内部統制システム

エプソンは、「経営理念」を経営上の最上位概念として捉え、これを実現するために「企業行動原則」を定め、グループ全体で共有しています。内部統制については、内部統制システムの基本方針で定めており、グループ全体の整備レベルが着実に向上するよう努めています。

グループガバナンス

エプソンは、グループマネジメントの基本を「商品別事業部制による事業部長の世界連結責任体制と、本社主管機能のグローバル責任体制」とし、事業オペレーション機能を担う子会社の業務執行体制の整備に関する責任は各事業部門の責任者が負います。また、グループ共通のコーポレート機能などについては本社の各主管部門の責任者が責任を負うことにより、子会社を含めたグループにおける業務の適正化に努めています。

コンプライアンス・リスクマネジメント

エプソンが目指しているのは経営理念に基づき、全てのステークホルダーの皆様と信頼関係を築きながら、持続的にお客様の期待を超える価値を創造する企業活動を行うことです。この信頼関係を維持・強化するため、経営の透明性・公正性を高め、さらに迅速な意思決定により実効性を踏まえた適切なコンプライアンス・リスクマネジメントを推進しています。2020年度実績として、コンプライアンスに関する適時開示の対象となる問題は発生していません。

コンプライアンス推進体制

コンプライアンス委員会は、取締役会の諮問機関として社外取締役5名全員および常勤監査等委員である取締役1名で構成しています。委員長は常勤監査等委員が務め、コンプライアンス活動の重要事項について審議し、取締役会に報告・提案することにより業務執行を監督しています。コンプライアンス担当役員(CCO)は、コンプライアンスにおける社長を含む業務執行全般を監督・監視し、コンプライアンス委員会にその状況を定期的に報告します。地域統括コンプライアンス責任者(R-CCO:Regional Chief Compliance Officer)は、各国・地域の法令・慣習など社会的要請を加味した実効性あるコンプライアンス活動を推進するため、CCOの指示に従ってCCOを補佐し、担当範囲として定める各子会社におけるコンプライアンス活動を促進・支援します。CCOおよびR-CCOは、定期的に子会社におけるコンプライアンス活動の重要事項の方向付けを行う、R-CCO会議を開催しています。また、コンプライアンス統括部門が、コンプライアンス推進全般のモニタリングおよび是正・調整を行い、活動の網羅性と実効性を高めるよう努めています。
これらのコンプライアンス推進体制は、エプソングループコンプライアンス基本規程で定めています。

コンプライアンス体制図

通報制度・通報窓口

エプソンは、国内グループ会社の役員、社員を対象とした通報窓口「エプソン・ヘルプライン」を、社内と外部の第三者機関に設置しています。具体的な利用方法を「エプソン・ヘルプライン利用の手引き」としてイントラネットに明示するとともに、研修などの機会を通じて社員に周知しています。また、社内では認識できないコンプライアンス問題を早期に把握するため、第三者である取引先などからの通報を受け付ける「取引先通報窓口」を設けて、当社の外部ウェブサイトで明示するとともに、サプライヤー様説明会で説明しています。これらの通報窓口では通報したことを理由に不利益な取り扱いを行うことを禁じる通報者保護を実施し、また通報者を特定できる情報や通報情報は厳格に管理されています。
また、グローバル社員行動規範とエプソングループ通報制度規程においても、全ての国内・海外グループ会社に役員・社員などから通報を受け付ける窓口を開設することを定め、通報情報の厳格な管理と通報者への不利益行為の禁止を定めています。これらの内容はイントラネットで明示するとともに、コンプライアンス月間eラーニングや階層別研修などの機会を通じて社員への啓発・周知しています。

2020年度における国内窓口の受付件数は78件で、前年度から13件増加しました。通報の内容としては、社内ルールへの違反や不正、違法行為の可能性の指摘などがあり、これらについては適切に対処しています。また、「エプソン・ヘルプライン」とは別に具体的な事案別相談窓口を設けることで、相談しやすい環境整備・運用に努めています。

