セミナーレポート

NEW PHOTO FORUM 2013 セミナーレポート

ニコンカレッジ特別セミナー

写真作品に仕上げるためのプリントを意識した撮影術

第2章:専用ソフトと汎用ソフトの違いを知る

ニコンカレッジ特別セミナー第2章は、RAWデータの処理における専用ソフトと汎用ソフトの表現の違いとデータ保存に関する解説です。

データ処理に関してですが、ここではRAWデータに関するお話をさせていただきたいと思います。ニコンのRAWデータのファイル拡張子は「NEF」ですが、これを現像するにはいろいろなソフトがあります。まず純正ソフトとしてはニコン社製CaptureNX2、ViewNX2、汎用ソフトとしましてはAdobe社のPhotoshop® CC、Photoshop® Elements、Lightroom® 5、広告関係者などが使っていることの多いPHASE ONE社製のCapture One pro7、日本製ですと市川ソフトラボラトリー社製のSILKYPIXなどです。

では、専用ソフトと汎用ソフトの違いはどこにあるのか?これは、どちらがいいとか悪いとかではありません。違いを把握して自分のソフトはどうなのかという、しっかりとした知識をもっていただきたいと思います。まず、はじめにこの映像を見ていただきます。これは同じ画像をニコン社製の専用ソフトCaptureNX2、某汎用ソフトのそれぞれで開き、そのまま何もせずにTIFFに変えて表示しています。2つを比較しますと、まず色が異なることが分かります。ソフトによっては擬似的につくって近い部分まで対応しているということはあります。しかし、ニコンのカメラに搭載されているピクチャーコントロールは汎用ソフトでは完全に反映されることはありません。ですから、空の部分を比較しますとニコン社製のCaptureNX2の場合ではちゃんとしたブルーですが、それに対して汎用ソフトの場合ですとやや濁っている感じに仕上がっています。

そして更に細部を比較しますと、解像感にも違いが出ることが分かります。これも専用ソフトと汎用ソフトを比べますと、汎用ソフトは輪郭部分にジャギーと呼ばれる白や黒の線が入っていることが分かります。これは処理のプロセスが異なることから、このような違いが生じるのです。ニコン社製のCaptureNX2の場合はデータを取り込みますと、内部処理を16ビットで行います。汎用ソフトは8ビットですので、ここで解像感の違いが出るのです。

そして、もうひとつの大きな違いは「倍率色収差」です。ニコン社製のCaptureNX2の場合、画像を開く時に倍率色収差を自動的に補正するようになっていますが、汎用ソフトはこの補正を自動化していません。自動にするように設定したり、あるいは手動で行ったりします。見ていただくと分かると思いますが、壁面の部分にシアン、マゼンタ系のフリンジが出ています。こういったものが残っているとプリントした時になんとなく気持ちのよくない物が仕上がってしまいます。純正ソフトは、やはりそのカメラにとって最適な環境の現像処理を行えるように特化されています。こうしたものを利用すると、作業効率におのずと差が生じるのは想像に難しくないはずです。


これまで汎用ソフトをお使いで、新たにニコン社製のCaptureNX2をお持ちになった方の中には「CaptureNX2になって画像補正のプロセスが分からない」とおっしゃる方もいます。しかし、画像データの処理手順に関しては汎用ソフトと同じです。まずは、傾きや必要最小限のトリミングを行い、全体の明るさや色かぶりを調整します。そして、画像全体のメリハリや鮮やかさを調整します。きっちりと撮影されている写真は、おおよそこのステップで作品データが仕上がります。もう少しひと味加えたいという方は、この後に部分的な補正を行いますが、これも明るさ、色の順番で行います。そして、ここで皆さんにお伝えしたいのはシャープネスです。アンシャープマスクは使うべきと考えている方も多いと思いますが、現在の高画素カメラになって、私は一切アンシャープマスクを使わなくなりました。特に使わなくても十分に自然なシャープさを表現してくれているんですね。これはあまり掛けすぎてしまうと、ハロー現象という輪郭に白とか黒の縁取りがついてしまう現象が発生します。例えばポートレートの写真でハロー現象が起こると、髪の毛が白くなったりします。この写真でも不自然でカリカリな描写になっているのが分かると思います。ですから、高画素カメラにおいてアンシャープマスクはいらないと思っております。

最後に補正後のデータですが、ニコン社製のCaptureNX2で処理をしたら、NEFで保存しましょう。それはJPEGの画像も同じです。なぜかと申しますと、ニコン社製のCaptureNX2で処理した内容がそのまま履歴として残るからです。あとでもう一度調整をしなおしたい場合も、直前にもどって作業をすることができるのです。こうして見ますと、適切な処理というのはそれほど難しいことではありません。正しい知識をもって、撮影データの美しさを最大限に引き出しましょう。

(注):Ligntroom、Photoshopは、Adobe System Incorporatedの登録商標、または商標です。