セミナーレポート

エプソンフォトセミナー

斉藤勝則セミナー

ニコンカレッジ特別セミナー D800を使いこなして大判プリントを楽しむ

第2回:作業の手順はどのソフトも変わらない

フォトグラファー斉藤勝則氏によるニコンカレッジ特別セミナー「D800を使いこなして大判プリントを楽しむ」。
第2回目はD800で撮影した後の画像処理についてのプロセスとポイントの解説です。

PART 3 画像処理

D800を使った大判プリントを楽しむためのポイント3つ目は画像処理です。

まずRAWデータを処理していくわけですが、これには色々なソフトがあります。ニコンの製品で言えば、Capture NX2、それからView NX2、それ以外には、Adobeのソフトが有名です。
その他にもまだまだありますが、私自身が使うのは、ニコンの純正のソフトです。
何故私が純正にこだわるのかというと、やはりカメラが作り出したデータをちゃんと読み取って正確に画像処理ができるのは、純正ソフトなんです。
もちろんAdobe®のソフトもしっかりしてて、全く問題なく使えます。
ただ、例えば、Photoshopの場合ですと、RAWを現像する際には「Camera RAW」というプラグインソフトを起動しますが、厳密に言うとその時点でわずかに色が変わってしまうんです。
私は撮ったままのデータをそのまま再現したい、という思いがあります。したがってCapture NX2やView NX2を使っています。

ではここでCapture NX2を使った作業手順を紹介しましょう。画像調整の手順は大きく分けて7ステップです。

まずステップ1はフレーミングの微調整を行います。トリミング、傾き、それからタテヨコの変更などです。
ステップ2は画像全体の色被りを補正。これはホワイトバランスです。
そしてステップ3、画像全体の明暗や鮮やかさを整え、メリハリをだします。レベル補正やトーンカーブ、色相彩度で調整をしていきます。

ここでのポイントは「コントロールポイント」。ホワイト、ブラック、ニュートラルの3つがありますが、これは無彩色の部分を調整することによってニュートラルな色表現をつくる機能です。

ホワイトコントロールポイントは白い部分の色被りが無いようにし、白の階調を整える。
ブラックコントロールポイントは、シャドウ部の色被りを補正。ニュートラルコントロールポイントはグレーです。
画像の中にグレーの部分があったら、その部分を基準にニュートラルに色調整をします。
これは、Photoshop®で言うと、「レベル補正」の「スポイトツール」と同じです。ただ、Capture NX2が違うのは、範囲が調整できます。
それと、階調の部分も調整できる点がちょっと違うかと思います。

全体的な明るさや色の調整が終わればステップ4です。画像の部分的な色や明暗を処理をします。Capture NX2であれば、「カラーコントロールポイント」というのを使います。

これを使うと例えば空の青さだけとか、葉の緑だけといった部分的な色の調整が出来るわけです。しかも、その範囲もスライダーを動かすだけで調整することができます。
これを使ってしまうと、他のソフトが不便に思えてしまうくらい非常に便利な機能です。

そして部分的な調整ができましたらステップ5。ゴミなどの不要なものを消していきます。

ここまできたらステップ6として画像のシャープネスを調整するわけですが、このシャープは実を言いますと、最終的にはプリントする直前まで処理はしません。
ですから、処理をしないでそのまま保存をしていいと思います。
最後にニコンのRAWデータ、NEFの場合は、ちゃんとNEF形式で保存しておけば終了です。
Photoshop®でいうレイヤーが自動的に作られるといった感じです、途中の作業経過も記録されます。

まとめますと、構図調整、ホワイトバランス調整、全体の明るさ調整、そして部分的な色や明るさ、ゴミ取り、シャープネス、NEF形式で保存です。
こうしてみますと、どうでしょう?Capture NX2で紹介しましたけど、結構画像処理ソフトと共通のことが多いということにお気づきになりましたでしょうか?
ソフトによっていろいろ機能がありますが、写真を仕上げるために必要な機能はそんなに多くないのです。
私はCapture NX2で作業をしますが、みなさんは今持ってらっしゃるソフトでも十分同じようなことが出来ると思います。
大事なのは作業の手順を今紹介したような流れでやることです。

そして画像処理の注意点は、皆さんもよく耳にすると思いますが、「極端な画像処理をしない」ことです。
例えば、真っ暗な写真を無理に明るくしたり、色を極端に彩やかにしてしまうというのが代表的です。
また輪郭強調。すなわちシャープネスのかけ過ぎです。これもついつい強くかけちゃいがちです。

本セミナーの始まる前に、2点の写真を見て頂いたかと思います。
1と2がありますが、どっちが駄目なプリントなのかというと、2の方が駄目なプリントです。これはよく見て頂くと分かります。

見るポイントは3つあります。

まず、Aの部分。プリントで見てもわかるのですが、ざらつきがすごいんです。要は輪郭強調を強めにかけてしまったので、ざらつきが出ている。
それと、彩度を上げすぎているので、雲のエッジのところが色飽和してしまっているんです。

次に、Bの部分。これも彩度を上げすぎているために、色が飽和し完全に階調がなくなっています。また輪郭強調が強すぎるためにエッジの部分に白い縁取りが出来ています。
Goodの事例の方もボケてはいますが、プリントで見た時はボケているとは感じません。
つまり、観賞距離が重要なのです。

そしてCの部分。ヤシの葉に白い縁取りが出来てしまっています。

大判プリントする時の輪郭強調の処理は、ちゃんと撮影していれば特に必要ないと思います。
多分皆さん写真撮る時にピクチャーコントロールをスタンダード設定で撮影されてる方が多いと思いますが、これは、コントラストとシャープネスが一番標準的な状態に設定されます。
つまり、後から輪郭強調処理(アンシャープマスク)をする必要はないのです。