ニュースリリース
2020年11月13日
セイコーエプソン株式会社

「令和2年度関東地方発明表彰」において、『ちらつきのないレーザー光源プロジェクター』の発明が日本弁理士会会長賞を受賞

セイコーエプソン株式会社(以下、エプソン)は、『ちらつきのないレーザー光源プロジェクター(特許第5928569号)』の発明が、このほど公益社団法人発明協会が主催する「令和2年度関東地方発明表彰」において、日本弁理士会会長賞を受賞したことをお知らせします。

表彰式は、11月12日(木)に新横浜プリンスホテル(神奈川県横浜市)で行われ、受賞者に表彰状が授与されました。

大正10年に始まった地方発明表彰は、全国を8ブロック(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州)に分け、各地域において優れた発明、考案または意匠を生み出した技術者・研究開発者を顕彰する制度です。

今回表彰の対象となった発明は、レーザー光源の明るさを調光する周波数と、その光から光源光を生成するために用いる蛍光板の回転周波数を最適化することにより、投写映像のちらつきを視認できなくした技術が評価されました。本技術を採用することで、レーザー光源プロジェクターの高輝度・高画質が実現しました。

【受賞および受賞者】

<日本弁理士会会長賞>

豊岡 隆史(とよおか たかし) セイコーエプソン株式会社 ビジュアルプロダクツ事業部 VP企画設計部
座光寺 誠(ざこうじ まこと) セイコーエプソン株式会社 ビジュアルプロダクツ事業部 VP企画設計部

<実施功績賞>

小川 恭範(おがわ やすのり) セイコーエプソン株式会社 代表取締役社長

レーザー光源プロジェクターはランプ光源モデルと比較して、長寿命化や装置の小型化が可能なため、環境負荷を低減できます。また、様々な角度から投写できることから設置角度に制約がなく、天井や床への投写も容易です。さらに、本技術の採用により投写映像の明るさをデジタル的に簡便に調整できることから、使用環境に応じた高い利便性を有します。

本技術を採用したプロジェクターは、「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」(東京都江東区)において色鮮やかな投写映像による幻想的な空間演出に用いられるなど、新しい映像表現を実現するツールとして芸術文化面でも貢献しています。(図1)

図1 本発明技術の搭載製品であるレーザー光源ビジネスプロジェクターと投写映像のイメージ

【本発明の概要】(図2)

本発明では、レーザー光源の発光時間をパルス幅変調により変えて、レーザー光源の明るさを調光しています。これにより投写映像の明るさをデジタル的に、より正確に制御できることから、空間演出など複数台のプロジェクターを用いる場面においても利用しやすくなっています。

しかし、パルス幅変調により明滅するレーザー光源の励起光を回転蛍光板によって波長変換してプロジェクターの光源光を生成すると、スクリーン上の投写映像に視認できるちらつきが生じてしまいます。

本発明は、レーザー光源をパルス幅変調する周波数と、回転蛍光板の回転周波数を最適設定(例:周波数差を20Hz以上に設定、等)することで視認できるちらつきを解消しています。

図2:最適な周波数設定の仕組み

以上

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