インクジェットプリントで応募するフォトコンテスト「エプソンフォトグランプリ」が、作品募集をスタート。今回は、入賞を目標に作品制作の真っ只中という本誌読者のお二人に密着。写真家の作品プリントを手がける、プリンティングディレクター・松平先生の手ほどきを受けつつ、作品づくりに挑戦してもらいました。
講師:松平光弘先生
ロンドンのラボでプリンターとしてのキャリアを開始。2011年に株式会社アフロのプリンティングディレクター就任、国内外のプリント制作や文化財の複製などを手がける。 アフロアトリエ:http://atelier.aflo.com
重要なのは“主題の強調”
コンテストでは、作品の主題が審査員に伝わるよう表現されているかどうかが重要になります。主題を強調するために「1.明るさのコントロール」と「2.用紙選び」に着目してみましょう。
ヒント1.主題を強調する明るさのコントロール
明るさのコントロールにより「主題が何であるか」を明確に示すことができます。
ネイチャー部門に挑戦神立雅春さん(埼玉)
【神立】
写真は昆虫をとらえたカワセミです。一番の見どころは、首を上下180度回転させた鳥の表情。
Before
【松平】
コンテストではパッと見て主題に目がいくことが大事。被写体の周囲に空間を配し、カワセミに自然と目が向く構成ですが、明るさや面積を鑑みると、顔よりも羽が目立ちます。表情を見せたいなら、羽の明るさを抑えましょう。止まり木も同様に処理すれば、さらに表情へと目がいきます。
明るさの調整
1. 全体的に明るさを上げる
2. 羽と止まり木の明るさを抑える
3. 周囲を暗くする
After
ヒューマンライフ部門に挑戦水谷サコさん(静岡)
【水谷】
夏祭りの一コマ、主題は子どもたちです。祭事とは無関係な水遊びに興じる子どもたちを面白く思い撮影。
Before
【松平】
コンテストに適した良い雰囲気の作品ですが、気になるのは背景にいる脇役の花魁(おいらん)が目立ちすぎている点です。明るさ・彩度において、主題となる子どもたちを上回っています。子どもたちは逆光で暗くなっているため、明るさを調整することで存在を際立たせましょう。
明るさの調整
1. 暑い夏の雰囲気を出すため全体を明るく
2. 主題である子どもたちを明るく
3. 背景の明るさを抑える
After
ヒント2.主題を引き立てる用紙選び
エプソンフォトグランプリにおいて、用紙の選択は審査員への重要なアピールポイントになります。
プリンターから出力される神立さんの作品
諧調豊かに野鳥の質感を出すマット系を使用
使用用紙
エプソン「Velvet Fine Art Paper」
【松平】
羽の紋様が美しいカワセミをプリントするのであれば、おすすめはマット系の「Velvet Fine Art Paper」。色再現性・階調性に優れ、深みのある印象的な作品に仕上がります。また、凹凸があることで質感や立体感も増します。用紙が変わるだけで作品の雰囲気は一変します。
今回使用したプリンター エプソンプロセレクション SC-PX5VII
マット系用紙を使いこなすSC-PX5VII
野鳥写真をより美しく、より精緻に見せるために、今回は高精細で階調豊かな顔料プリンター「SC-PX5VII」を使用。マット系の用紙でも、黒がしっかり締まるので、鮮やかな羽が印象的に仕上がり、羽一枚一枚の細かな紋様、微妙な色みの変化を描写することができました。
講義を振り返って/神立雅春さん
神立雅春さん
用紙が変わったことで全く別の作品のように見えたことが何よりの収穫です。これまでは光沢紙の一辺倒で、違いを比べることもなかったし、変化が出るとも思っていませんでしたから...。レタッチにより作品が新たに生まれ変わること、作品により用紙は選ぶべきであることを学び、とてもいい刺激になりました。今回の講座を教訓に、これからの作品づくり・応募に活かしていきたいと思います。
プリントの仕上がりを見る水谷さん
夏スナップの空気感を出す光沢紙を使用
使用用紙
エプソン「写真用紙クリスピア〈高光沢〉」
【松平】
用紙のもつ光沢感により、肌の質感や夏の空気感を一段と艶やかに表現できます。「写真用紙クリスピア〈高光沢〉」であれば発色性の高さと広い色再現性により、場の空気感までもリアルに伝えます。水谷さんの作品との相性もバッチリ。瞬時に目を引く、理想的な組み合わせです。
今回使用したプリンター エプソン「Colorio V-edition」EP-10VA
光沢紙との相性が抜群! 高画質なEP-10VA
人物の肌を発色よく、より生き生きと仕上げるために写真用紙クリスピアと相性の良い染料インクプリンター Colorio V-edition「EP-10VA」を使用。
高画質だけでなく、インクコストの安さも注目です。作品づくりのモチベーションを上げてくれますね。
講義を振り返って/水谷サコさん
水谷サコさん
比較的短い時間で作品が劇的に変化し、とても有意義な時間となりました。「EP-10VA」は多機能なのに使い方は至ってシンプル。プリント用紙もいくつか試させていただき、そのうえで光沢紙が一番作品にマッチしていたように思います。リアルな質感描写で、よりイメージに合った作品でコンテストに臨めそうです。応募作品が決まったら、「光沢・半光沢・マット」の3種類は試しておきたいですね。
※掲載作品はコンテストにおいて既発表扱いとなるため、実際の応募作品とは異なります。

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