技術・イノベーション

研究開発

自ら「夢」を描ける技術者集団となる

常務取締役 技術開発本部長 福島 米春

エプソンにとっての技術開発

「省・小・精の価値」で人とモノと情報がつながる新しい時代を創造する

ものづくり企業であるエプソンの技術的な強みは、ウオッチをルーツとする精密加工、水晶、半導体、ディスプレイなどさまざまな基礎技術を保有していることです。

これらの技術をベースに既存の事業を支えている要素技術に新たな技術をプラスさせ、さらにマクロトレンドと中長期の全社戦略を踏まえて新たな基盤となる技術を開発することで、将来のビジネスの種を作り上げていくことが私たちの目指す技術開発です。

すなわち「省・小・精の技術」をベースにした独創のコア技術であるマイクロピエゾ、マイクロディスプレイ、センシング、ロボティクスなどの技術を徹底的に極め、あらゆるお客様に価値を提供できるようにプラットフォーム化し、その仕組みに基づき、革新的な製品を作り続けます。さらに、今後ますます重要性の増していく情報通信技術を取り込むなどして、お客様の期待を超える「省・小・精の価値」を提供し、人やモノと情報がつながる新しい時代を創造していきたいと考えています。

エプソンが目指す4つのイノベーション

エプソンが4つの領域で世界を変える

長期ビジョン Epson 25 の中で、エプソンは4つの領域で世の中を変えていく立場でありたいと考えています。それは「インクジェットイノベーション」、「ビジュアルイノベーション」、「ウエアラブルイノベーション」、「ロボティクスイノベーション」です。

インクジェットイノベーション

この領域では独創のインクジェット技術「マイクロピエゾ技術」を磨き上げ、より生産性の高い領域へ飛躍します。オフィス領域ではレーザーが中心のオフィスプリントをインクジェットに置き換え、ラベル、サイン、テキスタイル、POD(Print on demand)など産業領域においては、アナログ印刷のデジタル印刷への移行を加速していきます。さらに、今後ますます強まる環境負荷低減への要求に対しては、環境性能に優れた小型インクジェットプリンターに、ドライファイバーテクノロジーを搭載した製紙機「PaperLab」を組み合わせることで、オフィスで印刷した紙を循環させる環境を実現し応えていきます。

ビジュアルイノベーション

ここでは独創のマイクロディスプレイ技術とプロジェクション技術を極め、ビジネスと生活のあらゆる場面で感動の映像体験と快適なビジュアルコミュニケーション環境を創造し続けます。超高光束技術やレーザー光源技術などを極めることでプロジェクターの既存領域だけではなく、その先の領域として、サイネージや照明などの新しい領域へ応用範囲を広げていきます。さらに、マイクロディスプレイ技術を応用したスマートアイウエアによって、いつでもどこでも、情報とつながり、活用できる環境をつくります。またセンシング機能と融合した実用的なAR(拡張現実)を実現して、業務用だけでなくコンシューマー用途での普及も図ります。

ウエアラブルイノベーション

ウオッチのDNAを基盤に、正確な時間とセンシングに磨きをかけ個性あふれる製品群を創り出し、さまざまなお客さまに着ける・使う喜びをこの領域で提供します。

当社の原点であるウオッチ事業には、精密部品加工や外装部品製造の技術、卓越技能者による精密組み立て・仕上げの技術に加えて、材料・加工・MEMS・表面処理など多くの優れた技術があります。これらを融合して、エプソンにしかできない個性あふれる製品群を創りだし、さまざまなお客様の要望に応えます。さらに低消費電力とセンシングの技術を融合させたコア技術を強化してスポーツや健康領域の分野も広げていきます。

ロボティクスイノベーション

この分野では「省・小・精の技術」に加え、センシングとスマート化の技術を融合させたコア技術を製造領域で磨きあげます。そして、それらの技術を広げて、あらゆる領域でロボットが人々を支える未来を実現します。

エプソンは画像認識や、力や加速度を高精度で感知するセンシング技術を磨き、これらを用いてロボットの動作や作業を制御するソフトウェアを製品と共にパッケージ化します。これによってロボット導入の工数を大幅に削減し、自動化のハードルを下げます。今後工場は自律・協調制御による高効率化されたスマートファクトリーへと進化しますが、エプソンはこれらの技術を極めることで、人のように動き、感じ、考えるロボットを創り上げます。さらに、製造業以外の産業やサービス、パーソナルなどのあらゆる領域に、進化したロボットを広げることで、人々を支える未来を創りだしていきたいと思います。

イノベーションを支えるマイクロデバイス技術

そして4つのイノベーション領域全体を支えるものとしてマイクロデバイス技術があります。エプソン独自のデバイス技術をコアに、水晶の「精」を極めたタイミングソリューション・センシングソリューションと、半導体の「省」を極めたパワーソリューションにより、通信、電力、交通、製造がスマート化する社会をけん引するとともに、エプソン完成品の価値創造に貢献します。

「夢」を描き、「的」を絞り、お客様の期待を超える

一人一人の技術者が
未来につながる「夢」を描く

革新を目指した技術開発を進めるためには、一人一人の技術者が未来につながる「夢」を描くことです。その技術者たちが、自分の持っている専門知識や考えを出し合い、議論し、エプソンが世の中を変えていくためのより具体的な「夢」の形を描き、共有するのです。

エプソンにはさまざまな専門分野の技術者がいますから、各々の分野を超えてその技術を融合することで創造の輪が広がります。そして、この「夢」の中から、出口となる商品、サービスやビジネスモデルを見据え、「的」を絞ります。

このような活動は、時には検討メンバーを変えながら試行錯誤するサイクルを何度も回します。これによって、技術者の「夢」がさらに具体的なものに形作られていくのです。

“Exceed Your Vision”を実践するために

さらに重要なこととして、私たちが取り組む技術を極めるためには、会社の外に出て、「現場」に入ってお客様の声に耳を傾けることです。技術者だからこそ、常にオープンなマインドを持ち、現場で一緒に体験する中でそのお客様とともに議論して考え抜く。そして、技術者の視点で、真の困り事をつかみその本質に迫ることにより、お客様が気付いていないニーズを掘り起こすことが重要なのです。

このように技術者が現場で学ぶためには、そのための仕組みも必要です。エプソンでは、国内外の医療現場、研究機関や大学に技術者を派遣し、現場実体験を通じてニーズを把握するなど、オープンイノベーションに向けた具体的な取り組みを行っています。

エプソンのタグライン“Exceed Your Vision”は、エプソンがお客様や社会の期待をはるかに超える価値を創造し、将来にわたり提供し続けることを示しています。私たちエプソンは、世の中の革新を目指したテクノロジーイノベーションの積み重ねにより、“Exceed Your Vision”を実践し、世界中の人々からエプソンブランドの価値を世界最高レベルと認めていただけるようになりたいと考えています。