1999年11月
STN半透過型カラーSTNパネルモジュール「ECM-A1192」

駆動方式 パッシブマトリクス方式
表示モード STN半透過型カラー
外形寸法 34.7×40mm
画素数 96×120ドット
表示色 256色
消費電力 1.2mW(420µA×3)

製品特長

インターネットやE-mailができる携帯電話の普及に呼応するべく、「高精細カラー」「低消費電力」をキーとして開発され、1999年11月に量産出荷が開始された、STN半透過型カラーSTNパネルモジュール「ECM-A1192」。明るい場所ではバックライト不要の反射表示、暗い場所では内蔵の白色LEDバックライトを用いて透過表示を行う、「半透過型」のパネル構造を採用。また、待ち受け時間の消費電力を低減するための部分表示駆動(パーシャル駆動)を可能にする技術を開発したことにより、消費電力が1.2mWという超消費電力を実現しました。

従来の反射板はパネル基板外面にとりつけられていたため、入射光が液晶層およびカラーフィルタのある色を通過した後、パネル基板を経て反射板で反射し、再びそのパネル基板を通ってカラーフィルタを通過していました。そのため、光が散乱して最初に入射したフィルタ色とは違う隣の色も通過してしまい、色が滲んでコントラストが低下してしまう、つまり「視差」が生じることが課題でした。

これを解決するため、当社は液晶パネルの内面、カラーフィルタのすぐ下に、反射性が良く、かつ耐食性の高いアルミ・ネオジウム合金素材による反射層を設ける技術を開発。この「SPD(Single Polarizer Display)技術」を用いて、視差を抑え、高コントラストで色再現性の高いディスプレイを開発することに成功しました。こうして誕生した「ECM-A1192」は、画素数96×120ドット、最大256色を表示できるカラーSTNパネルでした。

誕生の背景

1993年、当社は携帯電話向けパネルモジュールビジネスに参入。ビジネスが本格化する中、1997年頃からインターネットやE-mailができる携帯電話が登場し、携帯電話市場におけるカラー液晶の需要の兆しが見え始めていました。そこで当社は、1997年末から、携帯電話に求められる「低消費電力」「カラー化」を同時に実現する、反射型カラー液晶パネルの開発に着手。この開発プロジェクト(BRプロジェクト)では、素材メーカーや、完成品メーカーとも協業し、カラーSTNの色再現性を最大限高める工夫が施されました。

その結果、反射板には耐食性の高いアルミニウム-ネオジウムの合金素材が採用されるとともに、反射層形成のためのエッチング用素材も新開発。また、携帯電話機本体のカバーガラスには、表示パネルへの映り込みで画面が見にくくなるのを抑えるため、当社のプラスチック眼鏡レンズ事業で培ったコート技術「AR(Anti-Reflection)処理」も採用されました。

成果と反響

この半透過型カラーSTN液晶パネルモジュール「ECM-A1192」を用いた携帯電話は、2000年1月頃から発売され、きれいなカラー画面が好評を得て日本市場で大ヒット。当社パネルの累計出荷枚数も274万枚以上を誇るとともに、カラー携帯電話市場向けの液晶パネルメーカーとしての当社の地位を確固たるものとしました。そして、このカラーSTN液晶パネルの開発技術がベースとなって、後に携帯電話向けMD-TFDアクティブマトリクスカラー液晶パネル「MD19SBT」が開発されたのでした。

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