サステナビリティ

サプライチェーンCSR

CSR調達の取り組み

サプライチェーン管理

エプソンは、サプライヤーを事業活動における重要なビジネスパートナーと考え、公平公正・共存共栄を基本に、相互信頼関係を築き、ともに発展していくことを目指した調達活動を展開しています。

エプソンは、日本のみならず、多くの国・地域から調達を行っており、調達金額比では、日本42%、海外58%となっています。
製品組立に必要な原材料や部品、加工委託などの直接材と、工場消耗品、機械装置、広報宣伝、物流、業務委託、人材派遣などの間接材調達があり、その金額比率は、直接材66%:間接材34%となっています。
直接材は、約1,700社のサプライヤーと取引をしており、主力の生産拠点があるアジア地域で多くの取引があります。
間接材は、日本での調達金額比率が約半分を占めています。

調達概況

サプライヤー評価プログラム

エプソンは、直接材サプライヤーはもとより、間接材サプライヤーを含む全サプライヤーを対象に、外部信用調査機関の情報に基づく「間接評価」と、QCDなどの管理レベルをサプライヤーが自己チェックする「直接評価(定期評価)」などからなるサプライヤー評価プログラムに基づく多面的評価を実施しています。

エプソン サプライヤー評価プログラム
間接評価
外部信用調査機関の情報
評価項目:評価点、業歴、資本構成、企業規模、損益状況、資金現況、経営者など
直接評価(定期評価)
QCDEM中心に管理レベルを自己評価
評価項目:品質管理(Q)、コスト管理(C)、納期管理(D)、環境管理(E)、マネジメント(M)
CSR詳細評価
エプソングループサプライヤー行動規範(RBA行動規範)の遵守状況を自己評価
評価項目:労働(人権)、安全衛生、環境、倫理、マネジメントシステム
有事対応力評価
自然災害、火災などの有事の際の対応力を自己評価
評価項目:経営姿勢、リスク対策、非常時対応力、被災現場での復旧力、供給継続力、調達維持力、在庫管理状況など
安全管理評価
火災などの有事発生リスクへの対応状況の自己評価
評価項目:電気、危険有害物質、防災などの管理状況

関連情報 : グリーン購入

CSR調達推進プログラム

エプソンのサプライヤー管理プログラムは、サプライヤーガイドラインの遵守要請、サプライヤーによる自己評価、リスク分析、現場確認、改善活動のサイクルにより行っています。いずれのサプライヤー評価においても、サプライヤーと協働で改善活動を行い、レベルアップを図っています。

直接評価(定期評価)

全てのサプライヤーについて毎年定期評価(セルフアセスメント)を行っています。
品質(Q)、価格(C)、納期(D)のほか、環境とマネジメントシステムについての設問があり、マネジメントシステムでは、貿易や贈収賄などの各種法令への適合性や、含有化学物質管理、個人情報の取り扱いなどについて確認しています。定期評価の結果、60点以下の場合、ハイリスク取引先として改善支援を行うとともに、改善が見られない場合には、取引継続を認めていません。また、新規取引先についても、同様のセルフアセスメントを実施し、評価の結果70点以下の場合は、改善を条件に取引を認めています。

区分 設問数
Q. 品質 12
C. コスト 5
D. 納期 5
E. 環境 5
M. マネジメントシステム 15
合計 42

直接評価実績

  2018年度 2019年度 2020年度
サプライヤー数 994社 942社 902社
窓口数 1,481 1,525 1,440
実施率 100% 100% 100%


CSR詳細評価

エプソンは、サプライヤーガイドラインにて要求している「エプソンサプライヤー行動規範(RBA行動規範)」のサプライヤーにおける遵守状況をCSR詳細評価で確認し、その調査結果をもとに、サプライヤーと協働し改善に取り組んでいます。
CSR詳細評価は、Responsible Business Alliance(RBA)が提供するオンラインSAQ(Self-Assessment Questionnaire)のほかに、RBAの現場監査基準に基づいてエプソン独自に策定したSAQを用いています。エプソンSAQは、労働項目に関する設問を多く取り入れ、サプライヤーにおける人権配慮の状況の詳細を確認できるよう設計してあります。
SAQは、RBAレギュラー会員としての要求をベースに、直接材の重要サプライヤー、構内常駐業者および人材派遣・紹介業者を対象に、毎年実施しています。
SAQにてハイリスクと評価された直接材のサプライヤーについては、RBAの基準に従い監査を受けていただき、改善に取り組んでいただきます。


SAQ構成(2020年度版)

区分 対象 & 設問数
生産材サプライヤー 構内外注業者
人材派遣・紹介業者
A. 労働(人権) 40 30
B. 安全衛生 29 9
C. 環境 12 -
D. 倫理 13 8
E. マネジメントシステム 15 13
合計 109 60





