独創性という意志

村上龍

村上龍書き下ろし連載 独創性という意志

創業以来、独創的な技術でプリンターや時計など
数々の分野に革新を起こし続けてきたエプソン。
作家・村上 龍の視点で、エプソンの技術に流れる独創性を考察する。

連載一覧

  1. 第一回

    「時計に秘められた力」

    わたしの父は、いろいろなものを保存するのが好きだった。また、日記をはじめ、さまざまな記録もつけていた。亡くなったとき、保存してあったものを受け取ったが、育児日記があって、その詳細な記述に驚いた。書き込みできる形式の、市販の書籍で、目次として、「生まれる前の…

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  2. 第二回

    「森を愛する心と、
    精密技術について」

    父が亡くなってから、母を横浜の自宅に呼び、同居をはじめた。それまではわたし一人で、愛犬のシェパードを連れて、近くの公園に散歩に行っていたのだが、母もいっしょに行くことになった。母は、教師で、もちろん家事もこなし、わたしと妹を育てた。子ども心にも…

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  3. 第三回

    「天才の発見を受け継ぐ」

    教師だった母は、日曜も、日直という勤務で、しょっちゅう学校に行った。わたしは、必ず付いていった。母は職員室で仕事をして、わたしは図書室で本を読んだ。昼、母が声をかけて、ちゃんぽんの出前を取ってくれた。いつも、ちゃんぽんだった。安価だったし、当時は出前の…

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