コーポレートガバナンス

当社は、経営理念に掲げられた目指す姿を実現し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図るため、取締役会員数の1/3以上の独立社外取締役の選任および役員の指名・報酬などに関わる任意の諮問委員会の設置など、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を実現するコーポレートガバナンスの充実・強化に継続的に取り組んでいます。
引き続き、監査等委員会設置会社を採用し、取締役会の監督機能のさらなる向上、審議の一層の充実および経営の意思決定の迅速化を図り、コーポレートガバナンスの実効性をより一層高めていきます。

コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方

当社のコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方は、次の通りです。

  • 株主の権利を尊重し、平等性を確保する。
  • 株主、お客様、地域社会、ビジネスパートナー、従業員を含むさまざまなステークホルダーの利益を考慮し、それらステークホルダーと適切に協働する。
  • 会社情報を適切に開示し、透明性を確保する。
  • 取締役、執行役員および監査等特命役員は、その受託者責任を認識し、求められる役割・責務を果たす。
  • 株主との間で建設的な対話を行う。

コーポレートガバナンスの体制

当社は機関設計として監査等委員会設置会社を採用し、経営の監督・監視機能の強化を図るとともに、経営の監督と業務執行の分離により迅速な意思決定ができる体制を構築しています。
主な経営会議体およびその設置目的は、次の通りです。

取締役会

取締役会は、株主からの委託を受け、効率的かつ実効的なコーポレートガバナンスを実現し、それを通じて、当社が社会的使命を果たし持続的な成長と中長期的な企業価値の最大化を図ることについて責任を負っています。取締役会は、当該責任を果たすため、経営全般に対する監督機能を発揮して経営の公正性・透明性を確保するとともに、経営計画および事業計画の策定ならびに一定金額以上の投資案件をはじめとする重要な業務執行の決定などを通じて、意思決定を行っています。
取締役会は、社外取締役5名を含む11名の取締役*1で構成し、原則として毎月1回および必要に応じ随時開催しています。なお、取締役会の議長については、非業務執行取締役である取締役会長が務めています。取締役会では、経営の基本方針、重要な業務執行に関わる事項など社内規程に定めた取締役会が決定すべき事項について意思決定を行い、取締役会が決定すべき事項以外の業務の執行およびその決定については、業務執行側へ委任を行い、それらの職務執行状況を監督します。当社は、監査等委員会設置会社を採用し、経営判断の迅速化を図り、事業推進における機動性を高めるため、一定金額以下の設備投資の決定などを中心に取締役会から業務執行側への委任範囲を拡大し、取締役会の審議事項はガバナンス、資本政策、コンプライアンス、リスク管理、メガトレンドと中長期的な戦略の審議などをはじめとした重要性の高い議案に限定しています。また、社外取締役の構成比率を3分の1以上とすることを原則とする旨をコーポレートガバナンス基本方針に定め、取締役会の監督機能のさらなる向上を図っています。
*1 2021年6月末時点

監査等委員会

監査等委員会は、株主からの委託を受け、独立した客観的な立場において、取締役の職務の執行を監査・監督し、当社の健全で持続的な成長を確保する責任を負っています。また、監査等委員会は、外部会計監査人の選任に当たってはその候補者を適切に評価するための基準を策定するとともに、選任後もその独立性と専門性を確認します。なお、監査等委員会は、内部監査部門および会計監査人などと連携して監査を実施します。
監査等委員会は、社外取締役である監査等委員3名を含む監査等委員4名*2で構成し、委員長は常勤の監査等委員が務め、原則として毎月1回および必要に応じて随時開催します。
*2 2021年6月末時点

コンプライアンス委員会

コンプライアンス委員会は、コンプライアンス活動が業務執行ラインにおいて適切に執行されることを監督するために、コンプライアンス活動の重要事項について報告を受け審議し、その結果を取締役会へ報告・意見具申することを機能としています。
コンプライアンス委員会は、取締役会の諮問機関として社外取締役5名全員および常勤監査等委員である取締役1名から構成し、委員長は常勤監査等委員が務め、半期ごとおよび必要に応じて随時開催します。
なお、取締役会において、コンプライアンス担当役員(CCO)を選任し、コンプライアンスにおける業務執行全般を監督・監視する体制とし、CCOは、コンプライアンス委員会に対して、コンプライアンスにおける業務執行の状況を定期的に報告します。

