ダイバーシティの推進

小川社長メッセージ

私は、性別、LGBT、人種、国籍、宗教、世代、その他一切の偏見なく、全ての社員が分け隔てなく、同等な機会を得て、活躍している姿が理想だと考えています。そもそもそういったことを考えたり議論したりする必要が無く、互いの違いや多様性を自然に受け入れていることこそが望ましい姿だと思います。そのため昨年、社長直轄組織として「ダイバーシティ推進プロジェクト」を設置し、各種啓蒙活動、育成活動、子育て支援、介護支援、昇格制度の変更などを実施してきました。また、グループ会社の一つであるエプソン販売では、若手社員や女性社員から構成されるアドバイザリーユニットを設置し、経営に多様な意見を取り入れることにしました。経営層においてもさらなる多様性を目指して、内部人材の育成を含め、多彩な人材の確保を積極的に推進しています。
 多様な人材の異なる考えを大切にし、それらを活かすことで、より柔軟な、そして持続的に成長する企業を目指します。改革はまだ始まったばかりですが、ダイバーシティの推進を重要な経営課題の一つと捉え、さらなる取り組みを進めてまいります。

ダイバーシティの考え方

エプソンは、経営理念の下にダイバーシティ(多様性)を尊重し、人事施策を推進します。
ダイバーシティとは、性別、国籍、宗教、地域、学歴、社会的立場、LGBTなど、先天的か後天的か、目に見える部分かどうかを問わず、人の個性がさまざまであることをいいます。

エプソンの真のお客様は、エンドユーザーであり、世界の人々です。世界の人々の生活を豊かにするために、多様なお客様を理解し、ニーズに応えていかなくてはなりません。そのためには、私たち自身のダイバーシティが重要です。多様な人材がエプソンに集まって、お互いの個性を尊重し、何が大切かをよく考え、行動してこそ、お客様価値の創造ができると考えます。お客様に驚きや感動をもたらす成果を生み出すために、エプソンは女性管理職や外国籍社員の登用などを通じて、多様な人材が能力を最大限発揮できる企業文化の醸成に取り組みます。

取締役 執行役員 人事本部長 兼 健康経営推進室長 重本 太郎

ジェンダーギャップの解消

エプソンは、ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、性別等の属性によらず社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる会社を目指しています。ダイバーシティ&インクルージョンの課題は世界各国・地域において様々であり、各国・地域において適切な対応を行っています。
日本においては、ジェンダー、国籍、年代、障がいの属性に着目して取り組み、女性活躍推進のほか、外国人採用の強化、障がい者の職域の拡大、属性によらず活躍するための人材育成や人事制度の変更、働きかたの見直しに取り組んでいます。

女性活躍推進

当社は、男女の雇用機会均等施策に早くから取り組んでいます。1983年には男女の賃金格差を完全に廃止し、男女の格差なく働くことができ、家庭と仕事の両立ができる環境を目指し、休職、短時間勤務制度の整備やベビーシッター費用への補助や様々な取り組みを進めてきました。その結果、男性よりも女性の勤続年数が長いなど一定の成果が出ています。しかし、国内ではまだ管理職を始め、意思決定を行う地位への任用において男女差があり、当社はこれを課題と認識しています。今後、ますます女性社員が活躍できる会社になるための取り組みを進めていきます。

女性活躍推進のめざす姿

女性活躍推進では、ジェンダー平等を実現し、性別等の属性によらず社員一人ひとりが能力を最大限に発揮することをめざしています。性別を意識しなくても、自然に管理職や経営層といった各階層にまんべんなく女性がいて、管理職の女性比率は、全社員の女性比率と同率になるのがあるべき姿と考えます。

推進体制

「働き続ける」から一歩進んでキャリア形成を希望する社員が男女関係なく活躍できる風土を作るため、2016年度~2020年9月まで人事部内に女性活躍推進プロジェクトを設置して推進してきました。2020年10月に女性活躍推進プロジェクトを発展的に解消し、社長直轄のダイバーシティ推進プロジェクトを立ち上げ活動しています。

女性活躍推進の取り組み

女性活躍推進法行動計画

・2022年度までに女性管理職比率5%(40人)、女性リーダー級(係長相当)7%(350人)をめざします
・将来の女性管理職を増やすために、候補層を増やす取り組みを行います
・新卒採用のうち女性比率25%以上を目標とし、採用活動を行います
・エプソンで長期的にキャリアを形成できるように、さまざまな施策の拡充を図ります
  (対話会の実施、管理職研修、女性向けキャリア研修など)
・在宅勤務の拡大など、柔軟な働きかたについて、検討を進めます

