セミナーレポート

エプソンフォトセミナー

斉藤勝則セミナー

ニコンカレッジ特別セミナー D800を使いこなして大判プリントを楽しむ

第3回:大判作品の制作をすることで、撮影から画像処理、プリントまでのトータル的なスキルが上がる

フォトグラファー斉藤勝則氏によるニコンカレッジ特別セミナー「D800を使いこなして大判プリントを楽しむ」最終回。
D800を使った作品づくりも、いよいよ佳境のプリントに入ります。
ここではD800で撮影したデータがどのサイズの紙までプリントできるのか、またプリンターの設定のポイントなどを解説していきます。

PART 4 プリント方法

D800を使って大判プリントを楽しむ最後のポイントはプリント方法になります。

今回はPX-5002を使います。使う理由はズバリ、D800がPX-5002を選んだからです。
有効画素数3630万画素、横7360ピクセル×縦3912ピクセルの豊富なデータ量が大判プリントを可能にしているというわけです。

実際にプリントする時のサイズの割合と照らし合わせて見てみましょう。まずD800の基のデータ解像度は基本300dpiで、サイズが横が623ミリ、縦が415ミリとかなり大きなサイズになります。
A3ノビのサイズは483×329ミリですから、データの方が紙のサイズを上回っています。
次にA2になりますと、594×420ミリですので、300dpiのままフルで使い切ることが出来るんですね。
印刷解像度は200dpiぐらいまであれば、問題なく写真観賞できるくらいの解像度と言われています。
ということは仮にA1(841×594ミリ)に引き伸ばした場合でも222dpiになりますので、鑑賞に耐えられるプリントをすることができるということになります。

そして限界に挑戦してみようということでエプソンの大型プリンター、PX-20000でB0に引き伸ばしてみることにしてみました。

B0は1456×1030ミリになります。D800の画像をB0判に引き伸ばす場合、解像度は約140dpiになります。
ということは、一般的に言えば観賞に堪えられるかどうかは怪しい水準です。

epSITEのプライベートラボでカラーマネージメントが整った環境を使って実験してみました。
実際プリントしている時はどうなるのかとても不安だったのですが、出来上がりを見て一安心。
大きい作品はそれなりの鑑賞距離になります。写真全体が見渡せる距離で鑑賞するとクオリティ的には全く問題ない仕上がりでした。
このように大きくプリントすることに関してD800安心して撮影することが出来るカメラということが伝わったかと思います。
D800の能力を最大限に発揮できるのは大判プリントなんですね。

そしてプリントに関してですが、まず一度テストプリントを行い最終確認が必要です。
確認する箇所はまずトーンジャンプ。特にアンダーで撮ってそれを適正にしようとする場合に起きます。
そして色飽和。彩度を上げすぎて階調がなくなってしまう現象ですが、これもアウトです。
それから画像のざらつき。これはアンシャープマスクをかけすぎることによって起きます。
こういったところを注意しながら一回テストプリントをする。これは何も大きくする必要はありません。
小さいサイズでいいからプリントして、細かくチェックをしていきます。そして最終的に大きくプリントをしていく、ということが重要かと思います。

これがCapture NX2で完成させた画像のテストプリントです。
しっかり作り込んで、シャドウ部のところは、いきなり落ちないように、ハイライトのところもギリギリまで追い込んで作り込みました。
実を言うとこのデータで最初、B0にプリントしました。ところが、何度やっても幕が張っているような感じでした。
そこでメリハリを出そうとシャドウ部を締めてみました。

この最後の一つの追い込みというのが、実を言うと大判プリントには欠かせないんですね。
ですから、データはしっかり作り込むのもいいのですが、プリント段階で微調整が出来る程度の余力を持ったデータづくりは必要だと思います。

最後にプリンターの設定ですが、View NX2の場合ですと用紙サイズを決めたら、あとはスライダーの調節だけで余白のサイズを調整できます。

また余白に色をつけることもできます。ポジフィルムのダイレクトプリントのようなプリントも簡単につくれるわけです。
そして使用する用紙は純正紙です。純正紙は純正だけあってインクとのマッチングがいいですから、私は純正紙、純正インクしか使いません。

そして、私は仕事ではsRGBのデータを使っていますが、それは実を言うとプリンタードライバーの「EPSON基準色(sRGB)」が使えるからです。
sRGBでちゃんと作り込んだデータは「EPSON基準色(sRGB)」が色合いから何からきちんとプリントしてくれます。

D800での作品づくり=大判作品となりますが、これをしっかりとこなすには撮影、画像処理、プリント技術を考えなくてはいません。
逆に言いますと大判作品の制作をすることで、それらすべてのトータル的なスキルアップができると思います。
3630万画素という膨大なデータはプリントによって生かす。しっかりとプリントをして、写真に残しておくことが重要ではないでしょうか?
D800の高精細な画像で、皆さん是非大判プリントに挑戦して、素晴らしい作品を作って下さい。