取締役選考審議会・取締役報酬審議会

取締役会の諮問機関として、取締役、執行役員および監査等特命役員の選考および報酬に関して、その透明性および客観性を確保することを目的として、社外取締役を主要な構成員とし、人事部門が事務局を担当する取締役選考審議会および取締役報酬審議会をそれぞれ設置しています。
概要は、以下の通りです。

〔構 成〕
取締役選考審議会および取締役報酬審議会は、いずれの審議会とも、全ての社外取締役5名、代表取締役社長および人事担当役員により構成されています。なお、常勤の監査等委員である取締役はオブザーバーとして出席することが可能となっています。
また、2021年6月の取締役会決議により、委員長は社外取締役の中から互選により選任する運用としています。

〔取締役選考審議会の活動状況〕
2020年4月から2021年6月の定時株主総会までの期間に8回開催され、役員(取締役・執行役員・監査等特命役員)の選考方針および候補者案、執行役員選任時期の変更、取締役選考審議会・取締役報酬審議会の委員長などについて審議を行いました。

〔取締役報酬審議会の活動状況〕
2020年4月から2021年6月の定時株主総会までの期間に9回開催され、基本報酬、賞与の個別支給額、業績連動型報酬制度の基本ポイント付与などについて審議を行いました。

経営戦略会議

経営戦略会議は、業務執行側の多様な意見を踏まえた適切な意思決定を行うことを目的とした代表取締役社長の諮問機関です。エプソングループ全体に関わる重要経営テーマおよび取締役会上程事項などに関し、取締役、執行役員および監査等特命役員が十分に審議を尽くす場として設置しています。


役員の指名

株主総会に付議する取締役候補者の指名に当たっては、その透明性および客観性を確保することを目的として、社外取締役を主要な構成員とする取締役選考審議会における公正、透明かつ厳格な審査および答申を経たうえで、取締役会で決定することとしています。

方針

当社の役員の指名に関する基本的な考え方は、次の通りです。

  • 当社の役員は、無私の心・高い倫理観・清廉さを有する者でなければならない。
  • 当社の社外取締役は、その独立性を担保するため、「社外取締役の独立性判断基準」を満たす者でなければならない。なお、「社外取締役の独立性判断基準」は取締役会が定める。

* 当社の社外取締役は、原則として当社以外に3社を超えて他の上場会社の取締役または監査役を兼任しないこととしています。
* 当社は、取締役の取締役会への出席率を年間75%以上確保する方針としています。


手続き

  • 業務執行取締役の候補者および執行役員は、上記方針の他、広い見識、豊富な経験、使命感、責任感、リーダーシップおよび改革を推進する能力などの選考基準から、取締役選考審議会における公正、透明かつ厳格な審査及び答申を経た上で、取締役会で決定します。
  • 非業務執行取締役の候補者および監査等特命役員は、上記方針の他、広い見識、豊富な経験、使命感、責任感、経営に関する知見および専門的知見の有無などの選考基準から、取締役選考審議会における公正、透明かつ厳格な審査および答申を経た上で、取締役会で決定します。なお、監査等委員である取締役の候補者の指名及び監査等特命役員の選任は、監査等委員会の同意を経なければならないとしています。