SAQ評価ランク分け

2020年度は、直接材重要サプライヤー、主要製造拠点の構内常駐業者および人材派遣・紹介業者について、CSR詳細評価を実施しました。

2020年度SAQ実施対象(2020年―21年)
1) 直接材の重要サプライヤー  
(選定の考え方)
 ・グループ調達額80%に該当する上位取引先
 ・事業ごとに選定した重要なサプライヤー。シングルソースサプライヤーなど。
2)構内常駐業者
(選定の考え方)
 ・セイコーエプソンおよび製造拠点に常駐する業者。取引金額、人数を問いません。
3)人材派遣・紹介業者
(選定の考え方)
 ・セイコーエプソンおよび製造拠点において活用する業者。取引金額、人数を問いません。

直接材重要一次サプライヤーについては、297社に依頼し、293社(497拠点)からSAQ回答をいただきました。また、一次サプライヤーが商社の場合には二次サプライヤーにもお願いし、SAQ回答をいただきました。
SAQのスコアに加えて、課題事項の改善助言を含むフィードバックシートを作成し、全てのサプライヤーにSAQの結果を通知するとともに、重要項目についての改善状況の見守り支援を行っています。


直接材サプライヤーの評価結果

  2018年度 2019年度 2020年度
調査サプライヤー 312社
(358事業所)
222社
(391事業所)
293社
エプソンSAQ
(427事業所)
RBA SAQ
(70事業所)
中期目標(KPI) 2020年度までにハイリスク 0%にする
ローリスク(86点以上) 58% 84% 91%(443事業所)
ミドルリスク(66-85点) 37% 16%

9%
(53事業所)

0%
(1事業所)
ハイリスク(65点以下) 5% 0%

0%
(0事業所)

0%
(0事業所)


2020年度の結果概要(抜粋)
・【最重要な要求】児童労働を使用している(0%、0拠点)
・【最重要な要求】奴隷労働・強制労働を使用している(0%、0拠点)
・連続7日以上の勤務がある(9%、40拠点)
・勤務時間が週60時間を超過することがある(21%、91拠点)
・給料の支払い遅延がある(0%、0拠点)
・避難訓練を年1回以上実施していない(1%、3拠点)
・適切な保護具を無償提供していない(0%、1拠点)
・妊婦・育児中の女性の安全対策が不十分(10%、44拠点)
・清潔な搾乳場所を提供していない(14%、61拠点)

*課題があるサプライヤーには、改善活動をお願いしています。

構内外注業者および人材派遣・紹介業者については、2020年度は、セイコーエプソンの事業所およびエプソンの主要製造拠点において、233社からSAQの回答をいただきました(回答率100%)。エプソンの工場運営上、不可欠な重要なパートナーとして、RBAの要求を理解していただくとともに、これに準拠した会社運営の改善に取り組んで頂いております。

構内外注業者および人材派遣・紹介業者の評価結果

サプライヤー属性 2019年度 2020年度
SAQ回答会社数 SAQ平均点

SAQ回答会社数

SAQ平均点
構内常駐業者 警備 7社 85点 15社 84点
食堂 12社 71点 18社 78点
清掃 10社 78点 16社 77点
設備保守 6社 84点 15社 83点
その他 44社 78点 80社 82点
小計 79社 78点 144社 81点
人材派遣・人材紹介 45社 82点 89社 88点


監査、現場確認、改善支援

エプソンは、CSR詳細評価(SAQ)の結果、ハイリスクおよびミドルリスクと判定されたサプライヤーについて、改善活動の支援を行っています。

第三者監査

2020年度は、RBAレギュラー会員の義務であるSAQでハイリスクと判定されたサプライヤーがなかったことに加え、COVID-19の影響もあり、外部専門機関による第三者監査(RBAのVAP監査に準拠)は実施しませんでした。

現場確認・改善支援

第三者監査を実施しないサプライヤーに対しても、エプソンの製造拠点のメンバーがサプライヤーに出向き、現場確認と改善活動の支援を行っています。
直接材サプライヤーについては、CSR項目の改善のみならず、火災予防処置や事業継続マネジメント(BCM)の導入支援など、サプライヤーが対応に苦慮している事項にも積極的に取り組んでいます。
構内常駐業者については、エプソン社員による二者監査を実施し、労働時間の削減、休日の付与、残業代の適切な支払い、採用時の費用負担などの労働環境の改善を図りました。

2020年度は、海外製造拠点において、102件の二者監査・現場確認を実施しました。
監査・現場確認実績

  2018年度 2019年度 2020年度

日本

その他地域

日本

その他地域

日本 その他地域
第三者監査 初回監査 1 1 0 0
フォローアップ監査 - 1 0 0
二者監査・現場確認 248

323

0 102


有事対応力評価

エプソンでは、長年にわたる防災への取り組みに加え、事業継続マネジメント(BCM)の推進に取り組んでいます。災害などによりエプソンの生産拠点に被害が生じた場合、まず社員の安全確保を図り、次にお客様にご迷惑をおかけしないよう、商品の供給継続を図ることを
基本的な方針としています。
サプライチェーン上で災害や事故、新興感染症蔓延などの異常事態発生により調達品の供給が途絶した場合でも、目標期間内で復旧し、供給を再開し、供給責任を果たすため、サプライチェーン全体での有事対応力の強化・確保が必要であると考えています。このため、サプライヤーの定期評価の一つである有事対応力評価では、サプライヤーによる自己評価を実施し、評価結果をもとにフィードバックと改善支援を行います。
関連情報:事業継続マネジメント

