写真家が語る、プロセレクション

  • 製品をご利用中の方へ

    サポート情報
  • ご購入はこちら

プリントは、写真というものの存在感を強く感じさせてくれるもの。INTERVIEW 03 テラウチマサト×SC-PX5VII

自分の手でコントロールできる。
その領域が広がった。

テラウチ先生にとって、プリンターの進化はどのような意味がありますか。

テラウチ
大きく言って2つあります。ひとつ目は、自分の手の中でコントロールできる領域が広がったということ。色、光の調節から、もちろん出力まで、今まで分業されていた作業が、ほとんど自分で自由に質を保ちながらできるのはうれしいですね。今まで人に任さざるを得なかった最後の仕上げを自力でできるのが、とてもすごく楽しいんです。

2つ目は何でしょうか。

テラウチ
インクジェットプリンターなら、プリントするメディアが飛躍的に増えるということです。写真光沢紙絹目調マット系…。先日は京都での写真展(建仁寺)を和紙でプリントし展示しました。作品の世界観をメディアを変えてイメージにマッチングさせていくことも試していますし、同じ作品でもメディアを変えてどういう反応が起こるのかをいろいろと見ています。

確かに、メディアを変えることで作品の世界観はずいぶん変わります。

テラウチ
そうなんです。僕は、作品をプリントして手に持った時の手触りみたいなものをとても大切にしています。写真というものの存在感はプリントしたものにこそあると考えているので、メディアが増えることはとても重要です。
あとは、もっともっと厚い紙、もしくはものすごく薄い紙にもプリントできたらと。極薄の紙でプリントしたものを張り合わせて、自分で本を創れたら面白そうだなんて思っているんですよ。

PHOTOGRAPHER WORKS 001

「個性というのは実は、個人のものではなく、人やモノなど何かと出会った時に生まれるのものではないかと思っています。富士山は多くの方が撮っていますが、「僕×富士山」から、新たなものが生み出せたのではないかと思っています。」

黒と白のせめぎあいから、
いいものが生まれてくる。

今回、 SC-PX5VIIで作品をプリントしていただきましたが、
  印象はいかがでしょうか。

テラウチ
とにかく黒の強さ。締りの良さですね。実は何年か前にプリンターの進化は行くところまで行ったのではないかと考えていたんですが、また、一段階上がった感じがします。個別にみると以前のプリンターの黒でもいいですが、 SC-PX5VII「Epson UltraChrome K3インク」ですか、このインクでプリントしたら、やはり違う。

先生の作品にとって、黒はどんな意味がありますか。

テラウチ
黒が強くなるというのはとても重要です。黒には黒の濃度というのがあって、真っ黒が100%だとすると、そこから細かに濃度が低くなっていく。この階調が精緻に細かく出ることによって、つぶれていた黒もグラーデーションになっていく。これが大きい。
それと、黒そのものも大切ですが、グレーインクというのも重要。「黒か白か」あるいは「Yes or No?」とよく言われるけれど、そのどちらでもないところに豊かなものが生まれていく。例えば、黒か白かということでいえば、コントラストがはっきりした写真ということになるのですが、それは派手で分かりやすいけれど、階調性が豊かに表現されていないと薄っぺらに見えてしまう。
さらに言えば、ギターの音は、弦を抑える箇所でドやレやミの音が決まっているけれど、三味線はいい意味であいまいですね。こういうところが日本人的な美意識で、写真でもこの部分を大切にしていきたいと思うんです。

黒と白の間、ですね。

テラウチ
黒にばかり目が行きがちですが、中間色の色も精度が上がっていませんか。

ありがとうございます。実は黒がほかの色もコントロールしているんです。
  黒を突き詰めていくと、あらゆる色の精度が上がります。

PHOTOGRAPHER WORKS 002

「黒い影を意識し、影のグラデーションに期待して撮った作品。黒の締りがいいから、以前ならつぶれていた黒がしっかりと出て、撮影時の意図通りの作品になった。」

テラウチマサト写真展「RED FISH」会期:2015年12月11(金)〜2016年1月7日(木)  10:30〜18:00 (最終日は15:00まで、日曜休館)

細部の小さな違いに気づいていないと
素晴らしい写真は撮れない。

テラウチ
シカゴの有名な建築家であるミース・ファン・デル・ローエという人の言葉で「神は細部に宿る」という言葉があります。僕はこれは、写真にも言えると思うんですね。
例えば、メロンを撮るとします。この時、メロンだけが美しく撮れていても、いい写真とは言えないんです。本体の色や輝きはもちろん、影の入り方、濃淡、角度、ラベルの光り方など、細部ともいえるそのすべてがわかっていてシャッターを切らないといけない。

細部の差が、写真の差になっていくということですね。

テラウチ
だから僕が、細部にこだわってこだわって完璧なライティングしたとしても、その差がプリントに再現できないと、ちょっとがっかりしますよね。

エプソンのプリンターは、先生の期待にきちんと応えていますか。

テラウチ
満足しています。暗部のどこをつぶして、どこを生かすか、計算してライティングした成果が形としてよく出ています。
それと、ドットサイズも細かくなっているんじゃないですか。ドットサイズが緻密だと、髪の毛一本一本の流れ方や色などまですごく精緻に表現できる。情報量が多いから、べたっとした感じににならない。写真家の武器として、いい進化をしていると感じています。

PHOTOGRAPHER WORKS 003

「細部に徹底的にこだわって撮影しても、プリンターがそれに応えてくれなければ意味がない。この写真はイタリアの陸軍士官学校の天井を撮ったものですが、中間色のグラデーションまで非常に繊細に再現してくれていますね。」

1954年富山県生まれ。ポートレイト、風景、プロダクトから空間まで、独自の表現手法で常に注目を集める写真家。2000年には、20代向けフォトカルチャー誌「PHaT PHOTO」を創刊。
クリエイティビティを活かした幅広い活動は海外からも高い評価を受けている。

SC-PX5VIIスペック
Epson UltraChrome K3 インク搭載
A3ノビ対応モデル

製品詳細についてはこちら

写真家が語る、プロセレクション  スペシャルムービー公開中