社外取締役の独立性判断基準

当社は、社外取締役の独立性を客観的に判断するため、以下に掲げる基準を定めています。

  • 以下のいずれにも該当しない場合、当社に対する独立性を有しているものと判断する。

    (1) 当社を主要な取引先とする者(注1)または、その者が会社である場合は最近5年間においてその業務執行者(注2)だった者
    (2) 当社の主要な取引先である者(注3)または、その者が会社である場合は最近5年間においてその業務執行者だった者
    (3) 当社から役員報酬以外に多額の金銭(注4)その他の財産を得ているコンサルタント、公認会計士などの会計専門家、弁護士などの法律専門家(当該財産を得ている者が法人、組合などの団体である場合には、最近3年間において当該団体に所属し、業務執行者に準じる職務を行っていた者)
    (4) 当社の大株主(注5)または、その者が会社である場合は最近5年間においてその業務執行者もしくは監査役だった者
    (5) 当社が現在大株主となっている会社などの業務執行者または監査役である者
    (6) 当社の主要な借入先である者(注6)または、その者が会社である場合は最近5年間においてその業務執行者だった者
    (7) 最近5年間において、当社の法定監査を行う監査法人に所属していた者
    (8) 最近5年間において、当社の主幹事証券会社に所属していた者
    (9) 当社から多額の寄付(注7)を受けている者(当該寄付を受けている者が法人、組合などの団体である場合には、最近3年間において当該団体に所属し、業務執行者に準じる職務を行っていた者)
    (10) 当社との間で、社外役員の相互就任(注8)の関係が生じる会社の出身者
    (11) 上記(1)~(9)に該当する者の配偶者または2親等以内の親族


  • 前項のいずれかに該当する場合であっても、会社法に定める社外取締役の要件を満たし、かつ当該人物の人格、見識、経験などに照らして当社の社外取締役としてふさわしいと考える人材については、その理由を説明および開示したうえで社外取締役として選任することができる。

注1. 「当社を主要な取引先とする者」とは、最近3年間のいずれかの事業年度において、取引先の連結売上高(連結売上収益)の2%以上の支払いを当社から受けた者(主に仕入先)をいう
注2. 「業務執行者」とは、執行役もしくは業務執行取締役または執行役員もしくは部長格以上の上級管理職にある使用人をいう
注3. 「当社の主要な取引先である者」とは、最近3年間のいずれかの事業年度において、当社の連結売上収益の2%以上の支払いを当社に行った者(主に販売先)をいう
注4. 「多額の金銭」とは、その価額の総額が、過去3年間の平均で、個人の場合は年間1,000万円以上、団体の場合は当該団体の総収入の2%以上の額の金銭をいう
注5. 「大株主」とは、総議決権の10%以上の議決権を直接または間接的に保有している者をいう
注6. 「主要な借入先」とは、最近3年間のいずれかの事業年度において、当社の資金調達において必要不可欠であり、代替性がない程度に依存している金融機関その他の大口債権者をいう
注7. 「多額の寄付」とは、その価額の総額が、過去3年間の平均で、年間1,000万円または当該団体の年間総費用の30%のいずれか大きい額を超える寄付をいう
注8. 「社外役員の相互就任」とは、当社の出身者が現任の社外役員を務めている会社から社外役員を迎え入れることをいう


社外取締役の選任理由および取締役会出席状況

氏名 選任理由 2020年度取締役会出席状況
大宮 英明

大宮氏は、三菱重工業株式会社の取締役社長および取締役会長を歴任し、経営者・技術者としての豊富な経験と高い見識を有しています。当社社外取締役として、グローバルかつ重工業という別業種の企業経営に精通した経営者の観点から、経営全般にわたる課題の指摘や提言など積極的な発言を行うことで、経営を適切に監督いただいています。引き続き、同氏の有する豊富な経験と高い見識を活かし、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けて、経営の監督を適切に行っていただくことが期待できるものと判断し、社外取締役に選任しています。

13回/13回(100%)
松永 真理 松永氏は、新規ビジネスモデルの構築や複数の企業における社外役員としての実績があり、豊富な経験と高い見識を有しています。当社社外取締役として、オープンイノベーションの促進などの観点から、経営上の課題の指摘や提言など積極的な発言を行うことで、経営を適切に監督いただいています。引き続き、同氏の有する豊富な経験と高い見識を活かし、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けて、経営の監督を適切に行っていただくことが期待できるものと判断し、社外取締役に選任しています。 13回/13回(100%)
白井 芳夫 白井氏は、トヨタ自動車株式会社、日野自動車株式会社および豊田通商株式会社の取締役を歴任し、経営者としての豊富な経験と高い見識を有していることや、当社における監査等委員である社外取締役としてのこれまでの実績から、引き続き、同氏の有する豊富な経験と高い見識を活かし、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けた、経営の適切な監督および経営の健全性確保に貢献いただくことが期待できるものと判断し、監査等委員である社外取締役に選任しています。 13回/13回(100%)
村越 進 村越氏は、弁護士としての高度な専門的知見を有しています。また、日本弁護士連合会の会長や日本弁護士政治連盟の理事長を歴任するなど法曹界における豊富な経験を有していることから、同氏の有する豊富な経験と高い見識を活かし、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けた経営の適切な監督および経営の健全性確保に貢献いただくことが期待できるものと判断し、監査等委員である社外取締役に選任しています。 10回/10回(100%)

