CSR・環境

人づくり

ダイバーシティの推進

ダイバーシティの考え方

エプソンは、経営理念の下にダイバーシティ(多様性)を尊重し、人事施策を推進します。
ダイバーシティとは、性別、国籍、宗教、地域、学歴、社会的立場、LGBTなど、先天的か後天的か、目に見える部分かどうかを問わず、人の個性がさまざまであることをいいます。

エプソンの真のお客様は、エンドユーザーであり、世界の人々です。世界の人々の生活を豊かにするために、多様なお客様を理解し、ニーズに応えていかなくてはなりません。そのためには、私たち自身のダイバーシティが重要です。多様な人材がエプソンに集まって、お互いの個性を尊重し、何が大切かをよく考え、行動してこそ、お客様価値の創造ができると考えます。お客様に驚きや感動をもたらす成果を生み出すために、エプソンは女性管理職や外国籍社員の登用などを通じて、多様な人材が能力を最大限発揮できる企業文化の醸成に取り組みます。

取締役 執行役員 人事本部長兼CSR推進室長 川名 政幸

グローバル人材の活躍

エプソンは、時代によって、地域によって、さまざまに異なるお客様のニーズを的確に把握し、誰よりも早く、柔軟に対応するために、世界各国・地域に拠点を整備しています。現在エプソングループでは約76,000人の社員が働いています。

また、「創って作ってお届けする」事業プロセスを、エプソン流の垂直統合型ビジネスモデルにより推進しています。これを実現するためには、多様な人材の活躍が不可欠であり、そのためには事業部と現地法人との間で、方向性や事業方針の共有が重要となることから、事業部、本社などの各組織・各階層においてさまざまな形での交流をグローバルに行っています。

グローバルな人材育成への取り組み

エプソンはグローバルに活躍できる人材の育成を積極的に進めています。

若手社員の海外派遣(日本の取り組み事例)

グローバル人材育成のため、若手社員を積極的に海外現地法人に派遣しています。(トレーニー制度)

海外からの実習生受け入れ

エプソンでは、海外製造拠点から3カ月から1年間の期間にわたって日本に実習生を積極的に受け入れ、現地では学ぶことのできない技能・技術の習得や、事業プロセスに関する理解を深めるための教育プログラムを実施しています。
2018年度は技能実習生・研修生合わせて79人を受け入れ、1988年からこれまでに延べ1,750人余りのグループ社員を受け入れました。
写真は、技能実習生が自ら製作した金型で製造した部品の状態を検査している様子です。

また、最近では、販売現法の若手社員が、自らの業務テーマに関連して事業部メンバーや本社各主管機能との交流を通じて知見を深め、相互理解を促進し、またエプソンやエプソンの価値観に関する認識を深めてもらう活動を行っています。

グローバルミーティングの実施

海外拠点から代表者を集めた各種ミーティング/セミナーを行っています。法務、財務、環境安全などの機能別のものや、IT推進などのグローバルプロジェクトに関するもの、セールスミーティングなど、さまざまなテーマでグローバルに情報共有と意見交換を行っています。

女性活躍

当社は休職、短時間勤務制度の整備やベビーシッター費用への補助など働きやすい環境づくりに注力し、家庭と仕事との両立に向けて、男性よりも女性の勤続年数が長いなど一定の成果が出ています。しかし、国内ではまだ管理職など、意思決定を行う地位への任用において男女差があり、当社はこれを課題と認識しています。今後、ますます女性社員が活躍できる会社になるための取り組みを進めていきます。

取り組み事例

女性活躍推進法行動計画

・新卒採用のうち女性比率25%以上を目標とし、採用活動を行います
・エプソンで長期的にキャリアを形成できるように、さまざまな施策の拡充を図ります
  (対話会の実施、管理職研修、女性向けキャリア研修など)
・在宅勤務の拡大など、柔軟な働きかたについて、検討を進めます

えるぼし

女性の活躍推進に関する状況などが優良な企業として、女性活躍推進法に基づく「えるぼし」の最高位*1を取得しています。
*1 認定は、基準を満たす項目数に応じて3段階あり、五つの基準(採用、継続就業、労働時間などの働きかた、管理職比率、多様なキャリアコース)の全てを満たした場合に、最高位である3段階目の認定を受けることが可能

プラチナくるみん

仕事と生活の両立ができる環境づくりを推進しています。次世代育成支援対策に取り組む企業として、「次世代育成支援対策推進法」に基づく「基準適合一般事業主」に認定されています。

なでしこ銘柄

当社は経済産業省と東京証券取引所が共同で、女性活躍推進に優れた上場企業として選定している「なでしこ銘柄」に、平成30年度2年連続で選定されました。「経営成果を生み出すために、より質の高い女性活躍推進の取り組みが実施されている」と評価されています。