取り組み概要

課題 対策の方向性 具体的な施策(主なもの)

Ⅰ.意識のバイアス

(本人・上司・組織)

<教育>

・意識改革の教育

全社員向けの教育、女性本人を対象とした教育、管理職を対象にした教育をそれぞれ実施

・経営トップによるメッセージ発信

・アンコンシャスバイアス研修

 (eラーニング)

Ⅱ.長時間労働

(組織・上司)

<制度>

・時間制約への対応

・働きかたのフレキシブル化

・育児・介護両立支援

・男性育休取得促進

<働きかた>

・管理職の仕事の仕方の変革

・働きかたに対する意識の変革

・時間制約が不利にならない評価制度

・在宅勤務制度

・ベビーシッター補助

・介護離職防止セミナー

Ⅲ.成長機会の提供不足

(上司:キャリアモデルの不在)

(本人:ロールモデルの不在)

 

<制度>

・評価制度

<育成>

・事業部長のリーダーシップによる成長機会の提供

・昇格試験制度運用変更

・管理職人材候補の選抜研修

Ⅳ.その他  

・女性向け相談窓口

・不妊治療

・待機児童対策

・採用

・定着促進

・ネットワーク作り


具体的な取り組み

<意識のバイアス>

経営トップによるメッセージ発信
エプソンでは、年2回の方針大会にて、グループ全社員に向けダイバーシティの重要性を示しています。また、経営トップが積極的に女性社員との対話会を実施し、社内イントラネット上で社長からダイバーシティや女性活躍推進に関する方針や考えを発信しています。

アンコンシャスバイアス研修
ダイバーシティの重要性を理解するとともに、それを阻害する大きな要因の一つとなっている「アンコンシャスバイアス」について学ぶeラーニングを、2020年度、セイコーエプソンおよび国内関係会社の社員を対象に実施しました。受講者数は17,261人(約9割)に達しました。

<長時間労働>

時間制約が不利にならない評価制度
ライフイベント等により、働きかたに時間制約がある場合でも昇進・昇格に影響することがないように、フルタイム勤務者も短時間勤務制度利用者も評価基準は同一としています。そして、それぞれが勤務時間でできる範囲の目標を設定し、達成度合いを評価することとしています。

育児介護期の在宅勤務導入
時間制約がある社員に就業の機会を増やすため、育児介護期の在宅勤務を2018年度から実施しています。2020年からは全社員を対象に在宅勤務制度を拡大しました。育児介護期は時間単位、1日単位など柔軟な運用が可能となっています。参観日のケースでは必要な時間だけ中断し行事に参加することができるようになり、急な子どもの病気時には、子どもが寝ている時間に最低限の業務が実施できるようになるなど、今までは年休取得が必要な場合でも休務とせず業務時間にあてることが可能となりました。また、自宅以外の認定場所での実施が可能となっており、より柔軟性のある働きかたが可能です。

男性の育児参画
女性が活躍するためには、家事・育児をパートナーと共同で行うことが必要です。2014年3月に男性向けの育児休業ガイドブックを作成し、社内イントラネットに公開していることに加え、近年は育児に積極的にかかわりたい男性も増えてきているため、男性育児休職取得者による対話会を実施し、社内イントラネットで紹介することで、男性の育児参画を促進しています。

ベビーシッター補助
2005年10月から、ベビーシッターサービス利用について、一定の会社補助を行っており、段階的に補助額を引き上げ、現在は月16時間分まで全額会社で補助しています。

介護離職防止セミナー
社員が介護に関する社内外の制度を理解し、急な介護リスクに備えられるようにすることを目的に、社外専門家による介護離職防止セミナーを実施しています。
また、介護にかかる費用負担に備えるため、福利厚生制度の一環として団体介護保険を導入しました。あわせて、介護費用に関するセミナーを実施し、社員が安心して働くことができる環境づくりに取り組んでいます。

働きかたの検討
健やか休暇の取得事由を拡大し、慣らし保育や学級閉鎖に対応できるようにしました。
さらに、育児介護等、時間に制約のある社員が活躍できるよう、多様な働きかたができる職場環境づくりに向け、労使委員会の働きかた分科会で検討を続けています。