大塚 美智子

大塚氏は、公認会計士としての高度な専門的知見を有しています。また、上場企業における社外役員としての実績と高い見識を有していることから、同氏の有する豊富な経験と高い見識を活かし、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けた経営の適切な監督および経営の健全性確保に貢献いただくことが期待できるものと判断し、監査等委員である社外取締役に選任しています。 10回/10回(100%)

* 村越進氏および大塚美智子氏の取締役会への出席回数は、2020年6月25日の定時株主総会での選任以降に開催された10回について集計しています。

後継者計画

当社は、社外取締役を主要な構成員とする取締役選考審議会において、後継者計画の充実および役員の指名プロセスを検討し、ロードマップの確認、候補者の選出、育成計画の策定・実施、候補者の評価・絞り込み・入れ替えなどのプロセスを確認しています。
また、次世代の経営を担う人材を計画的に育成するため、経営層の後継候補者となる人材を選抜し、その育成状況を把握したうえで、代表取締役社長の諮問機関である人材開発戦略会議において具体的な人材育成プランを検討のうえ実施しています。育成状況と課題は、取締役選考審議会に報告され、社外取締役の監督と助言を受けることにより活動の一層の充実を図っています。特に代表取締役社長の後継候補者の育成に当たっては、上記活動を通じて候補者の明確化を図り、経営上重要な役割への任用をはじめ、必要なトレーニング機会の提供などの育成を行っています。

取締役に対して特に期待する分野

当社は、取締役会の審議が多面的かつ適切に行われるためには、取締役会の多様性を確保することが有用であると考えています。そのため、取締役選任については、性別、人種・民族性、出身国・国籍・文化的背景、年齢等の区別なく、また、個々の知識・経験・能力を踏まえ、多様な人材によりバランスよく取締役会を構成することを基本方針としています。
現在の取締役会はこの方針に基づき構成されており、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けて、経営理念、長期ビジョンを実現するための経営体制を明確にしています。
当社が各取締役に対して特に期待する分野・スキルは、次の通りです。

* 特に期待する分野を三つまで記載しています。

役員の報酬

役員報酬の決定に当たっては、その透明性および客観性を確保することを目的として、社外取締役を主要な構成員とする取締役報酬審議会における公正、透明かつ厳格な答申を経たうえで、株主総会、取締役会または監査等委員会で決定することとしています。

方針

〔業務執行を担当する役員の報酬〕
1. 短期および中長期にわたる企業価値の向上を図るために、業績向上への意欲を高めるものであること
2. 社内外から優秀な人材の確保が可能な水準設定であること
3. 在任期間中に持てる経営能力を最大限発揮しうるよう、期間業績に対応した処遇であること

〔業務執行を担当しない役員の報酬〕
1. 経営全般の監督機能などを適切に発揮できるよう、独立性を担保できる報酬構成であること
2. 社内外から優秀な人材の確保が可能な水準設定であること

報酬体系

当社の役員報酬体系は、固定報酬および変動部分から成る「基本報酬」、業績連動報酬等である「賞与」および業績連動報酬等かつ非金銭報酬等である「株式報酬」から構成されます。なお、業務執行を担当しない役員については、業務執行より独立した立場から、経営全般の監督機能などを果たすという役割に鑑み、「基本報酬」は固定報酬のみ支給しており、また、業績および株価と連動した報酬である「賞与」および「株式報酬」は支給していません。

基本報酬(固定・変動)
役員としての責務、役位などを総合的に勘案して決定される毎月の金銭報酬です。基本報酬のうち、変動報酬部分に関しては、業務執行を担当する役員について、それぞれの役割に応じた評価項目に基づく年間のパフォーマンス結果を反映させています。(変動幅:±20%)