家族見学会

毎年8月に、家族見学会を実施しています。社員の子どもたちが来社し、自社商品の展示見学、プリンターを使ってのうちわ作成、時計の部品組み立て、社員食堂の利用など、エプソンという会社を家族ぐるみでより理解してもらうためのイベントです。

ベビーシッター

会社の費用負担でベビーシッターを利用することができます。

女性活躍推進プロジェクト

「働き続ける」から一歩進んでキャリア形成を希望する社員が男女関係なく活躍できる風土を作るため、女性活躍推進について専門のプロジェクトを立ち上げ、七つのテーマについて、社内有識者で検討しています。併せて、女性活躍推進法行動計画の達成を推進しています。

七つのテーマ

キャリア形成/キャリア相談/両立支援(育児)/両立支援(介護)/社内ネットワーク作り/採用・定着促進/社内外へのPR

目標値

2022年度までに女性管理職比率5%(40人)、女性リーダー級(係長相当)7%(350人)を目指します。

経営層と女性社員との対話会

女性管理職、管理職候補、30歳前後など同じような悩みを持つ社員のネットワーク形成と、相談し合える環境づくりのため、経営と女性社員との対話会を継続開催しています。経営層も対話会に出席することで、現場の声が経営層に届きやすくなり、育児期の在宅勤務や、臨時の託児スペースなど、対話会の中で社員のニーズとして話が出た内容が、実際にトライアルや制度化に結び付いています。

育児介護期の在宅勤務導入

時間制約がある社員に就業の機会を増やすため、育児介護期の在宅勤務を2018年度から実施しています。この在宅勤務制度は、月の上限時間の範囲内であれば、時間単位、1日単位など柔軟な運用が可能となっています。参観日のケースでは必要な時間だけ中断し行事に参加することができるようになり、急な子どもの病気時には、子どもが寝ている時間に最低限の業務が実施できるようになるなど、今までは年休取得が必要な場合でも休務とせず業務時間にあてることが可能となりました。
実施者:育児29人、介護2人(2019年5月時点)

管理職向け支援

組織の力を最大化するダイバーシティ(女性活躍含む)について理解を深めるため、課長以上を全員必須出席とした外部講師による講演会を毎年開催しています。また、女性など時間に制約のある社員に対して、上司が過剰な配慮をすることにより、キャリアアップに資する業務が割り振られない傾向があるため、多様な属性の社員に対して適切な職務付与や動機づけを促す内容を、階層別研修(部長研修、新任課長研修)に盛り込んでいます。
また、管理職層のさらなる意識改革のため、2018年度から、無意識のバイアスに気付いてもらうことや女性社員への効果的な働きかけ方などの内容を盛り込んだダイバーシティマネジメント研修を実施しています。

評価制度

短時間勤務制度の利用が昇進・昇格に影響することがないように、フルタイム勤務者も短時間勤務制度利用者も評価基準は同一としています。そして、それぞれが勤務時間でできる範囲の目標を設定し、達成度合いを評価することとしています。加えて、昇格試験の受験資格を得るために、論文試験と筆記試験を同じ年に一度に受験し合格する必要があり、筆記・論文の準備に相応の時間を要することから、時間に制約のある社員には挑戦が難しいという課題がありました。また受験資格に3年の有効期限があり、受験資格を得た後に育休があると失効してしまうという課題もありました。この課題を克服し、制約のある社員が昇格試験に挑戦しやすい環境をつくるため、受験資格の有効期限を廃止し、各試験項目に複数年かけて合格した場合にも受験資格を付与する制度へ、2018年4月より変更しています。

女性活躍に向けた今後の取り組み

当社は、今後もさらに女性活躍の可能性を広げる活動を展開します。

障がい者の雇用推進と活躍支援

エプソンは、障がいのある多くの社員が活躍しています。そのためエプソンはトイレや駐車場などの設備面での工夫に加え、社内研修や面接時の手話通訳の用意、人工透析のための特別早退制度など、制度面でのさまざまな配慮も行っています。また、障がいのある社員が個々の能力を発揮しやすく、働きやすい職場環境を整えた、特例子会社エプソンミズベ(株)とエプソンスワン(株)を設立し、活躍できる場の拡大を進めています。