<成長機会の提供不足>

昇格試験制度
従来の制度では、昇格試験の受験資格を得るために、論文試験と筆記試験を同じ年に一度に受験し合格する必要があり、筆記・論文の準備に相応の時間を要することから、時間に制約のある社員には挑戦が難しいという課題がありました。また受験資格に3年の有効期限があり、育休で長期間休務した場合に受験資格が失効してしまうという課題もありました。
この課題を解消し、制約のある社員が昇格試験に挑戦しやすい環境をつくるため、受験資格の有効期限を廃止し、各試験項目に複数年かけて合格した場合にも受験資格を付与する制度へ、2018年4月より変更しています。また、2020年10月より、論文執筆を人材育成の機会と位置づけ、論文執筆・筆記試験を就業時間内で実施するなどの運用変更を行い、これまで以上に時間制約がある社員が上位資格等級へ挑戦しやすくしています。

管理職候補人材の選抜研修
管理職候補人材の選抜研修を実施し、次世代管理職の人材プールを作っています。この研修を受講した女性社員は累計38名となっています。

<その他>

女性向け相談窓口
将来のキャリアパスを描けないなど、今後のキャリアに悩む女性が、活躍する先輩女性に1対1で相談できる環境を作り、エプソンでのキャリアを前向きに考えられるようにキャリア相談窓口を設置し、対応しています。また、女性の健康相談についても、産業医・助産師資格を持つ看護職が対応しています。

不妊治療
不妊治療のために健やか休暇を取得できるようにしました。

待機児童対策
近年、首都圏のみならず、主要事業所がある長野県内でも待機児童が発生しています。そのため、社員が住む地域にある企業主導型保育園との提携を進めています。(2021年6月時点 6園)

採用・定着促進~入社3年目面談
若年層の“早期戦力化”と“定着化”を目的に、新卒入社後3年目を対象に人事部による面談を実施しています。仕事や職場環境、自己のキャリア形成についての悩みを聞き、職場も含めたフォローをすることで、定着に一定の成果が見られています。

ネットワーク作り~経営層と女性社員との対話会
女性管理職、管理職候補、30歳前後など同じような悩みを持つ社員のネットワーク形成と、相談し合える環境づくりのため、経営と女性社員との対話会を継続開催しています。これまでに20回以上実施し、延べ100名以上が参加しています。2020年度は社長による対話会も2回開催し、また社外取締役との対話会も実施しました。経営層も対話会に出席することで、現場の声が経営層に届きやすくなり、育児期の在宅勤務や、臨時の託児スペースなど、対話会の中で社員のニーズとして話が出た内容が、実際にトライアルや制度化に結び付いています。
また、対話会を通じて知り合った女性社員同士で悩みを打ち明けあったり、異なる事業の女性社員がキャリア形成や、仕事と家庭の両立支援について連絡を取り合い、拠点や事業単位での対話会を開催する等、女性社員のネットワークが広がっています。


社外からの評価

えるぼし認定取得

当社は2016年7月、厚生労働大臣が認定している「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(以下、女性活躍推進法)」に基づき、女性の活躍推進に関する優良な企業として認定され、認定マーク「えるぼし」の3段階目(3つ星)*1 を取得しました。
「えるぼし」は、厚生労働省が女性活躍推進法に基づき、2016年2月に制定した認定マークで、行動計画の策定・届出を行った企業のうち、一定の基準を満たし、女性の活躍推進に関する状況などが優良な企業として認められた際に授与されます。
評価された項目数により、3段階に分けられますが、当社は、最高位である3段階目の3つ星「えるぼし」の認定を受けています。
当社は女性活躍推進プロジェクトを発足し、経営層と女性社員の対話会の実施、増加が予想される介護への対策など、「働き続けられる」から一歩進んで、今後は、キャリア形成を希望する女性社員が指導的立場で活躍できるようさらなる取り組みを行います。

*1 えるぼし認定は、基準を満たす項目数に応じて3段階あり、五つの基準(採用、継続就業、労働時間などの働きかた、管理職比率、多様なキャリアコース)の全てを満たした場合に、最高位である3段階目の3つ星認定を受けることが可能

