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エプソンの歩み

1956年6月
機械式時計「セイコーマーベル」

本中三針17石

ムーブメントサイズ 外径26.0mm、厚み4.4mm

製品特長

“頭脳明晰”“脅威の時計”など、絶大なる賛辞を集めた、当社初のオリジナル機械式時計「セイコーマーベル」。当社ウオッチ事業の根幹となったこの「マーベル」は、当時他社の国産メカ時計の追随を許さない、爆発的なヒットを記録しました。

時間精度をいっそう高め、構成部品の加工・組立を容易にするため、ムーブメント外径をそれまでの10・1/2型(23.7mm)から、国産時計で初となる11・1/2型(26mm)にまで拡大。また、石数を17石以上(17石、19石、21石)にし、歯車の形状の見直しを行いました。さらに、軸受け穴の中心軸のズレを補修するため、穴の位置を補修し、てんぷ受けの取り付け穴の位置や方法を変えるなど、革新的な構造を採用しました。当時の時計は時間の見易さを重視して、外径については大きくなるというデザイン傾向にありましたが、この「マーベル」は、そうした時計外装の大型化の先陣を切った時計でもありました。

こうした独自のサイズ設計と新しい生産技術を駆使したことに加え、生産設備の導入による部品加工技術の進歩により、品質と生産性が向上。市場から”健康優良児”と呼ばれる高精度を実現したのでした。

誕生の背景

1950年代前半、国産腕時計として市場を先導していた「セイコースーパー」。 これは、当社が製造した初の中三針モデルで、1950年の発売後、8石、9石、10石、11石、15石、17石とグレードアップされるとともに、耐震装置の追加や防水ケースの採用、カレンダー機構の装備、バリエーション豊富なケース・文字板の採用など、当社腕時計開発の雛型となった製品でした。しかし、この「スーパー」は時間精度・生産性といった点で、まだまだ改良の余地を残していました。さらに、市場のニーズとしては、小ぶりな時計から大きな時計への人気が高まってきていました。

そこで、基本となるムーブメントを徹底的に再検討。精度の追求、生産性と整備性の向上を目標としてつくられたのが、この「セイコーマーベル」でした。そして、1956年6月10日、時の記念日にあわせて、「マーベル」は一般公開されました。

成果と反響

「マーベル」の開発においては、徹底した生産技術の進展、生産の自動化、量産化、コストダウンが図られました。その成果は、当時の通商産業省主催による「国産時計品質比較審査」の結果に、如実に現われています。1957年には、同審査10位以内に7個入賞し、1位から5位までを独占。翌1958年には、1位から9位までを独占するという快挙を成し遂げたのでした。

また、1957年の米国時計学会日本支部で行われた腕時計コンクールでも、男性用腕時計として、初めてオメガなど外国製品を抜いて1位にランキングされ、文字どおり“驚異の時計”としてスイスにまで日本の時計の優秀さを轟かせたのでした。

この「マーベル」で培った技術は、後にさらなる高精度・高機能化をはかり市場を席巻した「セイコークラウン」「セイコージャイロマーベル」といった機械式時計を世に送り出す基盤となり、さらには世界に先駆けて商品化に成功したクオーツウオッチ「セイコークオーツアストロン35SQ」を生み出す力となりました。

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