CSR・環境

エプソンのCSRとSDGs

CSRコミュニケーション

エプソンは、ステークホルダーの皆様にCSR活動に関する情報を伝えるだけでなく、ステークホルダーの意見に耳を傾け、企業活動に反映させています。そのために、適切な手段を使いステークホルダーとの双方向のコミュニケーションを行い、CSR活動の質向上に役立てています。

笹谷氏と当社取締役髙畑との対談

2020年8月に、ESG/CSRの有識者との対談を行いました。
当日は、千葉商科大学基盤教育機構教授でCSR/SDGsコンサルタントの笹谷 秀光氏と、当社 取締役 執行役員 DX推進本部長(当時経営戦略本部長、サステナビリティ推進室長を兼任)髙畑 俊哉がオンラインにて対談を行いました。
笹谷氏は、農林水産省を退官された後、(株)伊藤園において長きにわたりCSR推進活動に携わられ、(株)伊藤園の第1回ジャパンSDGsアワード受賞に多大な貢献をされました。現在は千葉商科大学基盤教育機構の教授を務められています。


高畑 著書「SDGs経営」を読ませていただきました。
私は、ずっとプリンターの開発を担当しており、その後知的財産本部を担当しました。特許や商標などを権利化していくが、これも経営に結び付いています。それがSDGsとどう関係があるかというと、イノベーションに関しては、特許権は有効に活用されます。例えば、ピエゾインクジェット技術に関しては、当社は世界で最も特許権を持っています。これは前社長の碓井(現当社会長)が、環境のためになる、世の中のためになると開発し続け、長年積み重ねてきました。それを商品として提供し、その結果知財権も獲得し、会社の基盤を作り上げてきました。そのために、当社の知財もSDGsの9番を付けて活動しています。こういう理解でよいでしょうか。

笹谷氏 この理解でよいと思います。会社の経営理念から特許権とか信頼とか技術、ネットワーク力といった無形資産がいっぱい生まれます。これを社内でワンボイスにし、大事なこととして皆で共有して、ブランドイメージのよりどころとすることでエプソンらしさが芽生えます。それが芽生えた時に、経済価値のチャンスにどう活かせばいいのか、技術をどう活かすのかを考えます。その結果、インクジェットプリンターや、PaperLabなどといった具体的な商品に結び付いています。これらの商品についてSDGsを使って共感を呼ぶコミュニケーションを行い、企業のブランドをリデザイン、改めてデザインし直して企業価値を高めて、企業としての思いを改めて商品を通じて訴えるとよいです。

エプソンさんが、CSR重要テーマとSDGsとの関連性を表したマトリックスを発信して3年目。注目が高まる可能性が高いです。ESG投資家はSDGsへの貢献度をベンチマークにし始めており、小数点のターゲットまで見るようになっています。エプソンさんはターゲットまで示した第一人者で、他の企業が追いかけています。エプソンさんのマトリックスはESGで整理し、17目標を全部検証したという網羅性のある見せ方をしているので、これを世界的にも訴求し社内外に発信してリアクションを受けとめる時期に来ています。ブランドのリデザイン、そのツールとしてのESG/SDGsマトリックスの効用を使って発信性を高めていくとよいです。

高畑 先生の本にも近江商人の話があるが、発信型三方よしですね。
エプソンはコツコツと真面目にやればいい、という文化であるが、よいことをしっかりとやっていることをアピールしていきたいです。PaperLabや商業・産業向け大判プリンターなどもSDGsをきちんと理解していただくことにより、実質的なビジネスにもつながると思います。ところで、当社は昨年10月にTCFD提言について賛同の宣言をし、情報開示を拡充しています。今回定性情報として方向感の開示をしました。さらに定量的なものを今後開示していきたいです。TCFDはまだ手探りで、業界でもまだ参考になる開示の仕方は見当たらなかったのでどうやっていったらよいかと悩んでいます。

