技術・イノベーション

イノベーションを支える技術

マイクロピエゾ技術

あらゆるエプソン製インクジェットプリンターに共通の技術

環境面や効率に優れ
どんなメディアにも印刷が可能

インクジェットプリント技術は、家庭やオフィス、あるいは産業用など、あらゆるプリンターに応用されています。

超微小なインク滴を用紙などのメディアに直接飛ばして印刷するので、廃棄物などもほとんどなく、既存のアナログ印刷やレーザー方式などに比べて環境面や効率面で非常に優れており、また原理的にどんなメディアにも印刷が可能です。

マイクロピエゾプリントヘッド

マイクロピエゾ技術は、エプソン独自のマイクロピエゾプリントヘッドを中心に、画像処理、インクシステム、インク、紙送り機構をはじめとした精密メカニズム、メディアなどの周辺技術も合わせたエプソンのコア技術で、あらゆるエプソン製インクジェットプリンターに搭載されています。

マイクロピエゾプリントヘッド

マイクロピエゾプリントヘッドは、電圧を加えることで収縮するピエゾ素子の機械的な動きによってインク滴を吐出します。

熱を使わないこと、インクの量を正確にコントロールできることに大きな特徴があります。

マイクロピエゾプリントヘッド動作の仕組み

(注)本サービスは、YouTube™のサービスを使って提供いたします。
(注)YouTubeは、Google Inc.の商標です。

マイクロピエゾプリントヘッドの優位性

インク対応性

サーマル方式のインクジェットとは異なり、熱によってインクを変質させることがないため、さまざまな種類のインクを使うことが可能です。エプソンでは、この特徴を最大限に活用し、染料インクをはじめとして、顔料インク、エコソルベント(溶剤)インク、UV硬化インクなどのさまざまなインクを用いて、ポスター印刷、看板・サイン印刷、捺染、ラベル印刷など、幅広い用途のプリンターをラインアップしています。

また、インクに限らず液体であれば吐出にほぼ制約がなく、将来的な応用展開を見据えた研究開発も行っています。

高耐久性

マイクロピエゾプリントヘッドは加熱による性能の劣化がないため、耐久性が極めて高く、家庭用はもちろんのこと大量の印刷を行うオフィス用、使用条件が過酷な産業用印刷の分野でも十分に対応することができます。

高画質

エプソン独自のMSDT(Multi Size Dot Technology)は、吐出するインク滴の量を自在にコントロールすることができます。
最小で1.5ピコリットル(ピコは1兆分の1)の球状のインク滴を正確な位置に必要な量だけ吐出することで、粒状感のほとんどない美しい画像表現が可能です。

さらに、ヘッドのインク室に残っているインクがインク滴の形状を変化させてしまうことを防止するメニスカスコントロールにより、吐出されるインク滴は常に丸いドット形状を保ち、高い着弾位置精度を実現します。

高速

1秒間に最大50,000滴も吐出されるインク滴のサイズを適切にコントロールできるMSDTなどによって、高速印刷が可能です。

先端のプリントヘッド技術 PrecisionCoreテクノロジー

マイクロピエゾ技術の発展形の一つが、PrecisionCore(プレシジョンコア)テクノロジーです。PrecisionCoreテクノロジーは、エプソンが長年にわたって培い蓄えてきた技術に、飛躍的に進化させた要素技術や高精度なMEMS製造技術を融合させた薄膜ピエゾテクノロジーの総称です。

オフィス分野から大容量・高速印刷が必要とされる産業分野までさまざまな用途に展開し、高速かつ高画質な印刷を実現します。

PrecisionCore

PrecisionCoreテクノロジー紹介ムービー

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高速・高画質を実現するプリントチップ

PrecisionCoreマイクロTFPプリントチップ

PrecisionCoreの中核となるのが、「PrecisionCoreマイクロTFPプリントチップ」です。これまで商業向けの大判プリンターに搭載されていたエプソン独自の薄膜ピエゾテクノロジーを進化させ、高精度化と小型化を突き詰めたことで、プリントヘッドの基本モジュールとしての基本性能が飛躍的に向上し、従来以上の高速化・高画質化の実現を果たしました。

PrecisionCoreマイクロTFPプリントチップ

インクを吐出する動力源
薄膜ピエゾ

インクを吐出する動力源としての役割を果たす薄膜ピエゾは約1マイクロメートル(1,000分の1ミリメートル)という薄さです。これがノズルひとつひとつに異なる制御で1秒間に最大50,000回もの微振動を繰り返し、超精密なコントロールのもとにインクを吐出することで、高画質なプリントを実現します。

また、ノズルプレートをこれまでの1インチから1.33インチに長尺化したことや、インク制御技術・画像処理技術などを向上させたことにより、印刷速度の大幅な向上にも貢献しています。

超精密製造プロセス

このプリントチップは、エプソンが30年にわたり培ってきたインクジェット技術と最先端のMEMS製造技術とを融合させた独自のプロセスによって製造しています。また、完成したプリントチップは用途に応じてプリントヘッドとして組み立てられますが、それを受け持つのはエプソンのロボティクス技術を活用した超精密な完全自動製造ラインです。

このようにして日々製造されるプリントヘッドは、組織の枠を超えて集ったエプソンのエンジニアが叡智を結集させ、幾多の困難を乗り越えて技術の粋を極めることで実現できた、エプソンの技術の結晶だと言っても過言ではありません。

マイクロピエゾ製造技術

広がる可能性

PrecisionCoreテクノロジーにより、産業印刷機向けのラインヘッドからオフィス向けデスクトッププリンター用ヘッドまで、同一のプリントチップを用いながらも柔軟で多様なプリントヘッドの構成が可能になりました。

また、今後のさらなる高精度化、高密度化に向けた基本技術も確立しています。エプソンは、このPrecisionCoreテクノロジーをインクジェット技術のプラットフォームとして長期的に活用し、さらに進化させていきます。

PrecisionCoreプリントチップは用途に応じたさまざまなヘッドに展開可能。今後も幅広い製品で採用を進めていく。

技術資料

PrecisionCoreテクノロジーの詳細についてはこちらの資料でご確認いただけます。

PrecisionCoreテクノロジー技術資料(PDF,3.09MB)

新開発PrecisionCoreラインヘッド

新開発のPrecisionCoreラインヘッドは、100枚/分(A4横片面)の高速印刷を実現するために、PrecisionCoreプリントヘッドをさらに進化させ、高密度化と小型化を追求しました。

新たにラインヘッド専用のPrecisionCoreマイクロTFPプリントチップを開発。従来品より、チップのノズル列を長く、ノズル間隔を狭くし(1.53インチ、333dpi)、1チップあたりの多ノズル化、高密度化を図り、600dpi×1200dpiの高解像度を実現しました。

幅約43mmのヘッドに、プリントチップを36枚斜めに配列させることにより、有効ノズル数約33,500を配する独創の小型ラインヘッドです。

また、速乾性に優れ、高発色かつ普通紙高画質という、スピードと画質を高次元で実現するインク技術や、万が一のドット抜けの際にノズル詰りを検知する「ノズル自己診断システム」と、画質を調整する技術も採用しています。

<参考>ラインヘッド方式について

多くのインクジェットプリンターが採用しているシリアルヘッド方式は、ヘッドを用紙上で左右に高速で往復移動させ、少しずつ紙を送って用紙全体を印刷していますが、ラインヘッド方式は、用紙幅と同等の長さのヘッドにより、ヘッドは固定したまま紙送り機構のみで全体を印刷できるため、高速プリントが可能です。