技術・イノベーション

知的財産

未来を拓く知的財産活動

執行役員 知的財産本部長 髙畑 俊哉

知財活動は経営戦略の重要な柱

グローバル市場において
競争力を保持し続けるために

知的財産(知財)活動を取り巻く状況は、以前と比べて大きく変化しています。

経済のグローバル化や新興国企業の台頭が進展する中、将来にわたり高い価値を生み出す知財を創出して権利保有することは、企業が国際的な競争力を高める上で非常に重要な要素となっています。

私たちエプソンは、事業を営み強化し続けていくために、独自の高度な技術をもっとも重要な資産として位置付けています。これを守るためにも知財活動は経営戦略上非常に大切なことで、まさに経営と一体となった活動が求められています。

業務執行役員 知的財産本部長 髙畑 俊哉

業界屈指の知財力

エプソンは、独自のコア技術を磨き上げ、高度なものづくり力を組み合わせてイノベーションを創発するエプソン流の垂直統合型ビジネスを展開し、イノベーションを支える知財活動を重視しています。2015年、世界知的所有権機関(WIPO)が発表した「The top 100 global patent applicants」ランキングでは、世界7位にランクインしました。

さらに、インクジェットプリンターやプロジェクターなど自社商品分野においては、質・量ともに業界トップレベルの特許を有しており、この業界屈指の知財力が独自のコア技術の創出を支えています。

知財のプロフェッショナル集団

独自技術を重視する企業姿勢

エプソンの知財活動でもっとも特徴的なポイントは、企業規模に比べて相当大きな知財専任部隊を有していることはもとより、それぞれの特許技術者が知財に関する多くの実務を自分たちでこなそうとする知財プロフェッショナル意識が、長年にわたって根付いているということです。たとえば国内出願の半分は特許事務所を通さず、社内から直接特許庁手続きすることにより、知財実務力をつけています。また、外国の特許出願に関しては、そのほとんどを国内特許事務所を通さず、直接現地の代理人と英語で手続きしています。これにより、委託コストを抑えながら権利化方針をより明確に伝え、強い権利の取得ができています。さらに、取得した知財権を用いて海外の多くの国(20カ国以上)で他社侵害品に対して権利行使を行い、エプソンの商品保護に努めています。これらの活動がエプソンの大きな強みとなっています。これも、エプソンが独自技術を重視しており、それを正当な権利として行使するための知財活動が経営上たいへん重要であると考えているからなのです。

特許技術者の育成

点がつながり線となり
エプソンの未来を描く設計図となる

特許技術者は、発明者のアイデアを自社に有利な形で権利化することが役割です。発明者が権利化できると思っていたことだけではなく、発明者と対話を重ねることで、発明者自身ですら描いていなかった光り輝くアイデアの原石を掘り出します。

そのために特許技術者には特定分野の技術知識だけではなく、幅広い知見や見識が求められますし、対人コミュニケーション能力も必要です。このような特許技術者を育成するのは簡単なことではありませんが、エプソンでは特許技術者教育に非常に力を入れており、数年間におよぶ育成プログラムを用意しています。また、発明者自身のレベル向上のためのプログラムも用意しています。

知財の仕事というのは、ある意味で発明者とともに未来を創っているのだと私は考えています。発明者が生み出したアイデアを、発明者と一緒になって洗練し、研ぎ澄まして、より高度なものに昇華させていく――。一つ一つの技術を点だとすると、それを経営戦略に沿った形に配置することで、点がつながり線となり、エプソンの未来を描く設計図となるのです。

ウエアラブル商品やロボットなどの新規分野にも注力

特に近年では、プリンターやプロジェクターなどの情報関連機器に加えて、エプソンがこれまで培ってきた「省エネルギー、小型、高精度(省・小・精)」を追求する技術を進化させたウエアラブル商品やロボットなど、これから先が楽しみな分野でもこのような取り組みに力を入れています。開発の初期段階から事業化までの間、知財の観点から世の中の動向を調査・分析し、その情報に基づいて発明者と一緒になって発明発掘活動を行っています。まさに発明者とともに未来を創るための活動です。

これからも、エプソンの今を支えるのはもちろんのこと、経営戦略と一体となって、エプソンの未来を創っていくことができる知財活動を行っていきたいと考えています。

ワールドワイドでトップレベルの特許出願件数

分野別特許出願公開件数ランキング

日本

  • インクジェットプリンター 1位
  • プロジェクター 1位
  • 水晶デバイス 1位
  • ロボティクス 1位

アメリカ

  • インクジェットプリンター 1位
  • プロジェクター 1位
  • 水晶デバイス 1位
  • ロボティクス 1位

※2016年の特許公開件数ランキング(当社調べ)(2016/01/01~2016/12/31)

2016年登録特許件数ランキング

日本 7位

米国 15位

中国 16位

※中国は外国企業のみのランキングです。(2016/01/01~2016/12/31)
2016年の出願件数ランキング(当社調べ)

エプソンは、継続的な知的財産活動により、科学技術の向上と発展に寄与したことが認められ、2016年度は、世界的な情報サービス企業であるトムソン・ロイター IP&Scienceを前身とする、クラリベイト・アナリティクス・ジャパン(株)主催の「Top 100 グローバル・イノベーター 2016」アワードにおいて、世界の革新企業および研究機関のトップ100社に6年連続で選出されました。6年連続受賞した企業は、世界で39企業・機関、そのうち日本企業は14社です。

また、公益社団法人発明協会主催の「平成28年度全国発明表彰」、及び、「平成28年度関東地方発明表彰」などの外部表彰も受けており、社外から高い評価をいただいています。