エプソンの環境活動

2025年に目指す姿

2025年に目指す姿

長期ビジョン Epson 25 環境ステートメント

エプソンは、商品の環境性能の向上や製造・輸送・販売活動などの事業活動において、さらに環境負荷低減を進めてまいります。また、エプソンの独創の商品で、従来とは異なる業務プロセスをお客様に提案し、環境負荷を低減しながら経済発展をしていただくことで、お客様とともに地球環境保全に貢献します。

温室効果ガス(GHG)削減に向けて

2015年のパリ協定において、世界の平均気温の上昇幅を産業革命前から2℃未満に十分に抑えるという世界共通の長期目標(2℃目標)が定められました。この「2℃目標」と「Epson 25」の実現に向けて、エプソンのバリューチェーンにおける中長期のGHG削減目標を以下の通り設定しています。これは、科学的な知見と整合した削減目標として、SBTイニシアチブ(Science Based Targets initiative)の承認を受けています。

GHG削減目標

スコープ1+2 2025年度までに2017年度比でGHG排出量を19%削減
スコープ3 2025年度までに2017年度比で事業利益当たりのGHG排出量を44%削減
<対象>
カテゴリー1:購入した物品・サービス
カテゴリー11:販売した製品の使用

スコープ1:事業者の燃料などの使用による直接排出
スコープ2:電力などのエネルギー起源の間接排出
スコープ3:自社バリューチェーン全体からの間接的な排出


SBT達成シナリオ

事業活動に伴う排出量(スコープ1、2)と、その他の間接的な排出量(スコープ3)の2025年度の削減目標を達成するため、お客様やパートナーの共感を高めながら、環境配慮型商品・サービスの提供による事業成長と企業価値向上の実現に取り組んでいきます。

スコープ1、2排出量削減の取り組み

社内組織を横断するSBT達成プロジェクトの下、省エネルギー専任者の選出や、モデル拠点での削減施策の検討や共有を行うことで、目標達成の実現性を高めています。

排出量削減の主な施策

  • 生産革新
  • 設備更新(投資):基礎設備、除害装置、太陽光発電など
  • 再生可能エネルギー活用:低炭素電力の調達
  • その他:電力会社のGHG排出係数改善など




再生可能エネルギーの活用

Epson 25の実現に向けて、成長戦略に連動した生産増に伴うエネルギー使用量の増加が見込まれています。そのような見通しの状況下での目標達成に向け、各事業・各拠点での着実な削減活動とともに、再生可能エネルギーの活用も進めています。2018年度に、インクジェットプリンターのコアデバイスであるPrecisionCoreプリントヘッドの前工程を担う新工場の稼働を契機に、再生可能エネルギー(低炭素電力)の導入拡大を決定しました。この低炭素電力の長期調達契約や、海外拠点のオンサイト発電により、同年度の使用エネルギーの約12%が再生可能エネルギーとなり、グループ全体のスコープ2排出量の削減が進みました。

気候変動の取り組みはこちら

カーボンプライシングの取り組み

企業や家庭など、社会の広範囲にわたり炭素の排出に対して価格を付けることにより、削減のための活動やイノベーションへの期待が高まっています。エプソンは2018年度に、カーボンプライシングの考えを取り込んだ、投資判断の仕組みの試行を社内で開始しました。この情報をもとに経営判断を行った結果、低炭素電力の導入拡大を決定しています。
今後は、気候関連問題対応のための投資を意思決定する、組織としてのプロセスを構築し、事業部ごとのパフォーマンスを定量化して、脱炭素対策実施へのインセンティブを高める仕組みにすることが課題となっています。