各種相談窓口

全ての海外グループ会社においては、地域ごとまたは会社ごとに社員などからの通報窓口を設置しており、各社の所在する現地語(英語・中国語・インドネシア語など)での利用が可能です。また、「取引先通報窓口」は、多くの海外グループ会社で設けており、サプライヤーを中心とした取引先に説明しています。
海外グループ会社の経営層のコンプライアンス問題について、当社が直接受け付ける「Epson Executive Compliance Hotline」(グローバル通報窓口)を導入し、海外グループ会社の社員に説明を行い、グループ全体の通報制度の網羅性・実効性向上を図っています。


リスク管理体制

エプソンは、子会社を含むグループ全体のリスク管理の総括責任者を社長とし、グループ共通のリスク管理については本社主管部門が各事業部門および子会社と協働してグローバルに推進し、各事業固有のリスク管理については事業部長が担当事業に関する子会社を含めて推進する体制としています。また、リスク管理統括部門は、グループ全体のリスク管理全般をモニタリングおよび是正・調整し、リスク管理活動の実効性を確保しています。
これらのリスク管理体制は、エプソングループリスク管理基本規程で定めています。

リスク管理体制図

そして、会社に著しい影響を与え得る重要なリスクについて、グループ経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを「全社重要リスク」、事業オペレーションに重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを「事業重要リスク」、また子会社の経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを「関係会社重要リスク」として特定し、それぞれ制御計画を立案・実行し、その進捗状況をモニタリングするとともに、制御活動の有効性について、「全社重要リスク」は四半期ごとに、「事業重要リスク」「関係会社重要リスク」は半期ごとに評価し、必要に応じて制御計画の見直し、実効性の確保に努めています。また、社長はリスク管理に関する重要事項を四半期ごとに取締役会に報告しています。

リスク管理サイクル


危機管理

エプソンは、社長を委員長、リスク管理担当本部長を副委員長、本社主管本部長を構成員とする危機管理委員会の構成を平時から定めており、重大なリスクの発現時には、所定の危機管理プログラムに従い、速やかな初動対応をとる体制を整えています。
COVID-19の対応では、危機管理プログラムの定めに従い危機管理委員会を立ち上げ、経営トップの指揮の下、グループ社員・家族の安全確保、感染拡大防止および業務継続を目的に、各国・地域拠点の状況確認、地域感染レベルに応じた具体的な指示や対応を行い、感染防止策の展開などを実施しました。
また、危機管理委員会活動内容については、定期的に社外取締役を含む経営層に対応状況を報告し、経営戦略会議および取締役会にも報告しています。

内部監査

内部監査部門は、リスク管理、内部統制および経営管理方法の有効性、効率性ならびに遵法の観点から、全ての事業部・本部および国内/海外の子会社・関係団体を対象として、自律的内部統制を促進する監査を実施し、顕在化した問題点についてはフォローアップ監査により改善状況を確認することで、経営におけるリスクを極小化する活動を行っています。また、グループガバナンスの観点から、欧州、米州、中国、東南アジアの各地域統括会社の監査部門と連携し、グループ全体の内部監査を統括しています。

監査対象先については、事業部・本部、国内・海外子会社、関係団体すべてを対象に重要性判断を行い、組織体ごとのリスク評価に照らして有効性・効率性をふまえ監査サイクルを定めて毎年選定し、計画的に監査を実施しています。2020年度は、14の監査対象先に監査を実施し、検出した46件の指摘事項に対して具体的な改善助言を行いました。2021年度については71の組織にグルーピングしたうえでリスク評価を行ない、監査対象先を選定して監査を実施します。

財務報告に関わる内部統制

財務報告の信頼性を確保するための内部統制(J-SOX)の監査を毎年実施しています。監査対象の当社事業部および子会社は、内部統制の整備・運用を自己評価し、J-SOX主管部門が評価結果の有効性を担保する「自律分散型」の評価を実施しています。監査対象外の当社事業部・子会社・関連会社は、内部統制の自己点検を実施し改善を行っています。