2000年11月
アクティブマトリクス液晶パネルモジュール「MD19SBT」

駆動方式 アクティブマトリクス方式
表示モード MD-TFD半透過型カラー
対角サイズ 1.9インチ
画素数 132×162ドット
表示色 4096色
消費電力 約3mW

製品特長

2000年11月に量産出荷が開始された、「MD-TFD(Mobile Digital Thin Film Diode)」アクティブマトリクス液晶パネルモジュール「MD19SBT」。当社のアクティブマトリクス液晶として初めて携帯電話向けに開発された、 低消費電力パネルモジュールです。

この「MD19SBT」には、明るい場所ではバックライト不要の反射表示、暗い場所では内蔵の白色LEDバックライトを用いて透過表示を行う、「半透過型」のパネル構造を採用。そして、この前年に開発・量産されていた携帯電話向けSTNカラー液晶パネル「ECM-A1192」に搭載された、内面反射技術「SPD(Single Polarizer Display)技術」や、部分表示駆動を採用しました。また、RAMをパネルモジュールに内蔵し、待ち受け時にはLCDを表示させたままで本体側のCPUをスリープモードにし、消費電力を抑えることができました。さらに、内面反射構造に加えて新たに液晶パネル内部に散乱層を設け、より均一に光を反射させてコントラストを向上させる技術も新たに開発しました。

このように高コントラスト、低消費電力の技術を結集した「MD-19SBT」は、アクティブマトリクスLCDの特徴である高精細表示を可能にしながらも、従来のアクティブマトリクスLCDの1/10以下、約3mWという低消費電力をも実現。さらにサイズをコンパクトにするため、COG(Chip On Glass)やMCM(Multi Chip Mounting)構造が採用されており、この構造は現在の携帯電話用液晶パネルのデファクトスタンダードとなっています。

誕生の背景

1993年、当社は携帯電話向けパネルモジュールビジネスに参入。ビジネスが本格化する中、1997年頃からインターネットやE-mailができる携帯電話が登場し、携帯電話市場におけるカラー液晶の需要の兆しが見え始めていました。そこで当社は、1997年末から、携帯電話に求められる「低消費電力」「カラー化」を同時に実現する反射型カラー液晶パネルの開発に着手。この開発プロジェクト(BRプロジェクト)では、パッシブマトリクス液晶、アクティブマトリクス液晶の両方における、反射型カラー液晶パネル開発が行われたのです。

ここで開発されたのが、内面反射方式「SPD(Single Polarized Display)技術」でした。この技術は1999年11月に、まずSTNカラー液晶「ECM-A1192」で実用化。そして翌年、さらに高画質カラー画像に対応する「MD-TFD」アクティマトリクスディスプレイ「MD19SBT」が誕生したのでした。

成果と反響

同じアクティブマトリクス液晶の「TFT」と比較しても、構造がシンプルで電極数も少ない「MD-TFD」は、開口率が高く光利用効率の高いパネルであり、携帯電話に求められる「高画質」「高速応答」「低消費電力」を実現するアクティブマトリクス液晶パネルとして、市場に広く受け入れられました。

この「MD19SBT」を搭載した携帯電話は、2001年3月に日本市場で発売され、高い評価を獲得。それとともに、「MD-TFD」のカラー液晶を搭載した携帯電話が急速に増加したのでした。それは、当社のディスプレイ事業にとっては、これまでデジタルカメラやアミューズメント向けが主な用途であった「D-TFD」に、「MD-TFD」という進化をもたらし、携帯電話という新しい市場を開拓する契機でもありました。

この「MD19SBT」量産開始以来、「MD-TFD」はさらに進展し、低消費電力でありながら26万色相当の表示を可能にする「Epson Color Modulation」や「クリスタルファイン」といった技術革新を続け、携帯電話向けカラー液晶パネルメーカーとしての当社の地位を確固たるものとしています。

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