレーターが入ります。用紙セパレーターと紙の摩擦は、紙と紙の摩擦より低いため、摩擦力を低減することができ、パドルによって被整合紙を整合板まで引き戻すことができます。

3被整合紙を整合板まで引き戻すと、整合カーソルが用紙を挟みこみます。そして、用紙セパレーターが回転することで、被整合紙と既整合紙の間から用紙セパレーターが引き抜かれます。

4回転してきた用紙セパレーターが、最も上に位置する既整合紙を押さえることで、次の被整合紙が搬送されてくる準備が整います。

整合不良

整合不良を防ぐ用紙セパレーター
そのポイントは

用紙セパレーターにより、整合不良を防ぐポイントは次の2点です。

1. 押さえる力>摩擦力

既整合紙を用紙セパレーターが押さえることにより、被整合紙が搬送された際、紙同士の摩擦によって既整合紙が押し出されることで発生する、整合不良を防ぎます。

2. 摩擦力の抑制

既整合紙と被整合紙の間に用紙セパレーターが入ることで空間を作り出し、紙同士の接触面積を減らすことで摩擦力を抑制し、被整合紙を整合版まで引き戻すことができずに発生する整合不良を防ぎます。

エプソン独自の用紙セパレーター技術により、美しく鮮やかな高速印刷だけでなく、ホチキス留めやパンチ処理も高い品質で行える高機能なインクジェットプリンターが実現したのです。