
ワイヤレス急速充電システム
カフェのテーブルの上に携帯電話を置いて、コーヒーを飲んでいる間に充電ができたら。そんな生活を可能にするのが、「ワイヤレス急速充電システム」です。テーブルにモジュール(装置)を組み込ませることで、携帯電話をコネクタに接続しなくても、置くだけで充電が可能。短時間で充電できるだけでなく、ケーブルなどを使わないため、他の機器と充電器の共有もできます。この近未来の技術には、これまでエプソンが開発してきた無接点電力伝送技術「AirTrans.(エアートランス)」※が活かされています。
※「AirTrans.」はセイコーエプソンの商標です
ワイヤレス充電には3つの方式(電磁誘導方式・電波受信方式・共鳴方式)があり、エプソンが開発したのは「電磁誘導方式」。電流を充電器に流すと磁束が発生し、それを機器が受けると電流に変換され、充電器と電流は非接触状態で充電できるという仕組みです。

エプソンは、従来30%程度だった電力伝送効率を、効率的な伝送を可能にするコイルの開発等により、70%以上に向上させることに成功しました。伝送効率が上がれば損失電流も少なく、発熱を抑えることにもつながります。同時に、安全性確保のため制御技術の開発にも工夫を凝らしました。まずは充電台に置く機器が、充電対象であるかどうか正確に判別できる技術を開発。また、端末の間に金属片などが入り込み、異常発熱を起こさないよう、異物を感知し充電を停止させる技術も取り入れました。さらに接続端子をなくすことで、防水機能も確保しています。
近い将来、このワイヤレス充電システムが、家庭だけでなく、公共の場所や店舗に設置されるようなことになれば、電力供給の新しい社会インフラとしてご利用いただくことも可能になるかもしれません。また、対象機器も携帯電話やデジタルカメラといった小電力モバイル機器だけでなく、より大容量電力を必要とするノートパソコン、さらには産業用ロボットへの応用なども考えられるため、ワイヤレス充電の可能性は無限に広がっているといえるでしょう。

[News release 2008.9.3]電力2.5W、コイル厚0.8mmの無接点電力伝送モジュールを開発
[週刊ダイヤモンド 2008.2月掲載]
「置くだけ」でモバイル機器を急速充電 ユビキタス時代を支える次世代技術ワイヤレス電力伝送システム(PDF,2MB)
[News release 2007.9.27]村田製作所、セイコーエプソンが 『ワイヤレス急速充電システム』の共同開発に取り組むことで合意