賞与(変動)
業務執行を担当する役員に対して支給がなされ、単年度の業績目標の達成度などに応じて決定される年1回の金銭報酬です。一定の事業利益額に達しない場合には支給されないこともあり得ます。それぞれの役割に応じた評価項目に基づく年間のパフォーマンス結果を反映させています。(賞与月数変動幅:±1.2ヵ月)
賞与の金額は、取締役会があらかじめ定めた算定基準に基づいて算出されますが、短期インセンティブという賞与の性質上、単年度の事業利益額をベースに非経常的な損失の発生などを加味しています。
賞与の支給額は、取締役会であらかじめ定めた算定基準に基づき、基本報酬月額に、上記業績指標の達成度に応じて定められる一定の月数を乗じて算出しています。なお、株主総会にて最終的な支給額を決定し、透明性を確保しています。

業績連動型株式報酬(変動)
業務執行を担当する役員に対して、信託スキームを用いて当社株式交付の形で支給がなされる株式報酬です。本制度は、連続する3事業年度を対象期間とし、当社は、対象期間ごとに合計500百万円を上限とする金員を、本制度の対象の役員への報酬として信託に拠出します。当該信託は、信託された金員を原資として、対象期間ごとに300,000株を上限(株式分割・株式併合等が生じた場合には、比率に合わせて当該上限株数が変動する。)に当社普通株式を株式市場または当社(自己株式処分)から取得します。信託期間中の毎年7月に役位などに応じた基本ポイントが付与され、当社の中長期的な業績目標の達成度に応じた業績係数を当該基本ポイントに乗じることで、ポイント数が変動します(ポイント数の1年当たりの総数の上限は100,000ポイントであり、1ポイント1株です。)。原則として、基本ポイントの付与日から3年経過後に、当社の事業利益、ROSおよびROEなどの中期的な業績目標の達成度などに応じた業績係数を乗じた後のポイント数に相当する当社普通株式の約50%について信託から交付され、また残りについては、源泉所得税等の納税資金に充当することを目的として、当社普通株式の換価処分金相当額の金銭等が支給されています。
なお、基本報酬に対する株式報酬の割合は、役位に応じて10%から22%となることを基本としつつ、交付される株式数が対象期間(3年)中の業績指標の達成度に連動して増減する仕組みとしています。
本株式報酬制度において、役員に法令、当社規程・基準および関連内規に違反する行為などがあった場合、株式交付を受ける権利を喪失させることや、交付済みの株式相当額の返還を請求することなどができる仕組み(マルス・クローバック)を導入しています。
当社は、業績指標に基づく業績連動報酬等が取締役に対する適切なインセンティブの付与となるようにするため、また、持続的な成長と中長期的な企業価値向上へのコミットメントを示すことを目的として、定量的評価(事業利益、ROS、ROE、営業キャッシュフロー)および定性的評価を指標としています。定性的評価は、前中期経営計画における業績目標達成に向けた戦略の進捗、為替変動の影響額、ESG経営の進捗状況(環境評価、CSR調査ランク、取締役会の実効性評価など)などの評価項目に基づき行われています。


取締役の報酬などの額(2020年度)

(単位:百万円)

役員区分 支給人員
(名)
基本報酬 変動報酬 合計

固定

(金銭)

変動

(金銭)

賞与

(金銭)

株式報酬

(非金銭)

監査等委員でない取締役
(うち社外取締役)
8 290 9 76 24 400
(2) (28) (-) (-) (-) (28)
監査等委員である取締役
(うち社外取締役)
6 81 -  - - 81
(5) (48) (-) (-) (-) (48)
合計 14 372 9 76 24 482


* 報酬と株主価値との連動性を高める観点から役員持株会制度を導入しており、任意で基本報酬の一部を当社株式の取得に充てています。なお、取締役会において決定する内規により、自社株式の保有基準を定め、株主の皆様に対して経営への責任姿勢を示すこととしています。
* 上記の支給額には、2021年6月25日開催の定時株主総会に付議予定の取締役賞与支給議案が承認された場合の取締役賞与76百万円(代表権を有さない取締役会長、社外取締役および監査等委員である取締役を除く取締役5名に対する支払予定額)を含みます。
* 当社は、株主の皆様との利益共有意識を強化するとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値向上へのコミットメントを示すことを目的として、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託と称される仕組みによる業績連動型株式報酬制度(株式報酬)を導入しています。上記の株式報酬には、当期に付与された株式交付ポイントに係る日本基準による費用計上額を記載しています。
* 上記の支給人員数には、2020年6月25日開催の定時株主総会終結の時をもって退任した監査等委員である取締役2名を含みます。
* ストックオプションは付与していません。