プラチナくるみん認定取得

当社は、厚生労働大臣が認定している「次世代育成支援対策推進法」に基づき、「子育てサポート企業」として認定(くるみん認定)され、2007年以降「くるみん」、2016年には「プラチナくるみん」を取得しています。
「プラチナくるみんマーク」は、くるみん認定企業のうち、より高い水準の取組を行った企業が、一定の要件を満たし、優良な「子育てサポート」企業として厚生労働大臣から特例認定(プラチナくるみん認定)され、その証として授与されます。当社は「働きかた改革」「ダイバーシティ推進プロジェクト」における活動を通して、長時間労働の是正、男性の育児休職の促進など、今後も子育て支援に関するさらなる取り組みを行います。

認定マーク「プラチナくるみん」

女性活躍に向けた今後の取り組み

当社は、今後もさらに女性活躍をはじめとする、多様な人材の活躍の可能性を広げる活動を積極的に展開します。

女性活躍推進の進捗状況

女性従業員比率・女性管理職比率
(グローバル/国内/セイコーエプソン)

   グループ計 日本国内計 海外計
男性 女性 男性 女性 男性 女性
正規従業員の割合 55.5% 44.5% 81.0% 19.0% 45.9% 54.1%
管理職の割合 82.9% 17.1% 93.3% 6.7% 65.3% 34.7%

* 管理職は初級管理職(リーダー・係長級)以上


セイコーエプソン株式会社。管理職は課長以上。

セイコーエプソン株式会社

グローバル人材の活躍

エプソンは、時代によって、地域によって、さまざまに異なるお客様のニーズを的確に把握し、誰よりも早く、柔軟に対応するために、世界各国・地域に拠点を整備しています。現在エプソングループでは約80,000人の社員が働いています。

また、エプソンは、製品の開発から生産、販売にいたるまで、一連の事業プロセスをすべて自社で統合して行うことを基本とした事業形態を展開しており、世界各地の現地法人がこのプロセスを分担しています。これを実現するためには、事業部と現地法人との間で、方向性や事業方針の共有が重要であり、また、現地の多様な人材が活躍し、その力を結集することが不可欠です。エプソンでは、事業部、本社などの各組織・各階層においてさまざまな形での交流をグローバルに行うとともに、現地経営人材の選定と育成を進めています。

グローバルミーティングの実施

海外拠点から代表者を集めた各種ミーティング/セミナーを行っています。法務、財務、環境安全などの機能別のものや、IT推進などのグローバルプロジェクトに関するもの、セールスミーティングなど、さまざまなテーマでグローバルに情報共有と意見交換を行っています。

グローバル・タレント・マネジメント

エプソンは、長期ビジョン Epson 25 Renewed 実現のため、グローバル視点で組織・役割設計・人材をレビューし、事業戦略・環境変化に適応した最適フォーメーションを構築することを目指しています。国内外を問わずグループの重要ポストについては、その役割や要件を明らかにし、 それに対して年齢・性別・国籍などに関わりなく最適な人材候補を選任できるよう、後継者計画を策定し、またそのためのさまざまな仕組みの構築を進めています。

海外の人材については、各現地法人において、将来経営幹部候補者となりうる対象層を定め、その層に属する全ての人材に関して基礎情報を収集しています。また、その中でも特に優秀な人材をグローバルに共通なグレーディングや現地法人との協議により特定し、その人材について、能力や360度評価などによる情報を収集し、将来のキャリアパスや育成について検討を行っています。

これらの活動の結果、現在、海外の現地法人のうち、米国地域統括会社においては現地人材がCEOを務め、北・中・南米の傘下現地法人の経営管理や当該地域の事業オペレーションについて全面的な責任を負っています。また、欧州でも地域統括会社の傘下法人は全て現地人材が責任者を務めているほか、世界各地のいくつかの販売法人、製造法人の責任者にも現地人材の登用が進んでいます。現在、海外現地法人の取締役に占める外国人の割合は34%、また、CEOポジションに占める外国人の割合は57%となっています。


グローバルな人材育成への取り組み

グローバル・インキュベーション・セミナー(GIS)

「グローバル・インキュベーション・セミナー(GIS)」は、エプソングループ各社をけん引するグローバルリーダーの計画的育成を目的として、世界各国・地域の次世代リーダー層を対象に、エプソンのビジョンとバリューを共有し、各組織でそれらを実践できる力を養う教育研修プログラムです。1999年から継続しており、これまでに延べ380人余りのメンバーがこの研修に参加し、海外現地法人の現地人社長のほとんどが、その卒業生となっています。

