ニュースリリース
2019年5月24日
セイコーエプソン株式会社
エプソンアトミックス株式会社

エプソンアトミックス、北インター事業所に生産ラインを増設

- アモルファス合金粉末の生産能力を増強し、活発な需要に対応 -


エプソンアトミックス 北インター事業所

セイコーエプソン株式会社(本社:長野県諏訪市、社長:碓井 稔)のグループ会社で、微細合金粉末の製造において世界シェアNo.1※1のエプソンアトミックス株式会社(本社:青森県八戸市、社長:大塚 勇、以下 エプソンアトミックス)は、このたび約8億円の投資を行い、北インター事業所内にアモルファス合金粉末※2の生産新ラインを増設し、稼働を開始したことをお知らせします。増設により、アモルファス合金粉末の生産能力は2023年までに約6,000トンとなる計画です。

エプソンアトミックスは、自動車、スマートフォン、ウエアラブル機器、医療機器などにおける、さまざまな高機能部品の原材料となる微細合金粉末を生産しています。中でも2004年に世界で初めて※3量産化を実現した、独自のSWAP(Spinning Water Atomization Process)製法※4で製造するアモルファス合金粉末は、優れた高周波特性に加え、高い磁束密度と低いエネルギー損失の特長から、電圧制御部品の低消費電力・小型化、高周波・大電流対応などの性能を向上させる高機能材料粉末として、高い評価を受けています。

自動車産業やスマートフォン、ウエアラブル機器、省エネルギー産業をはじめ、その需要は年々高まりを見せ、中長期的にもその傾向が続くと予測されています。こうしたアモルファス合金粉末の需要拡大に対応するため、エプソンアトミックスは2017年に北インター事業所に新工場を建設し、さらに同工場内に生産ラインの増設を行ったものです。

今後もエプソンアトミックスは、独自の金属粉末製造技術を強みとし、お客様に信頼され喜ばれる製品・サービスをお届けし続けてまいります。

■エプソンアトミックス 北インター事業所の概要

所在地 青森県八戸市北インター工業団地2丁目1番60号
生産品目 微細合金粉末(磁性粉末、アモルファス合金粉末、MIM※5用粉末)
工場面積 敷地:30,600m²、建物:約7,500m²

■エプソンアトミックス 会社概要

会社名 エプソンアトミックス株式会社
本社所在地 〒039-1161 青森県八戸市大字河原木字海岸4-44
代表取締役社長 大塚 勇
創業 1999年10月1日
従業員数 約320名
資本金 4億5千万円 ※セイコーエプソン株式会社100%出資
事業内容 金属粉末、金属射出成形部品、人工水晶原石の開発、製造、販売

詳細はエプソンアトミックスのホームページ(http://www.atmix.co.jp)をご参照ください。

  1. ※1 微細合金粉末の2018年金額ベースにおける市場シェア(エプソンアトミックス調べ)
  2. ※2 アモルファス合金粉末

    通常の合金は原子が規則正しく並んだ結晶構造になっているのに対して、物質を構成する原子の配列に規則性のないものをアモルファス(非晶質)合金といいます。固体でありながら液体同様の原子が不規則に密に詰まった構造を持ち、エネルギー伝導性・強度・軽量性に優れたアモルファス合金を、数十から数百ミクロン単位の微小な粉末にしたものをアモルファス合金粉末といいます。

  3. ※3 エプソンアトミックス調べ
  4. ※4 SWAP(Spinning Water Atomization Process)製法

    SWAP製法はアモルファス合金の量産を実現するエプソンアトミックス独自の合金粉末製造法です。高周波炉で溶解させた合金に、高圧のガスと冷却水を噴射し毎秒数十万℃もの超急速冷却をすることで、アモルファス(非晶質)状態の合金粉末を製造します。エプソンアトミックスは2004年に、毎秒数十万℃以上もの超急速での冷却による凝固を可能にした独自のSWAP製法を開発し、アモルファス合金粉末の量産に世界で初めて成功しました。その後もアモルファス合金粉末特有のノウハウを積み重ね、技術的に量産が難しいアモルファス合金粉末の数少ないサプライヤーとして、お客様への安定供給に努めてまいりました。

    ※「SWAP法」はエプソンアトミックス株式会社の登録商標です。

  5. ※5 MIM(Metal Injection Molding)

    射出成形と粉末冶金の特長を併せ持った最新の金属加工方法。MIMにより、微細合金粉末を高精度・高密度・高強度のさまざまな形状をした部品に加工することが可能。

以上

記載されている情報は発表日現在のものです。予告なしに変更になる場合がありますので、あらかじめご了承ください。