CSR・環境

エプソンのCSRとSDGs

外部有識者とのコミュニケーション

(株)伊藤園 笹谷 秀光氏とのダイアログ

2018年2月に、CSRに関する有識者とのダイアログを行いました。当日は、第1回ジャパンSDGsアワード「SDGsパートナーシップ賞(特別賞)」を受賞された(株)伊藤園より常務執行役員CSR推進部長(当時、現在顧問)の笹谷 秀光氏(写真中央)を当社にお迎えし、当社 取締役 執行役員 人事本部長 兼 CSR推進室長 川名 政幸(写真右)およびCSR推進室部長 三原 彰(写真左)がお話しを伺いました。

笹谷氏は、農林水産省を退官された後、(株)伊藤園において長きにわたりCSR推進活動に携わられ、(株)伊藤園の第1回ジャパンSDGsアワード受賞に多大な貢献をされました。笹谷氏が(株)伊藤園において取り組まれた活動と、SDGsアワード受賞に当たっての評価項目についてお話しいただきました。

川名エプソンは、企業として取り組むべき「CSR重要テーマ」とSDGsとの関連性を整理しました。さらに、事業を通じたSDGsへの貢献を明確にして進めていきます。
笹谷氏エプソンにおける事業を通じた貢献の一つとして、乾式オフィス製紙機「PaperLab(ペーパーラボ)」と大容量インクタンク搭載インクジェットプリンターによって、世の中がどう変わるかを考えたらどうでしょうか。また製造業のSDG Industry Matrix(産業別SDG手引き)の事例なども参考に、エプソンの技術をベースに、世界にどのような貢献ができるかを考えてみると良いでしょう。

川名当社もそうですが、日本企業は世界に向けて非常に良い取り組みを行っているのに、欧米企業のようにうまくアピールすることができていません。
笹谷氏最近は、自発的・自主的な取り組みが増えており、例えば、「コーポレートガバナンス・コード」の対応は、Comply or Explain、つまり「ルールに従え(comply)、従わないのであればその理由を説明せよ(explain)」というものであり、これには欧米企業の方が慣れています。日本企業もそのようなルールに慣れていく時期に来ていると思います。日本にはもともと「三方よし」という「相手」や「世間」を大切にする商文化が根付いていますが、やっていることを積極的に発信する、いわば「発信型三方よし」に切り替えていくべきではないでしょうか。

川名欧州での取引やESG投資の調査において、当社の活動のさらなる開示を求められています。
笹谷氏SDGsをCSR/CSV経営に組み込み体系化して示していくことが投資家からも求められています。そのためにはパッケージとして戦略全体を見せ、価値創造のストーリーを語ることが重要です。社会からどのような開示を求められているかを検証した上で、レポートに載せるべき項目や開示していくべき項目を定めて取り組むと良いでしょう。伊藤園では2017年統合レポートでESG投資家も意識してESG/SDGsの体系と価値創造モデルを示しました。このほか伊藤園では幅広い関係者・社員向けの別冊版として映画のパンフレットのように読みやすい形式にしたコミュニケーションブック「お茶にまつわる7つのストーリー」を作成し定番資料化しています。こちらも好評を得ています。

川名御社は昨年の第1回ジャパンSDGsアワードで見事に「SDGsパートナーシップ賞(特別賞)」を受賞されました。民間企業のアワード受賞は4社のみです。SDGsへの取り組みにおけるポイントを教えてください。
笹谷氏SDGsの推進で重要なポイントは、アワードの評価基準である以下の5項目です。

  • 普遍性:他のモデルとなりうるか。関係者に広く浸透し、応用が可能か。
  • 包摂性:誰一人取り残さない、あらゆる人々への配慮をしているか。
  • 参画型:いろいろな人が参画し、イノベーションを起こしているか。
  • 統合性:経済、環境、社会の3つを統合しているか。
  • 透明性と説明責任:取り組み内容を定期的にチェックし、その結果を公開しているか。

これらの点を明確にして取り組みを進めていく必要があります。
伊藤園では調達~製造~商品企画~営業・販売を通じ、「茶畑から茶がらまで」バリューチェーン全体での取り組みをSDGsに関連付けています。

2017年度の第1回SDGsアワードには280件の応募があったそうです。その後、各企業や団体のSDGs達成に向けた活動が拡大しています。各企業はSDGsの事業へのひも付けを行い、取り組みが本格化してきており、2018年は日本でSDGs「実装」元年になると考えています。
また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおける調達や運営のルールはSDGsを踏襲しており、五輪以降はその仕組みが定着し、スタンダードになります。五輪は、世界中の人たちに日本の良さや技術をショーケースとして視察できる機会も提供します。御社のペーパーラボとラインインクジェットプリンターは技術力と創造性の結晶であり、SDGs目標9「技術と産業基盤」の代表例として必ずやその呼び水となるはずです。


エプソンはSDGsへの貢献について、これからも多くの有識者の方と意見交換を行い、エプソンの活動に反映させていきます。

笹谷 秀光氏

CSR/SDGコンサルタント/(株)伊藤園顧問/日本経営倫理学会理事、グローバルビジネス学会理事、サステナビリティ日本フォーラム理事/学校法人千葉学園評議員/宮崎県小林市「こばやしPR大使」/地方創生まちづくりフォーラム「まちてん」実行委員長(2016,2017)
【略歴】
東大法卒。1977年農林省(現農林水産省)入省。フランス留学、外務省出向(在米国日本大使館一等書記官)。環境省大臣官房審議官、農林水産省大臣官房審議官、関東森林管理局長を経て、2008年退官。同年(株)伊藤園入社、2010年-2014年取締役。2014年-2018年4月まで常務執行役員CSR推進部長。2018年5月より(株)伊藤園顧問。