笹谷氏 イニシアチブに参加したことは大変よいことです。どんどんそういうことをやっていることをアピールしていってもらいたいです。日本企業の発信性がまだ弱く、やっていることをしっかりと打ち出す。打ち出すのは何となく心配だが、慎重にきちっと検証した内容はできるだけ多く、できるだけ早く出す。世界の比較できる企業の様子を見て、それとの差分がないようにウオッチする必要があります。
イニシアチブはできる人ができるところからやる、逆に言えばやってもやらなくてもよい。日本の企業はやらなくてもいい方になびくが、ヨーロッパの企業はやるので、差が付きます。既にヨーロッパ系やカリフォルニア系の企業に置いていかれる可能性があるので、一刻も早く世界に遅れないようにしなければなりません。

今回TCFDに着手して定性情報を出したのはよいことです。資本市場の様子を見ながら、できるだけ踏み込んで開示していくとよいと思います。

髙畑 データなどの信頼性は担保したうえで、自分たちのやりたいこと、やることをしっかりアピールしていく、という視点でもう一回見ていくとよい、と改めて勇気づけられました。ものづくりを基盤にしている会社なので、事実に基づき信頼性を担保する、という形で硬くなりがちだが、アピールするところはちゃんとやっていきたいです。

笹谷氏 私は、今のWith COVID-19のような時期こそ、サステナビリティ系のことをきっちりと発信していく必要性が高いと考えています。SDGsに寄せて話すと、政府の方針は、(1)Society5.0、(2)地方創生・DXへの関与、(3)次世代と女性活躍推進です。この三つを中長期戦略では落とさないように、主軸に入れるとよいと思います。

髙畑 私はDX(デジタルトランスフォーメーション)も兼務しているので、地方創生という観点で可能性があると考えています。これまでは都市への集中が進んでいるが、Web会議などが進んで情報が今以上に流通すると、場所の制約がかなり減ります。そう考えた時に、私たちはまだまだ社会課題をいっぱい解決できると考えています。教育場面でのプリンターの活用とか、プリンターを売るというよりもプリンターを活用してどうやって課題を解決するかという視点で、ソフトウエアやデジタルの力を使ってやれることがいくらでもあると思っています。この7月に会津若松で、データと当社デバイスをいろいろな観点で扱う実証実験をDX推進本部の中で始めています。そういった視点でデータドリブン経営も牽引していきたいと思っていますし、それがサステナビリティにつながっている、と笹谷さんのお話を伺って実感できました。

笹谷氏 現在、次なる著作を書いているが、内容は自治体のSDGsについてです。スーパーシティというのがあります、スーパーシティはSDGsで展開する。規制緩和をしてICTとつなぐ。例えば遠隔医療だとか遠隔教育だとか、規制緩和をして、データをシームレスにつないで、都市OSを展開して一気に実装させ、未来の街づくりに活かします。エプソンさんが活躍できる余地は非常に高いスキームです。私は未来まちづくりフォーラムの実行委員長を務めているが、それもスーパーシティをテーマにしていこうと思うので、よろしければ来年2月のフォーラムにご登壇いただき、ぜひアピールに使っていただきたいです。

髙畑 ぜひそういう観点で露出もしながら、エプソンのことを皆さんに理解してもらう活動をやっていきたいと思います。

笹谷氏 今後も御社のさらなる発展に向けて、今日の議論を活かしてしていただければ、と思います。

笹谷 秀光氏

千葉商科大学基盤教育機構教授、CSR/SDGsコンサルタント、日本経営倫理学会理事、グローバルビジネス学会理事、サステナビリティ日本フォーラム理事、宮崎県小林市「こばやしPR大使」、文部科学省青少年の体験活動推進企業表彰審査委員、未来まちづくりフォーラム実行委員長
【略歴】
東大法卒。1977年農林省(現農林水産省)入省。フランス留学、外務省出向(在米国日本大使館一等書記官)。環境省大臣官房審議官、農林水産省大臣官房審議官、関東森林管理局長を経て、2008年退官。同年(株)伊藤園入社、2010年-2014年取締役。2014年-2018年4月まで常務執行役員CSR推進部長。2018年5月-2019年4月(株)伊藤園顧問を経て退社。2019年4月より社会情報大学院大学客員教授。2020年4月より千葉商科大学基盤教育機構教授。