サプライチェーンBCM

サプライチェーン全体として、対応力の向上を図るため、グループ全体に適用される、サプライチェーンBCMガイドラインを制定し、サプライヤー、生産、販売、物流、調達の5つの機能について定め、事業継続力強化に取り組んでいます。


サプライヤー機能は、サプライヤーからの調達品の供給が途絶しないよう、サプライヤー自身でBCMに取り組んでいただく活動です。サプライヤーによる有事対応力の自己評価を定期的に実施し、評価結果をフィードバックするとともに改善支援を行います。


サプライヤーのBCM自己評価実績

  2018年度 2019年度 2020年度
計画 250社 1,336社 2,170社
実績 228社
91%
945社
71%*1
1,919社
88%

*1 2019年度は、直接材サプライヤーへ一斉調査を実施したが、COVID-19の影響などにより自己評価回収が滞った

安全管理評価

エプソンは、火災などの有事発生リスクへの対応能力に特化した安全管理評価を、定期評価として行っています。電気、危険有害物質、防災などについて、自己評価を実施したのち、エプソンの安全管理専門担当者がサプライヤーの現地確認を通じて、管理レベルの向上のための支援を行っています。

安全性評価実績

  2018年度 2019年度 2020年度
計画 481社 1,384社 2,134社
実績 449社
93%
1,025社
74%*2
1,865社
87%

*2 2019年度は、直接材サプライヤーへ一斉調査を実施したが、COVID-19の影響などにより自己評価回収が滞った

サプライチェーンにおける環境への取り組み

エプソンは、長期ビジョン Epson 25 Renewedにおける環境の取り組みとして、「『脱炭素』と『資源循環』に取り組むとともに、環境負荷低減を実現する商品・サービスの提供・環境技術の開発を推進する」ことを掲げています。特に、ライフサイクルの初期段階を担う調達活動において、サプライヤーと協働した環境負荷低減を重要課題の一つとして取り組んでいます。

気候変動への考え方

エプソンは、GHGプロトコルに準じて把握したスコープ1、2および3のGHG排出量に基づき、Science Based Targets initiative(SBTi)が提唱する科学的目標設定手法に整合した5年から15年先の具体的なGHG削減目標を設定し、SBTiの承認を得ています。スコープ3排出量は自社バリューチェーン全体からの間接的な排出を示しており、エプソンは、中長期目標として2025年までの削減目標を設定しています(事業利益当たりのGHG排出量を削減)。
また、2050年までに事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギー由来の電力にすることを目指す国際イニシアチブ「RE100」に加盟し、全世界のエプソングループ拠点*1で使用する電力を、2023年までに100%再生可能エネルギーとする目標を掲げています。
今後は、より高い目標となる1.5℃シナリオに沿った削減目標に切り替えるとともに、サプライチェーン全体における排出量削減に取り組んでいきます。
*1 一部、販売拠点などの賃借物件は除く

気候変動リスクへの考え方

気候変動リスクが顕在化しつつあることは世界の共通認識となり、私たちの事業継続上もリスク対応が急務です。エプソンのサプライヤーは、大規模な洪水被害が多発するタイを含む東南アジア、潜在的水リスクの高い中国などにも存在します。代表的な気候変動リスクである洪水や干ばつにより、サプライヤーからの納入が停止・遅延すると、エプソン製品の製造および販売に大きな影響が発生し、お客様へのご迷惑につながることを認識し対応を進めています。

サプライヤー支援の取り組み

エプソンは、SAQ (Self Assessment Questionnaire)を実施、リスク分類を行い、サプライヤーに評価結果をフィードバックするとともに、ハイリスクサプライヤーへの現場確認や監査などを通じて、改善活動を支援するというエンゲージメント活動を行っています。サプライヤーにおける環境への取り組みを推進するため、調達額80%以上を占める国内外の主要サプライヤーを選出し、CSR詳細評価に合わせて、実際にサプライヤーがエプソン向け部品に要した電力・ガスなどのCO2排出要因、水資源の消費実績の調査を行っています。私たちは、この調査を通じ得られた結果をサプライヤーと共有し、サプライヤーの生産工程における電力や水使用量を削減する生産ラインの改善、輸送時の環境負荷低減などに向けエンゲージメント活動を展開します。

エプソンの環境活動の取り組みはこちらをご覧ください
関連情報:エプソンの環境活動

外部団体との連携

外部団体との連携

エプソンは、サプライチェーンにおける人権を含むCSR課題を解決するため、自社の取り組みだけでなく、アライアンスの活動を支持し、積極的に活動に参加しています。そのため、以下のアライアンス・団体に加盟し、世界におけるさまざまな社会課題の解決および、業界連携によるサプライチェーンCSRの向上に取り組んでいます。

【WWに活動するイニチアチブ】
Responsible Business Alliance(RBA)レギュラー会員

【日本の業界団体】
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)「CSR委員会」
(活動例)
・責任ある企業行動ガイダンスの作成、周知活動
・人権DD、グリーバンスメカニズムの研究
・各国の規制状況の把握・共有  など