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エプソンセミナー

エプソンスキャナーの活用術~フィルムスキャンの勘所~

正しいフィルムスキャンの設定は一通りではありません。目的や手段によって方法が異なることがあります。このセミナーではみなさんそれぞれに合ったスキャン方法をご紹介します。

スキャニング操作の前に、まずは3つのポイントを決めることからはじめます。
具体的には下記のような内容です。

1.スキャンの目的を明確にすること
たくさんのフィルムをデータ化するのか、または時間がかかってもいいのでひとつの作品として、じっくり仕上げるためにおこなうのか。どちらのタイプを目指すのかを決めましょう。なぜならそれぞれの目的によって、後工程のスキャニングの設定が大きく変わってくるからです。

2.スキャンデータの調整の有無を明確にすること
スキャンしたデータを調整するかしないかでも、設定方法は変わってきます。データを調整せずに直接プリントする場合は、スキャナー側のソフトのみでしっかり設定します。エプソンのスキャナーならEPSON Scanというソフトで、明るさや色合いを調節して、スキャンします。スキャン後に Adobe® Photoshop®などの画像加工ソフトを使ってデータを補正する場合はスキャン設定の一部を省略したり弱めにします。

3.用紙サイズを決めること
データ化するのに用紙サイズを決めるというのは、あまりピンときませんよね。でも3つの中では、一番重要な項目です。もしどのくらいのサイズで出力するかわからないという方は、とりあえずA4サイズに設定しましょう。A4サイズでスキャンしたデータはA3サイズ程度ならプリントできます。ちょっと心配な方はお持ちのプリンターの最大の用紙サイズにあわせてみるのもおすすめです。

いま用紙サイズという言葉がでてきましたが、「大判プリントをするには、高い解像度できれいにスキャンしないといけないのでは?」というご質問をよく受けます。実は大判プリントはプリント時の解像度はあまり必要ではないということを実験で確かめてみましょう。そこでこれからみなさんに、ちょっとテストしてみます。

3枚の写真を離れた場所で比べてみてください。ほとんど同じ画像ですが、少しだけ違うところがあるんです。

【サンプル画像】

どうですか。ほとんどわからないですよね。ではめしべの部分をアップしてみましょう。

【サンプル画像】

3枚目の写真を比べると、こんなに違っているんですね。遠目から見るとわからないですが、拡大するとこんなに違います。

このことからもわかるように、大きなサイズのプリントというのは、多少目が粗くてもいいんです。
では、どのくらいの解像度が適切なのか?出力サイズと解像度の目安については、エプサイトフォトセミナーで活用している資料をご紹介します。

【出力サイズと解像度の目安】L:360、2L:360、六切:300、四切:300、半切:240。A4:300、A3:240、A3ノビ:240、A2:200

※エプサイトフォトセミナー参考値
(プリント品質と処理時間を考慮した現実的な参考値)

用紙サイズにあわせて設定しており、たとえばA2サイズになりますと、200という値になります。
L版になると、もっと大きい数字になりますね。ぜひ参考にしてみてください。

では、スキャニングの操作を実際にやってみましょう。
今回使うスキャナーはGT-X970です。フィルムがスキャンできるタイプのスキャナーでしたら、設定方法は同じです。スキャナーによってはフィルムがスキャンできないタイプもありますのでご注意ください。

まず35mmのフィルムをマウントしたものをセットします。
GT-X970はマウントしたもの以外にも、ストリップタイプや、ブローニー、8×10などもセットできます。どのサイズまでできるかは、スキャナーによって違ってきますので、注意が必要です。

ここからはスキャナーの実操作についての説明です。画面上に表示される「EPSON Scan」をクリックしてください。
このソフトはスキャナーを買うと、同梱されているCD-ROMの中に入っています。起動してみると、最初に「全自動モード」というのが表示されます。
「EPSON Scan」には「全自動モード」「ホームモード」「プロフェッショナルモード」の3つのモード機能がついています。今回はそのうちの、細かく設定できる「プロフェッショナルモード」を選んでください。

【サンプル画像】

【サンプル画像】

原稿の種類はフィルムになりますので、「フィルム」(フィルムホルダー使用)を選びます。
次に「フィルムタイプ」を選びます。ここまで終えると、次はスキャナーにセットしたフィルムを「プレビュー」画面に表示します。

