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一般社団法人 日本機械学会 関西支部 技術賞受賞

セイコーエプソン株式会社(以下エプソン)の社員による技術論文、「高精度振動センサの開発と精密リサージュ図形描画に基づく状態監視/診断技術への応用」がこのたび、一般社団法人 日本機械学会 関西支部が主催する関西支部賞において、技術賞を受賞し、3月16日に授賞式および、受賞基調講演が行われました。

一般社団法人 日本機械学会 関西支部の関西支部賞は、関西支部地区の機械工学と機械工業の発展に寄与した顕著な業績や貢献、ならびに関西支部地区の活動や行事における優れた成果や顕著な貢献を表彰するものであり、技術賞は、技術業績を通じて、関西支部地区の機械工学と機械工業の発展に貢献した個人、もしくは開発研究グループ(協同開発研究グループを含む)の功績に対し授与されるものです。

本論文で発表した技術により、可能になったこと、用途例は下記の通りです。

〇可能になったこと

エプソンの3軸振動センサーと雑音低減のためのデータ処理の組み合わせによって、3軸振動センサーの設置時の作業負荷を大幅に軽減し、これまで時間領域や周波数領域の信号処理では困難であった振動の対称性の変化を簡便に可視化すること。

〇用途例

治水に関わる堰(せき)、水門、ダムゲート、開閉用モニターなどの各種大型モーター

今回の受賞は、昨今の労働力不足や、メンテナンスの時期を逃さず装置の寿命を伸ばしたい、入れ替え時期を正確に把握したいなどの生産性向上の要求を背景とした装置診断技術(Machine Condition Diagnosis Technique)の要望に対し、従来の振動速度(実効値)の経時変化の監視や,周波数解析による振動周波数やピーク値変動の監視では困難であった、振動の対称性の変化を簡便に可視化する事を、3軸振動センサーによる計測と、高精度3軸同期および、データ処理アルゴリズムの開発といったハートとソフト両面を一体化した検討により、装置の振動を3次元の精密リサージュで観察・分析することを可能とした点において、高く評価されたものです。

本論文で発表した技術により、”振動の位相変化で、装置の変化を早く捉る”、”低周波の振動形状から、状態変化の原因を詳細解析を行う” と言う特長と共にこれからもお客様の装置メンテナンスや振動解析のご検討に、貢献してまいります。

精密リサージュ図形を用いた振動解析の例を展示会でのデモンストレーションの様子にてご紹介します。

こんなところにエプソン 精密リサージュによる機器振動可視化技術編

【論文執筆者】

佐藤 健太(さとう けんた)

セイコーエプソン株式会社 TD商品開発部

轟原 正義 (とどろきはら まさよし)

セイコーエプソン株式会社 TD商品開発部

吉川 泰史(よしかわ やすし)

セイコーエプソン株式会社 TD商品開発部

大戸 正之(おおと まさゆき)

セイコーエプソン株式会社 TD商品開発部