国内グループ会社の障がい者雇用率推移


国内グループの障がい者構成

エプソンミズべ株式会社

エプソンミズベ(株)は、障がい者11人、健常者(スタッフ)4人の合計15人でセイコーエプソン(株)の特例子会社として1983年に操業を開始し、以降着実に事業を拡大してきました。
現在では、各種電子機器・精密機器の組み立て・検査・洗浄・梱包、印刷・コピー・製本、カタログ配送、文書電子化、防じん衣クリーニング、ビルクリーニング、使用済みインクカートリッジ仕分け・分解などの幅広い業務に、8拠点で、134人(2019年3月末現在)の障がいのある社員が取り組んでいます。
2008年から展開しているビルクリーニングは、2019年3月時点で5拠点45人の規模に成長・定着し、快適な事業環境の維持に貢献しています。また、2017年からはペーパーラボのアップサイクルモデルラインにおける障がい者雇用機会を拡大し、古紙分類・ペーパーラボオペレーション・DFPを活用した名刺・ノート作成など、環境負荷低減と障がい者雇用促進に取り組んでいます。

基板実装(湖畔)

ペーパーラボアップサイクルセンター(広丘)

使用済みインクカートリッジの仕分け(湖畔)

ビルクリーニング(富士見)


アビリンピック(全国障がい者技能競技大会)での活躍

優れた技能を持ち、その力を仕事で発揮し貢献している多くの障がい者社員がいます。2018年度開催の全国アビリンピック沖縄大会には過去最多の5名(製品パッキング:平林昌也、ビルクリーニング:与曽井瑞穂、電子機器組立:横内庄一、オフィスアシスタント:上條美咲、DTP:市川尚正)が出場し、平林昌也・上條美咲が金賞、与曽井瑞穂が銀賞、横内庄一が銅賞受賞を果たし、働く障がい者の目標となっています。
また、アビリンピックにおいて入賞した4名は、日々技能の研鑽に励んだ功績が讃えられ、2019年5月の長野県優秀技能者表彰において、長野県知事賞(平林昌也・上條美咲)長野県職業能力開発協会賞(与曽井瑞穂・横内庄一)を受賞しました。

全国アビリンピック入賞者
左から:与曽井瑞穂・上條美咲・平林昌也・横内庄一

長野県優秀技能者表彰
左から:横内庄一・与曽井瑞穂・平林昌也・上條美咲

エプソンスワン株式会社

エプソンスワン(株)は、山形県酒田市にある東北エプソン(株)の特例子会社(山形県初認定、現在は、セイコーエプソン(株)の特例子会社)として設立され、2002年3月に操業を開始しました。東北エプソン(株)の構内に拠点を置き、21人(2019年4月1日現在)の障がいのある社員が、防じん衣クリーニング、東北エプソン(株)内のビルクリーニング業務を担当しています。
「就労支援」や「余暇支援」のほか人材育成にも注力し、2018年度はアビリンピック全国大会にもビルクリーニング種目で出場しました。また、エプソンスワン(株)のさまざまな情報を掲載した、スワン広報誌「スマイル」を社内ウェブや紙面にて発信(4回/年)し、社内外とのコミュニケーションを図っています。2019年3月発行分で累計38号となりました。

「スマイル」表紙

上級管理職の選定

エプソンは、「Epson 25」 実現のため、グローバル視点で組織・役割設計・人材をレビューし、事業戦略・環境変化に適応した最適フォーメーションを構築することを目指しています。国内外を問わずグループの重要ポストについては、その役割や要件を明らかにし、 それに対して年齢・性別・国籍などに関わりなく最適な人材候補を選任できるよう、後継者計画を策定し、またそのためのさまざまな仕組みの構築を進めています。

国内では、事業別・機能別に管理職を中心とした人材のレビューを行い、その中から将来の経営層の候補者をリストアップし、後継計画の作成や内部・外部の経営層養成を目的とした研修派遣などを実施しています。また、ビジネスをけん引する人材の育成のため、その母集団となるリーダー層と若年層について、各種研修の受講のほか、ローテーションプログラムを全社で構築し、推進しています。

また、海外の人材については、各現地法人において、将来経営幹部候補者となりうる対象層を定め、その層に属する全ての人材に関して基礎情報を収集しています。また、その中でも特に優秀な人材をグローバルに共通なグレーディングや現地法人との協議により特定し、その人材について、能力や360度評価などによる情報を収集し、将来のキャリアパスや育成について検討を行っています。

これらの活動の結果、現在、海外の現地法人のうち、米国地域統括会社においては現地人材がCEOを務め、北・中・南米の傘下現地法人の経営管理や当該地域の事業オペレーションについて全面的な責任を負っています。また、欧州でも地域統括会社の傘下法人は全て現地人材が責任者を務めているほか、世界各地のいくつかの販売法人、製造法人の責任者にも現地人材の登用が進んでいます。

社員構成・勤続年数・離職率

社員構成