スコープ3原単位削減の取り組み

エプソンのCSR重要テーマのうち、最重要項目の一つに「製品・サービスを通じた環境貢献」を挙げています。エプソンのスコープ3排出量のうち最も多いのは、お客様の電力使用に当たるカテゴリー11、次いで原材料の調達段階に当たるカテゴリー1です。
Epson 25では、環境価値を提供し、お客様とともに環境負荷を低減することを目指しています。各商品ジャンルで商品価値と連動した⽬標(指標)を設定し、最終的に経営指標と連動した事業利益当たりのスコープ3排出量を削減していく野心的な目標を掲げています。

環境貢献量

エプソンのインクジェット技術は、印刷時に熱を使わないため電力消費が抑えられ、消耗品や定期交換部品の少ない、省資源化を実現した技術です。このため、レーザープリンターを置き換えることで、お客様の電力削減などにつながり、社会全体における環境負荷を減らすことができます。2018年度のビジネスインクジェットプリンターにおける環境負荷削減貢献量*1を算出したところ、8,909t-CO2eとなりました。
2018年度は環境省の「下流CO2排出低減貢献製品の製造企業事例」に応募し、エプソンのカテゴリー11の主要排出源であるプロジェクターについて、CO2排出量削減効果の算定事例を紹介しました。また、社内の削減活動推進の仕組みとともに、ビジネスインクジェットプリンターを一例とした削減貢献量という概念を訴求しました。有識者からは、これらの活動が製造業での先進的な取り組みであるとの講評を得られ、社会として削減を進める(商品の普及を図る)ことの妥当性・有効性も確認されました。

下流CO2排出低減貢献製品の製造企業取組事例 掲載ページはこちら(環境省サイト)

今後は、貢献量算定の範囲を拡大するとともに、省エネ・省資源などの環境配慮型商品の改善を進め、社会全体の環境負荷低減に貢献していきます。

*1 第三者のGHG排出回避量を推定:レーザープリンターをインクジェットプリンターへ置き換えることによる削減貢献量を、電力使用量から算出(フローベース)。実際の削減量とは異なります。

気候関連問題:リスクと機会

2017年6月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が最終報告書を公表しました。TCFDとは、企業に対し中長期にわたる気候関連のリスクと機会を、それらの財務に関する情報として公開を求めるものです。長期にわたり、影響の範囲と規模の予測がつかない気候変動という事象に対して、さまざまな状況変化への適応能力が 高いレジリエントな経営や企業体質が求められていると受け止めています。

ビジネスに対する気候変動の影響を重要なテーマの一つと捉え、関連するリスクへの対応とビジネス機会を以下のように認識しています。生産活動や使用時の商品の電力消費などの影響から生じるリスクに対応するとともに、Epson 25の第2期中期経営計画に示す通り、エプソンの提供する商品・サービスの省資源・省エネルギー化による販売機会の拡大を図ります。さらに、協業・オープンイノベーションによる産業構造の革新を図り、低炭素社会の構築に貢献することを機会としています。

気候関連リスクと機会

分類 対象
機会 オープンイノベーションによるビジネス機会の拡大と社会の持続可能性向上への貢献
低炭素商品およびサービスの開発により、商品への規制やエコラベルへの迅速な対応による販売機会の拡大
意欲的な気候変動対応と、適切な情報開示やコミュニケーションによる企業評価の向上や人材確保
移行リスク 商品の省エネルギー規制やエコラベルへの対応が遅れることによる販売機会損失
エネルギー消費や温室効果ガス排出への課金による事業コストの増大
社会の要請に沿わない情報開示やコミュニケーション不足による外部評価の低下
物理リスク 気候変動に起因する気象変化の深刻化による操業への影響(自社工場停止・サプライチェーン分断)

環境パフォーマンス

エプソンはさまざまな資源を投入して、商品・サービスのライフサイクルにわたる企業活動を行う過程で、温室効果ガス(GHG)をはじめとした排出物を大気・陸域・水域へ排出しています。
バリューチェーンを含む事業活動全体の環境負荷の把握に努め、負荷低減に向けた活動を推進しています。

マテリアルバランス(2018年度)