サステナブル・ブランド国際会議に協賛・出展

「サステナブル・ブランド国際会議*12020横浜」に協賛・出展

エプソンは、2020年2月19~20日に開催された「サステナブル・ブランド(SB)国際会議2020横浜」の趣旨に賛同し、2年連続協賛しています。
横浜会議「基調講演」のCTOパネルディスカッションにおいて、当社社長(当時常務)の小川がCTO(最高技術責任者)の立場で「社会課題解決のためのイノベーションをどう生み出すか」と題したパネルディスカッションに登壇しました。小川は、「私たちは技術の会社で、技術開発を先行させて、できたものをプロダクトアウトで考える時期があった。しかし、現在はそういう時代ではない。現在は、まず将来実現したい世界をしっかりと描いて『どんな世の中にしたいか』をベースに、バックキャスティングして、技術開発していこうという考え方に変わってきている。この考え方に基づいて、社会課題に対して、どう解決していくかがとても重要である」とアプローチの仕方について話しました。また、パネルディスカッションのまとめとして、1社ではできることには限りがあり、外部と連携したオープンイノベーションは、今後さらに重要になってくると締めくくりました。
また、エプソンブースでは、使用済みコピー用紙を原料としてその場で新たな紙を再生産できるPaperLabの動作展示やプロジェクターを用いた遠隔オフィス・遠隔教室の実演を行い、社会課題を解決するためのエプソンの提供価値を訴えました。

*1 サステナビリティ(持続可能性)に関する世界最大級の国際会議です。経営戦略に「サステナビリティ」の考えを取り入れることが、企業の競争力とブランド価値を高める上で重要であるという共通認識の下、2006年に米国でスタートしました。2019年度は13カ国14都市で開催されています。

 

「サステナブル・ブランド国際会議2019ソウル」に協賛・出展

エプソンは、持続可能な社会を実現するために、サステナブル・ブランド国際会議のネットワークを通して、CSRコミュニケーション活動のグローバル展開を進めています。その一環として、Epson Korea Co., Ltd.(EKL)は、2019年10月18に開催された「サステナブル・ブランド国際会議2019ソウル」に協賛・出展しています。
ソウル会議の「Good Supply」セッションに登壇したEKLのShibusawa Yasuo CEO(最高経営責任者)は、SDGsの実現に向けて、エプソンの環境活動と商品・サービスを通じて社会課題を解決するためのエプソンの提供価値を訴えました。また、その価値提供の実現に向け、登壇者・来場者の皆様と白熱した議論が繰り広げられる中で、EKLへの貴重なご意見と期待をいただきました

日台経済貿易永続フォーラムに参加

2019年9月に台湾台北国際会議センターにおいて「2019日台経済貿易永続フォーラム」が開催されました。このフォーラムには台湾および日本の経済団体、企業や学生など390人余りが参加し、経済貿易の持続的な成長に向け、SDGs達成に向けての日台双方の経験を共有して交流を図りました。
双方の経済団体代表による基調講演に続いて、ケーススタディー「グリーントレードがもたらす新たなチャンス」に当社CSR担当役員の川名が登壇しました。川名は、「エプソンのグリーンイノベーション~独創の「省・小・精の技術」で持続可能な社会を実現する」と題し、SDGsの実現に向け、インクジェットイノベーションと乾式オフィス製紙機PaperLab A-8000による環境配慮型オフィスの事例を紹介しました。また9月26~28日に台北ワールドトレードセンターで開催される「台湾国際循環経済展」において、PaperLab A-8000を展示することを紹介するとともに、再生した紙で作製したノートを配布しました。会場の参加者からは、SDGsに貢献するエプソン製品は大変興味を持って受け止められました。

地域住民

地域住民との意見交換会

当社およびグループ会社では、拠点を置く各地域の皆様を招いて、意見交換会を実施しています。当社の事業、環境活動やリスク管理体制について理解を深めていただくと同時に、積極的に地域のニーズや課題をお聞きし、良好な信頼関係の構築に努めています。
2019年6月、諏訪南事業所と富士見事業所二つの拠点を置く長野県富士見町の町長をはじめ地域役員の方々をお招きし、懇談を行いました。3LCDパネルの製造工程を視察いただいたり、事業所近隣交差点の渋滞や横断歩道の照度、町のプロモーション事業やふるさと納税、住民定住などのテーマにつき、地域と会社双方の発展につながる活発な意見交換を行いました。

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