毎年2月後半の5日間、海外現地法人のメンバーに国内の社員若干名を加えた合計25人程度が参加し、経営層との直接的なコミュニケーションを通じて長期ビジョンや事業戦略に関する理解を深め、またエプソンの経営におけるコンプライアンスの重要性について学びます。また、地域・機能・事業の異なる参加者それぞれの課題や取り組みを相互に共有し、自身が、自身の組織の中心となって、どのようにエプソンの価値を生み出すかを考え、セミナー最終日に自身の行動計画を経営層へ宣言し、それを実行します。
現在、コロナ禍により中断を余儀なくされていますが、今後もこうした研修を継続的に実施することで、世界各国・地域の多様な人材がさらに能力を伸ばし、次世代のエプソンを支える原動力になることを目指します。

グローバル・エグゼクティブ・セミナー(GES)

2017年度には、各現地法人における経営層の一層の充実・強化を図るため、「グローバル・エグゼクティブ・セミナー(GES)」を立ち上げました。 将来の見通しの立ちにくい経営環境の中で、エプソン全体でいかにして中長期の事業目標を実現していくか、各社および自身が果たすべき役割は何か、どう変革を進めていくかなど、戦略や課題を考え、リーダーシップを発揮できる経営層を育てる研修です。本セミナーは3日間の集合研修(セッション1)を実施したのち、1年間の実践行動期間を経て、1年後に実践行動の成果を2日間の集合研修(セッション2)で報告する構成となっています。

2020年度は、コロナ禍の中、2019年度の「GES2019-20 セッション1」に参加した海外現地法人メンバー4人と、国内の社員2人の計6人が参加して、セッション2をオンライン形式で実施しました。それぞれが1年間の行動実践期間に行った経営課題への取り組みを発表し、今後の継続とさらなる発展を約束して修了となりました。
こうした育成活動を通じて、世界各地で、より変化に強く、実行力の高い経営基盤を築き上げています。

海外からの実習生受け入れ

エプソンでは、海外製造拠点から、3カ月から1年間の期間にわたって日本に実習生を積極的に受け入れ、現地では学ぶことのできない技能・技術の習得や、事業プロセスに関する理解を深めるための教育プログラムを実施しています。
2019年度はグループ社員の技能実習生・研修生合わせて34人を受け入れ、1988年からこれまでに延べ1,800人余りを受け入れました。
写真は、技能実習生が自ら製作した金型で製造した部品の状態を検査している様子です。
また、最近では、販売現法の若手社員が、自らの業務テーマに関連して事業部メンバーや本社各主管機能との交流を通じて知見を深め、相互理解を促進し、またエプソンやエプソンの価値観に関する認識を深めてもらう活動を行っています。
(現在、新型コロナウィルスの影響により、中断しています。)

障がい者の雇用推進と活躍支援

エプソンは、障がいのある多くの社員が活躍しています。そのためエプソンはトイレや駐車場などの設備面での工夫に加え、社内研修や面接時の手話通訳の用意、人工透析のための特別早退制度など、制度面でのさまざまな配慮も行っています。また、障がいのある社員が個々の能力を発揮しやすく、働きやすい職場環境を整えた、特例子会社エプソンミズベ(株)とエプソンスワン(株)を設立し、活躍できる場の拡大を進めています。

国内グループ会社の障がい者雇用率推移


国内グループの障がい者構成


エプソンミズべ株式会社

エプソンミズベ(株)は、障がい者11人、健常者(スタッフ)4人の合計15人でセイコーエプソン(株)の特例子会社として1983年に操業を開始し、以降着実に事業を拡大してきました。
現在では、各種電子機器・精密機器の組み立て・検査・洗浄・梱包、古紙再生、印刷・コピー・製本、文書電子化、防じん衣クリーニング、ビルクリーニング、使用済みインクカートリッジ仕分け・分解などの幅広い業務に、7拠点で、147人(2021年3月末現在)の障がいのある社員が取り組んでいます。
2008年から展開しているビルクリーニングは、2021年3月時点で5拠点48人の規模に成長・定着し、快適な事業環境の維持に貢献しています。また、2017年からはペーパーラボのアップサイクルモデルラインにおける障がい者雇用機会を拡大し、古紙分類・ペーパーラボオペレーション・DFPを活用した名刺・ノート作成など、環境負荷低減と障がい者雇用促進に取り組んでいます。