「プレビュー」をおこなうと、このようにフィルムが自動的に切り出されます。
プレビューが「小」ですと、写真の端が消えてしまっています。
そこで環境設定を確認します。

「サムネイル取り込み領域」。ここが初期設定で「小」になっているので、スライドをドラッグして「大」にしてみましょう。女の子が写り込みましたね。

次は目的によって異なる設定方法をご紹介します。
まず「作品をじっくりと制作する方」向けの手順です。環境設定にある「サムネイルの取り込み領域」を「大」にします。そして出力サイズは「用紙サイズ」に設定します。今回は「2L」に設定します。すると画像周辺に点線が出てきます。これは「点線の内側をスキャンします」という意味です。全体が入るようにマウスでこの点線枠を広げます。
もしこのまま点線枠の画角に収まらない場合は、出力サイズの隣りにある「+」のマークをクリックしてください。すると鍵のマークがついています。この鍵のマークをはずした状態で点線枠をドラッグすると、自由に幅を変えることができるので、思い通りの範囲を指定することができます。

【サンプル画像】

次は「解像度」です。これは数値を入れてみましょう。用紙サイズが2Lなら「360dpi」と、A4だったら「300dpi」とかA3だったら「240pi」を選んで入力してください。続いて「アンシャープマスク」という項目があります。

実際に「シャープネス」の有り無しで、どのくらい違うかサンプルをご覧ください。花びらの部分とか、めしべの部分とか左はぼんやりしていますが、右はしっかりみえていますね。これが「アンシャープネス」の効果です。

フィルムをスキャンすると、少しぼやけてしまうので、シャープネスは必要です。
先ほどの写真を拡大してみましょう。空の部分に少しノイズが出ています。Adobe® Photoshop®などのソフトでは、ノイズの出方などを見ながら細かい調整ができるので、スキャン後にAdobe® Photoshop®を使う方は、ソフト側で「シャープ」をかけたほうがいいので、スキャナー側でははずしておきます。
たくさんフィルムをスキャンする場合は、1枚ずつの調整はできないので、初期設定のまま「アンシャープマスク」を設定しましょう。

【サンプル画像】

ここまでが、「作品をじっくりと制作する方」向けのスキャニング手順でした。

続いては「たくさんフィルムをスキャンする方」向けの工程をご説明します。
「作品をじっくり制作する方」向けの手順と大きく異なるのは、環境設定です。たくさんの写真をスキャンする場合は、この「サムネイル取り込み領域」の環境設定を「中」にします。解像度に入れる数値は、今回は35ミリの2Lなので、「1760」と入力します。そして「アンシャープマスク」を使います。

さらにもうひとつ「たくさんのフィルムをスキャンする方」向けの工程では、「DIGITAL ICE」機能が欠かせません。
この「DIGITAL ICE」とは何かといいますと、フィルムに付着したゴミやホコリを除去してくれる機能です。GT-X970には「ホコリ除去」と「DIGITAL ICE」というふたつのホコリ除去の機能があります。

【サンプル画像】

一番左側が何もしない状態。「ホコリ除去」を使った場合が、中央の写真。右側が「DIGITAL ICE」を使った場合の写真です。「ホコリ除去」は、ホコリが一部残ってしまいます。「DIGITAL ICE」では、ほとんどのホコリがとれました。少し時間がかかってしまいますが、楽にホコリ除去をするのであれば、「DIGITAL ICE」や「ホコリ除去」機能を使ってみてください。スキャナーによっては「DIGITAL ICE」が使えない機種もあるので、その場合は「ホコリ除去」を使ってください。
ということで、「たくさんのフィルムをスキャンする方」は「アンシャープマスク」にチェックをいれて、「DIGITAL ICE」、この機能がない場合は「ホコリ除去」を選んでスキャンしてくださいね。

いかがでしたか?「作品をじっくりと制作する方」と「たくさんのフィルムをスキャンする方」で使う機能や環境設定、作業手間が違いましたよね。これにて「エプソンスキャナーの活用術~フィルムスキャンの勘所~」セミナー、終了です。ご紹介したような内容は、ぜひ今日からでもやってみてください。効率・質ともにアップしたスキャニングができるはずです。