取締役会の実効性評価

当社の取締役会は、コーポレートガバナンス基本方針に基づき、毎年、取締役会全体の実効性について分析・評価を行っています。

<取締役会実効性評価の年間サイクル>
評価の実施:2~3月
評価結果分析および課題抽出:4~5月
コーポレートガバナンス報告書による課題の開示:6月
取締役会への中間報告(課題に対する対応について):10月
取締役会への最終報告(課題に対する対応について):翌年2月
コーポレートガバナンス報告書による対応結果の開示:翌年6月

2019年度を対象とした取締役会実効性評価

取締役全員を対象とした以下の項目のアンケートを実施し、実効性について分析・評価を行いました。

(1)取締役会の構成・機能・運営
(2)監査等委員会の機能
(3)任意の委員会の機能・運営
(4)経営陣の評価・報酬・後継者計画・トレーニング
(5)株主との対話
(6)その他

その結果、取締役会全体の実効性が確保されていることを確認しました。そのうえで、今後も実効性を高めていくための課題を以下のように整理し、対応しました。

① 経営戦略上の「リスク・機会」の整理・開示に関してさらなる向上を図ること
当社における経営戦略上のリスクを再定義し、リスク項目を具体化のうえ事業戦略との関連性を明確にしました。また、リスク管理の実効性をさらに高めるための管理プロセスを整理し、2021年より適用しています。
また、当社ウェブサイトにおいて、「ペーパー需要」変動リスクに対する当社見解を開示したほか、「統合レポート2020」において、コロナ禍による社会変容に対する当社の「リスク・機会」を明示しました。
【「ペーパー需要」変動リスクに対する当社見解】
https://www.epson.jp/SR/tcfd/
【コロナ禍による社会変容に対する当社の「リスク・機会」】
https://www.epson.jp/IR/library/integrated_report.htm
今後も、社会環境、競合環境なども含めた総合判断のもと、リスク管理項目のさらなる開示範囲拡充を継続検討します。

② 事業ポートフォリオ管理の考え方の整理・開示に関してさらなる向上を図ること
当社の事業ポートフォリオ管理について、製品ライフサイクルに合わせた事業領域の位置付けを「新領域」「成長領域」「成熟領域」の三つに大別しました。その位置付けに合わせた資金配分および目標設定を行い、PDCAサイクルを回すとともに、事業間シナジーを勘案しながら事業の方向性を判断する、という考え方を整理のうえ、2021年3月発表の「長期ビジョンEpson 25 Renewed」において明示しました。
また、事業ポートフォリオ管理の取り組みの一環として、2021年4月に、ICテストハンドラー事業を兼松株式会社に譲渡しました。
創出したキャッシュは、成長領域・新領域や環境関連を中心とした成長投資に優先的に配分します。そのうえで、継続的・安定的な株主還元および財務体質の健全化を実施します。

2020年度を対象とした取締役会実効性評価

2020年度を対象とした取締役会実効性評価は、より客観的な視点を取り入れるため、アンケートの作成から分析・評価の一連のプロセスにおける第三者機関の評価・意見を踏まえたうえで実施しました。そのうえで、今後も実効性を高めていくための課題を以下のように整理しました。

① ダイバーシティに関する取り組みを推進すること
② DXに関する取り組みを推進すること

今後、これらの課題に対応していくことにより、一層の実効性向上に努めます。

当社株式の大量取得行為に対する対応

当社は、コーポレートガバナンス基本方針において、以下のとおり定めています。

  • 当社の財務および事業の方針の決定を支配することが可能な数の株式を取得する買付提案(以下「大量取得行為」という。)に応じるか否かは、最終的には株主の意思により判断されるものとする。
  • 当社は、当社株式の大量取得行為を行おうとする者に対しては、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上する観点から、当該大量取得行為の是非を適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求めたうえで、当該大量取得行為に対する当社取締役会の意見などを開示することで、株主の皆様が当該大量取得行為の是非を検討するために必要な期間および情報の確保に努めるほか、金融商品取引法、会社法その他関連法令に基づき、適切な措置を講じる。