基板実装(湖畔)

ペーパーラボアップサイクルセンター(諏訪)

使用済みインクカートリッジの仕分け(湖畔)

ビルクリーニング(富士見)


障害者活躍企業認証を取得

「障害者活躍企業」とは、厚生労働省の委託を受け、公益社団法人全国障害者雇用事業所協会が、障がい特性に配慮した雇用管理や雇用形態等の優れた取組を実施しており、障がい者を多数雇用し、障がい者が活躍している一定の基準を満たしている企業を認証するものです。エプソンミズベは、精神障がい者雇用拡大の取り組みや、障がいをもった社員の活性化・自立支援など全社一丸の活動が評価され、この認証を取得しました。(2020年1月1日)

アビリンピック(全国障がい者技能競技大会)での活躍

優れた技能を持ち、その力を仕事で発揮し貢献している多くの障がい者社員がいます。2019年度開催の全国アビリンピック愛知大会には電子機器組立競技に横内庄一が、ビルクリーニング競技に中島克典が出場し、横内庄一が銀賞受賞を果たしました。横内のアビリンピックでの入賞は、電子回路接続競技での優勝を含め通算6回目となり、ベテランとして、後輩の育成にも携わっています。こうした先輩の存在自体が働く障がい者の励みとなり職場の活力に繋がっています。
(新型コロナの状況に鑑み、2020年度のアビリンピックは参加を見合わせました。)

全国アビリンピック愛知大会で電子機器組立競技に取り組む横内庄一

天皇皇后両陛下がオンラインでエプソンミズベをご視察

コロナ禍のなか、2020年12月17日、天皇皇后両陛下にエプソンミズベをオンラインでご視察いただきました。
両陛下はエプソンミズベの社員が業務に励む姿に大変高い関心を寄せられ、参加した社員ひとりひとりの気持ちに寄り添った温かいお言葉をいただきました。
最後に天皇陛下からは「障がいを持った方々とお話をしたのが嬉しく思います。」皇后陛下からは「生き生きとお仕事されている様子が聞けて良かったです。新型コロナウイルスで大変だと思いますが、お体に気を付けて。」とねぎらいの言葉をいただきました。
このご訪問は全国で働く障がい者の励みとなり、エプソンミズベの社員にとっては、心に刻まれる生涯忘れられない思い出となりました。

出典:宮内庁ホームページ

お声がけいただく神林工場の上條美咲と進行役の荒井孝昌

エプソンスワン株式会社

エプソンスワン(株)は、山形県酒田市にある東北エプソン(株)の特例子会社(山形県初認定、現在は、セイコーエプソン(株)の特例子会社)として設立され、2002年3月に操業を開始しました。東北エプソン(株)の構内に拠点を置き、23人(2021年4月1日現在)の障がいのある社員が、防じん衣クリーニング、東北エプソン(株)内のビルクリーニング業務、2020年10月から新たにペーパ―ラボ用原料作成業務(紙仕分け作業)を担当しています。

ペーパーラボ用原料作成業務(紙仕分け作業)

「就労支援」や「余暇支援」のほか人材育成にも注力し、2020年度もアビリンピック山形大会にビルクリーニング種目で出場しました。また、エプソンスワン(株)のさまざまな情報を掲載した、スワン広報誌「スマイル」を社内ウェブや紙面にて定期的に発行し、社内外とのコミュニケーションを図っています。2021年3月発行分で累計45号となりました。

「スマイル」表紙

社員構成・勤続年数・離職率

社員構成

社員男女比率
女性16.6%
男性83.4%
管理職男女比率*1
女性3.2%
男性96.8%
係長相当の男女比率*2
女性6.5%
男性93.5%

* 社員構成データは、セイコーエプソン(株) 2021年3月31日時点

*1 管理職は課長以上

*2 シニアスタッフ


勤続年数

全体 男性 女性
19.1年 18.9年 20.4年

* 勤続年数データは、セイコーエプソン(株) 2021年3月20日時点


離職率

  2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
総離職率 3.6% 3.6% 4.5% 4.1% 4.5%
自主的離職率 1.6% 1.5% 1.8% 1.5% 1.4%

* セイコーエプソン(株) 2021年3月20日時点