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第2回 epSITE Exhibition Award 決定!

阿部 祐己写真展「Trace of Mountain」

エプソンイメージングギャラリー エプサイトでは、2018年4月から9月までの期間に
開催された公募展の中から最も優れた展覧会として
阿部 祐己写真展「Trace of Mountain」を選出いたしました。

阿部 祐己氏

【プロフィール】
阿部 祐己Yuki Abe

1984年 生まれ 長野県出身
2011年 日本写真芸術専門学校 卒業
2011年、12年 写真新世紀 佳作
2015年 三木淳賞
2018年 roshin booksより、写真集を出版
http://www.yu-kiabe.com/

Gallery

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  • ©Yuki Abe

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第2回 『epSITE Exhibition Award』

選考対象写真展

『△』岩城 文雄 『海中肖像写真』久保 誠 『Objects』大塚 和也
『僕の団地と、あのマック』平野 良太 『ゴブノタマシイ』矢内 靖史 
『Trace of Mountain』阿部 祐己(会期順)

選考委員

北島 敬三氏(写真家) 小高 美穂氏(フォトキュレーター)

選考委員コメント

【北島 敬三氏】

過去の展示で氏の作品を見ることがあったが、その初期の段階から作品や撮影のスタンスに一貫性があり、作品が発表される毎に密度が上がっていて、凄みの感じられる作品に昇華されている。被写体は「山」であるが、人工空間と自然空間の境界線上にある場所が被写体となっているケースが多く、そういった土地の過去と現在を1枚の画面の中で“一挙に短絡させる強引さ”が許されるであろう、数少ない作家の1人だと思う。展示も奇をてらったものではなく、非常にシンプルなものでありながら、重層的かつ立体的な構成になっていると見る者に感じさせる点は見事だ。

【小高 美穂氏】

タイトルの「Trace」という言葉が、「目に見える形あるもの」と歴史や過去の痕跡といった「目に見えないもの」の2つを含んでいるという矛盾が面白く、作家自身が山を歩いたり、山に通ったりする行為と、歴史の時間軸を掛けたものになっている点もユニークだ。身体的な行為を通して歴史などの見えないものに迫ろうとするアプローチは、後々1つの写真表現の系譜として確立されていったら面白いと思う。今回の作品は、歴史と作家自身の痕跡と複数の時間軸が写真の中に同時に存在しているが、それらが像の中で独特な一体感を醸し出している。

総評

第20回募集分の公募展については、全体にレベルが高い作品、展示となりました。 阿部さん以外の各作品について、選考委員から以下のような意見が聞かれました。

  • 『△』岩城 文雄
    6年間かけてていねいに撮られています。プリントの質も良かったと思います。(北島)
  • 『海中肖像写真』久保 誠
    アイディアやコンセプトがはっきりしていて、展示空間の作り方の上手さもあり、高い作家性が感じられました。(小高)
  • 『Objects』大塚 和也
    無理にアカデミックさを狙っていない点がいいと思います。内容的にもう少し統一感を持たせて巨大な作品にするなど、展示の工夫でより面白い作品になるのでは。(北島)
  • 『僕の団地と、あのマック』平野 良太
    団地に住む少年たちを自身を重ね合わせるというスタンスはいいと思います。少年たちの表情やデリケートな感情といったものが見えてくると、作品としての質が上がると思います。(北島)
  • 『ゴブノタマシイ』矢内 靖史
    昆虫の写真と昆虫がいる風景の写真が混在している点が気になりました。個人的には、昆虫のいる風景に面白みを感じましたが、どちらかに絞って展示の仕方やプリントの紙を工夫するなどすることで、より見応えのある作品になると思います。(小高)

皆様には、今後も写真展に挑戦するなどして、作品の内容や質をさらに高めていただけたらと思います。