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運動療法を支援するリスト型脈拍計
~ エプソンの健康事業 ~

ウオーキングをしている男性が、手首に着けた機器に時折目をやっている。この男性が利用している機器は、手首に着けるだけで運動中の脈拍数を測定できる、エプソンの「リスト型脈拍計」だ。液晶画面の顔マークが、脂肪燃焼に適しているとされる運動負荷(脈拍ゾーン)も教えてくれるため、無理なく運動を続けるための目安ともなる。


リスト型脈拍計


運動負荷の状況を教えてくれる顔マーク

エプソンは2011年10月15日から、企業などの健康保険組合向けに、このリスト型脈拍計を中心にした、組合員のメタボ改善を運動・食事面から総合的にサポートする「生活習慣改善支援サービス」を提供している※。
※2012年6月現在は、国内の健康保険組合向けに限定してサービスを提供中
https://shukan-kaizen.jp/topics/20111005/

このエプソンのセンシング技術を結集したリスト型脈拍計の開発ストーリーと、今後の健康事業の展開をご紹介しよう。

日常生活で使える脈拍計が欲しい

エプソンの従来製品も含め、これまで世の中に出回っていた運動療法用の脈拍計は、多くの血管がある指にバンドを巻き、そこから脈拍を測定するものが一般的だった。しかし、指にバンドを巻いてしまうと手作業をするときにわずらわしい、人目が気なるという声が多く、日常生活で使用できる新しいタイプの脈拍計が求められていた。


従来の指型脈拍計

そこでエプソンは20年にわたり培ってきた脈拍センサーの技術をさらに進化させることで、手首での脈拍測定の実現を目指した。エプソンでは、血中のヘモグロビンが光を吸収するという性質を利用した脈拍センサーを利用している。これは皮膚内部の血管にLED光を照射し、ヘモグロビンが吸収せずに皮膚内部から戻ってきた光を受光素子で測定するものだ。心臓の鼓動が血液を送り出し血管が太くなっているときは、ヘモグロビンの量も増え、より多くの光が体内で吸収される。一方、血管が細くなっているときは、ヘモグロビンの量は減り、吸収される光の量が少なくなる。受光素子に入る光量の多寡により脈拍を測定するというわけだ。


脈拍センサーの仕組み(イメージ)

手首で脈拍を測定するためには、主に二つの課題があった。一つ目の課題は、手首は指に比べて、脈拍を測定することに適した血管が極端に少ないということだった。受光素子が感知できる脈の光量は、同条件では実に指の30分の1の弱さしかない。そこでエプソンは、体内から戻ってくる光を効率的に受光素子に集められ、さらに手首と密着することで安定的に脈信号を取り出せるセンサーを開発し、この障壁を乗り越えた。


手首と密着して脈信号を安定的に取り出せる脈拍センサー(イメージ)

二つ目の課題は、ウオーキングの際に腕を振ることで、脈成分と比べて大きな血流ノイズが生じるため、脈拍数を測定することが難しいということだ。


脈拍のサンプルデータ

そこでエプソンは、腕振りをデータとして取得できる加速度センサーを脈拍計に搭載し、さらにプログラミングによりデータから血流ノイズを自動的に取り除くことで、脈拍を測定することに成功した。

より多くのお客様を健康に導く

このように強みであるセンシング技術を発展させつつ、試行錯誤を繰り返すことで、手首に着けるだけで運動中も測定ができる新しいタイプの脈拍計が完成した。エプソンは今後、健康・スポーツ・医療分野といった新しい事業領域で、技術を結集した新たな価値を実現する商品・サービスにより、お客様の健康・安心・豊かな生活に貢献していくというビジョンを掲げている。現在、健康保険組合向けに提供しているメタボ改善をサポートする「生活習慣改善支援サービス」についても、今後、糖尿病や心臓のリハビリ用の運動支援へと対象を広げていく予定だ。


リスト型脈拍計を用いた健康・医療事業の展開予定